熱帯魚飼育の手順と必要なものを元アクアショップの店員が優しく解説!

熱帯魚飼育の手順と必要なものを元アクアショップの店員が優しく解説!

今回は元熱帯魚ショップの店員が、熱帯魚の飼育の基本の手順とアイテムについて、初心者にもわかりやすく、かつ優しく解説していきます。

まずはしっかり無理なく手入れできる範囲から初めて、その後アクアリウムの奥深い世界に飛び込んでみましょう!

初めてアクアリウムに本格挑戦する初心者の方へ

アクアリウムは手軽に始められる趣味でありながら、家を水槽のために改築する方もいるほど奥深い趣味です。

飼育方法も多岐にわたり、こだわればいくらでもこだわりようはあります。

今回は基本のキとして、初心者の方を対象に、飼育する生き物選びから道具選びまでの手引きを紹介します。

当サイトではみなさんのレベルアップするに連れてリンクページも作っていく予定なので、ぜひ参考にしてくださいね!

まずは飼いたい魚を選びに行こう!

アクアリウム上級者になると、置ける水槽を用意した後に入れられる魚を選びにいくこともありますが、最初はそんなことわからないという方もいますよね。

初心者の方は、まず飼いたい魚を決めたほうが、モチベーションも上がりますし、これから道具を用意するうえでイメージしやすくなります。

初心者におすすめの熱帯魚

熱帯魚には飼育しやすい種類、しにくい種類がいるので、まずは飼育が難しくない種類から飼育を始めましょう。

とくにおすすめの種類をピックアップして紹介します。

グッピー

グッピー

色とりどりで、繁殖もかんたんな熱帯魚です。

しっかり飼育すると、むしろ増えすぎて困ることもあるほど。

原産地別に病気があるので、同じ原産地同士で飼育するようにしてくださいね。

グッピー│生き物図鑑

プラティ

サンセットプラティ

グッピーと同じくおなかの中で卵を孵化させる熱帯魚です。

飼育も簡単で、比較的価格も安いので初心者の方にもおすすめです。

プラティ│生き物図鑑

バルーンモーリー

バルーンモーリー

ぷっくりとしたかわいい熱帯魚。

卵胎生で繁殖も簡単です。

やや病気に弱いですが、これから紹介する基本の飼育方法を守れば大丈夫。

バルーンモーリー│生き物図鑑

エンゼルフィッシュ

エンゼルフィッシュ

大きめで飼いごたえのある熱帯魚がいい方には、エンゼルフィッシュがおすすめです。

名前は知らなくても、姿を見たことがある方は多いですよね。

丈夫で飼いやすく、繁殖も楽しめるおすすめの魚です。

エンゼルフィッシュ│生き物図鑑

ネオンテトラ

ネオンテトラ

小型魚の代表的な熱帯魚です。

水草やレイアウトを中心にした水槽を作りたいときにベターな魚ですね。

小型魚は水質の変化に弱いので、とくに飼ったあとしばらくは丁寧に飼育してあげてくださいね。

ネオンテトラ│生き物図鑑

ショーベタ

ベタ ハーフムーン フレアリング

まるでドレスをまとっているかのように美しい熱帯魚です。

色もさまざまで、飼育する道具も少なく小さな水槽で飼育できるおすすめの魚です。

闘魚の別名もあり一匹でしか飼育できず、これから紹介する方法では適さない場合もあるので要注意。

ベタ ショウベタ│生き物図鑑

カクレクマノミ

カクレクマノミ

いわゆる「ニモ」として人気の海水魚です。

海水魚は淡水魚よりも飼育が難しいですが、カクレクマノミは海水魚の中では比較的飼育が簡単なので、基本の飼育方法をまもれば初心者でも十分飼育できます。

カクレクマノミ│生き物図鑑

レッドビーシュリンプ

レッドビーシュリンプ

最近流行りの淡水エビです。

小型のエビは水槽の苔掃除担当としてサブ的な飼育でしたが、レッドビーシュリンプの登場でエビだけを飼育するエビ水槽が人気になりましたね。

飼育方法は魚と少し違いますが、基本を抑えれば初心者でも十分飼育できます。

レッドビーシュリンプ│生き物図鑑

魚が決まったら水槽を選ぼう!

