クランウェルツノガエルは、おもちゃのようなシルエットと豪快な捕食行動が魅力のカエルの入門種です。
しかし独特な風貌から見ても、どう育てたらいいのか想像しにくいですよね。
そこで今回は、クランウェルツノガエルの飼育方法を徹底解説します!
クランウェル ツノガエルとは?
クランウェルツノガエルは、中南米に生息しているツノガエルの一種です。
ツノガエルの仲間としては、ベルツノガルなどもおなじみですよね。
クランウェルツノガエルは柄も特徴的ですが、皆さんにもおなじみのニホンアマガエルと比べると、なにより体形に違いがありますよね。
実はこの体形の特徴は、飼育する上でも大切なポイントになります。
パックンマンフロッグの愛称
パックンマンというキャラクターはご存知でしょうか?
クランウェルツノガエルはそれをもじって、海外では「パックマンフロッグ」呼ばれているそうです。
たしかにあの大きな口となんでも食べてしまうとことが似ていますね。
youtubeなどで海外での飼育情報を検索したいときは“PacMan Frog”で調べるといいかもしれません。
特徴的で不思議なシルエットの秘密
今回紹介するクランウェルツノガエルは、日本でもよく見られるニホンアマガエルとは違う見た目をしていますよね。
丸い体についた手足はまるでおもちゃのような姿をイメージさせますが、なぜそのような姿をしているのでしょうか。
クランウェルツノガエルは、草原や土の中に潜って生活をする地上棲(地中棲)の生態をもつカエルです。
そのため木や葉の上などで暮らす樹上棲のアマガエルとは、同じカエルでも体のつくりが違うため、見た目の違いがとても顕著です。
地上棲のカエルは樹上棲のカエルとは違い、跳ねて高い場所に移動することがないため強力なバネをもつ長い脚ではなく、土を掘りやすいよう短いです。
他にも、小動物を食べたりすることがあるためアゴが強く、口が大きいなどの特徴がありますね。
クランウェルツノガエルのここが魅力!
クランウェルツノガエルは、やはり馴染みのカエルのイメージからすると、異質な生き物に見えてしまいます。
しかし、よくよく観察してみるとさまざまな魅力があるので、飼育している方に聞いたクランウェルツノガエルの魅力を紹介します。
穴を掘る姿がかわいい!
クランウェルツノガエルには、土に潜る性質があります。
土を使った飼育をしていると冬場などに姿が無く脱走したかも!?と焦るそんな場面がでてくることがありますが、大概の場合土をかき分けるとカエルがでてきます。
温度や湿度の変化のよって自分で心地の良い場所を取る習性が生き物にはあり、クランウェルツノガエルは土に潜ったり、逆に土から出ることで調整しています。
後ろ足で器用に穴を掘り、ぴったりの穴に収まる姿は癒されること間違い無しですよ!
犬猫禁止の賃貸物件でも大丈夫○!
クランウェルツノガエルは爪や牙、歯もありませんし、基本的にケースの中で飼育するので、部屋を汚す心配もほとんどありません。
鳴き声もメスは全く無く、オスの場合も単発で鳴くためうるさくありません。
鳴き声は、アマカエルと違って小さいですが、心配であればYouTubeなどで確認してみるといいですね。
カエルも含めてペット飼育不可の物件もあるので、明記されていない場合は購入前に管理会社や大家さんに相談してからお迎えするようにしましょう。
省スペースで飼育できる!
クランウェルツノガエルは、最大で15cmほどに成長するカエルです。
運動量は少なく、空間認識能力も乏しいため広いスペースを用意する必要はありませんが、狭すぎるケースでは骨の異常や自家中毒(自分の出した毒に侵される)などのリスクがあります。
成長するに従って、最低でもカエルよりふた周り位のスペースは用意する必要がありますね。
それでも30㎝四方、高さ15㎝ほどのケースで十分なので、飼育スペースが小さくても飼育できるという点は、初心者の方や、家が狭くて飼育できるペットに制限がある方には魅力になりますよね。
なんでも食べてしまう食いしん坊
生き物の飼育、とくにいわゆるエキゾチックアニマルといわれるペットたちは、餌の問題が付きまといます。
しかしクランウェルツノガエルはエサ食いがよく、健康な個体については給餌について困ることは稀です。
ペットとして飼育される成体のクランウェルツノガエルの餌としては
- 人工餌(ひかりベルツノ、パックンマンフードなど)
- 餌用メダカ、金魚
- コオロギなどの餌用虫
- 餌用マウス
などのバリエーションがあり、とくに人口餌を食べてくれれば、餌の管理やコストは大幅に削減できますね。
子供でも飼えるほど飼育管理がシンプル