小型水槽

飼いたい魚が決まったら、その魚に適した水槽を選びましょう。

水槽選びのポイントはおもに3つあります。

①魚に必要な大きさ

水槽の大きさは、約10cm~180cm幅までさまざまです。

あまりに小さいと魚が暮らしにくくなってしまいますが、あまりに大きいと水槽を掃除しにくく、ろ過装置も大きなものが必要になります。

とくに90cm以上の水槽だと、床の強度にも気を付けなければいけません。

まずは20~60cmの中で、魚に必要な大きさの水槽を選びましょう!

紹介した魚の飼育だと、おおよそ以下のようなイメージになります。

グッピー(5匹)…………………20~30㎝
プラティ(5匹)…………………30~45cm
バルーンモーリー(5匹)………30~45cm
ネオンテトラ(10匹)……………20~30㎝
エンゼルフィッシュ(2匹)…45~60cm水槽
ショウベタ(1匹)……………15~30㎝
カクレクマノミ(2匹)………45cm~60cm
レッドビーシュリンプ(5匹)…30~45cm

ろ過装置(フィルター)の性能にもよるので、ろ過装置が弱い場合には水槽を大きくしておくと安心です。
飼育数を減らすことで水槽サイズを落とすこともできるので、見た目の数にこだわらず、飼育しやすい数の魚を飼育するようにしましょう!

②水槽の素材

水槽に使われている素材もさまざまで、それぞれ特徴があります。

よく発売されているものはおもに3つの素材に分けられるので、水槽を買うときは素材もチェックしましょう。

  • ガラス
  • アクリル
  • プラスチック

現在流通している水槽は、おもにこの3種類が多いです。

それぞれメリットデメリットがありますが、最初のうちはガラスが価格も安く、サイズも様々なのでおすすめです。

もしぶつけても割れにくいものが良ければプラスチック、より透明度が高いものがよければアクリルも検討してみましょう。

ろ過装置やライトなどが一式そろうお得な「セット水槽」が多いのもガラス水槽!
飼いたい魚に合わせたセットがあるのも初心者にはうれしい!

③水槽の規格・デザイン

水槽は四角いものだけでなく、ドラム型や池型のものなど、さまざまな種類があります。

四角いものにも、角が丸めてあるものやフチが透明なもの(オールガラス水槽)、縦長のものや横長のもの、背の低いもの(ランチュウ水槽)などがあります。

基本は好みでOKですが、あまり特殊な形だと一部のろ過装置が使えない場合があります。

まずは角形の水槽で、水槽のサイズが適切なものを選びましょう!
オールガラス水槽が魚も見やすく、インテリアになじみやすいのでオススメだよ!

ろ過装置(フィルター)を選ぼう!

水作 金魚 フィルター

水槽を選んだら、水をキレイにするろ過装置を設置しましょう。

ベタやアカヒレなどはろ過装置を使わない飼育方法もありますが、基本的には水槽の大きさに合わせたパワーのあるろ過装置を設置するのがセオリー。

セットで付いてきた場合にも、飼育する魚と合っていなければ買い替えてあげましょう。

初心者だと、扱いやすさを考えて

  • 外掛け式フィルター
  • 水中フィルター
  • 上部フィルター

などがおすすめです。

ろ過装置のパワーだけでなく、魚の習性にあわせたろ過装置を選べば、より魚の生き生きした姿を見ることができるよ!

ヒーターを用意しよう!

熱帯魚の飼育には、ヒーターが必要になることがほとんどです。

夏場は必要ありませんが、冬場に室温が一定になっていないのであれば、入れてあげたほうが病気の予防や突然死の防止になります。

ヒーターの種類

熱帯魚用ヒーターには、おもに3つの種類があります。

温度を一定にする「オートヒーター」

温度を可変できる「サーモスタット付きヒーター」

サーモスタットとヒーターが別になった「サーモスタット用ヒーター」

サーモスタット付きヒーターは温度を任意で変えられるので便利ですが、最初はコンセントを指すだけで自動で温度を上げてくれるオートヒーターがおすすめです。

たいていの熱帯魚は26℃前後の設定でOKですが、種類によってはやや低め、やや高めが好みな場合があります。

どのヒーターにも、出力の違うラインナップがあるよ!
かならず水槽の水量に合わせて、ヒーターのワット数を選んでね!

砂利(底材)を選ぼう

砂利

水槽には砂利を敷くのが一般的ですが、これは見た目だけでなくろ過や水質にも影響するのでしっかり選びましょう。

とくに重要になるのがpH(ペーハー)で、魚によって好みのpHは違い、砂利によってpHは大きく変化してしまいます。

ほかにも、

  • ろ過バクテリアの住み着きやすさ
  • 魚が安心する色

など、機能性も考えるといいでしょう。

もちろん見た目も大切ですが、魚の性質に合わせた砂利を選んであげてくださいね。

水槽内をレイアウトしてみよう!

必要なものがそろったら、水槽内の装飾にも挑戦してみましょう。

人工物から天然石、流木などさまざまなレイアウトアイテムがあります。

天然のレイアウトアイテムには、水質を調整する効果もあるので、魚に合わせて選ぶのがベストです。

流木

流木は淡水水槽のレイアウトに使われるポピュラーなアイテムです。

さまざまなサイズや形があり、流木に水草を植え付けたものもありますね。

流木は水質を弱酸性に傾けるので、弱酸性の水を好む魚を入れた水槽に使いましょう。

新品の流木は水を透明な茶色にする効果があるので、クリアな水にしたいなら、流木を煮るなどして下処理してから使いましょう!

天然石

水槽レイアウトに使われる石にもさまざまあり、模様や色味、形など好みなものを選ぶことができます。

ただし石にも水質を調整するものがあるので、飼育している魚に合っているか確認しながら選んでくださいね。

石を入れるときは、水槽を割らないようしっかり砂利を厚めに敷こう!
倒れてしまわないように、組み上げるときも注意してね!

水草

水草も水槽を彩るレイアウトアイテムの一つ。

自然の風景を再現できるので、魚もよろこびますね。

ただし水草も生き物なので、育成には知識が必要です。

最初のうちは、ビニールでできた人口水草を入れて、魚の飼育に慣れてから水草に挑戦するのがおすすめです。

ライブロック

海水水槽をレイアウトするときのモストアイテム。

サンゴの塊にバクテリアなどが住み着いていて、水質を安定させる効果もあります。

淡水水槽には使えないのでご注意を。

水槽をセッティングしよう!

水槽 LEDライト

用品を用意したら、水槽をセッティングしましょう!

レイアウトするときにも魚を入れるときにも少し注意点があるので、失敗しないよう最後まで気を抜かずに作業してくださいね。

①水槽の水漏れチェック

水槽はメーカーでしっかり検品されていますが、お店においてあるときや輸送中にヒビが入ってしまうこともあります。

レイアウトした後に水を入れて水漏れしてしまうリスクを避けるために、設置する前にお風呂場で水槽に注水してチェックしましょう。

②水槽の置き場は平坦で頑丈な場所に

水槽の置き場は、とくに注意しなければいけないポイントの一つです。

置き場にゆがみがあると、水槽に負担がかかってとつぜん割れることもあります。

水槽は砂利を入れると予想以上に重いので、置き場の強度も重要です。

日光が当たる場所はコケが生えたり、水温が急上昇して魚が死んでしまうこともあるので避けましょう!

③砂利を入れよう

置き場が決まったら、水槽に砂利を入れましょう。

砂利は輸送中に削れて粉をまとっているので、そのまま入れると水が入ったときに濁りの原因になります。

いちどバケツなどに開けて、流水で濁りを洗い流してから入れると安心ですね。

水を入れるときに砂底は荒れてしまうので、おおよそ平坦にすればOKです!

④ろ過装置とヒーターを配置しよう

砂利を敷いたら、ろ過装置をヒーターを配置しましょう。

ろ過装置とヒーターは、水が入っていない状態で、ぜったいに電源は入れないこと。

ろ過装置のプロペラが割れたり、ヒーターが以上加熱して破損や火事の原因になります。

まずは配置を決めて、コンセントは入れないようにしましょう。

ヒーターは万が一にも自らでないよう、底砂から少し離して低い位置に、寝かせて配置するのがセオリーです。

レイアウトのイメージを固めてから、ろ過装置とヒーターの置き場所を作ってもOKだよ!

⑤レイアウトしていこう!

水槽立ち上げの一番楽しい作業ですね。

ろ過装置やヒーターの邪魔にならなければお好みでやっていいですが、キレイにレイアウトするポイントがあります。

水槽 レイアウト

たとえばこの水槽だと、右と左に山が分かれていますよね。

このように高さを使い、スペースも生かすことできれいなレイアウトに仕上がりやすいです。

あまりごちゃごちゃしすぎると魚が見えにくくなったり、水がよどんだりするので、水が流れて魚が泳ぎやすいスペースを作ってあげるのは大切なポイントです。

⑥水を入れ、ろ過装置とヒーターの動作を確認しよう

レイアウトが出来上がったら、水を入れていきます。

水は塩素を抜いた水が理想的で、カルキ抜き剤を入れるか、1日汲み置いた水を使いましょう。

水を入れたら、ろ過装置とヒーターの電源を入れて、しっかり動いているか確認します。

とくにヒーターは、まれに温度調整機能が壊れて温度を上げ続ける場合があるので、かならず魚を入れる前に温度計で温度を確認しておきましょう。

水槽に水を入れるときは、ポリ袋を入れてその上に注ぎ入れると砂が巻き上がりにくく、レイアウトを荒らさないのでおススメだよ!

⑦できればそのまま2~3週間放置

せっかく立ち上げた水槽に、すぐに魚を入れたい気持ちはわかりますが、できればそのまま放置しておくのが理想的です。

というのも、新しい水槽の中ではまだ微生物のバランスができておらず、魚を入れると微生物の働きで死んでしまうことがあるのです。

とくに海水魚や汽水魚では、微生物によるダメージはより大きなものになります。

できれば水を入れてろ過装置を動かしたまま、微生物を育てるために水槽に魚の餌を2.3日に1回少量ずつ入れて、2~3週間放置するのが理想的です。

もしどうしてもすぐに魚を入れたい場合はバクテリア剤に頼るか、1か月間は毎日1回、水槽の水を1/3程度換えてあげましょう。

⑧魚を入れて完成!

水槽の準備ができたら、魚を入れましょう。

ご存じの通り、いきなり水槽に放つのはご法度。

水合わせという作業が必要になります。

袋のまま水槽に浮かせて温度を合わせて、袋に水槽の水を少しづつ入れてpHなどの水質を合わせます。

だいたいそれぞれ30分ずつ行えは十分でしょう。

お店の水には、病原菌やコケの胞子など、持ち込みたくないものが入っていることがあります!
水質を合わせるときは、水槽内の水を袋に入れ、入れた分は袋から抜いて捨てるのがベストだよ!

奥深く素晴らしいアクアリウムの世界へようこそ!

今回は、初心者の方に向けて水槽の立ち上げのいろはを解説しました。

長かった!と思われる方もいるかもしれませんし、私も書いていて長いなぁと思っていました。(笑)

でもじつは肉まんで言えば薄皮の部分に過ぎず、餡にはまだまだ届いていません。

それほどアクアリウムは奥深く、それが面白さでもあります。

今回はなるべく初心者の方が失敗しないよう必要な情報を書きつつ、かつ理解しやすいよう砕いた表現にしました。

もし興味があれば、このページを拡張する形でどんどん細かく解説していきますので、よければブックマークしてたまに読み返してみてくださいね。

重ね重ねになりますが、みなさん、素晴らしく奥深いアクアリウムの世界へようこそ。

How Toカテゴリの最新記事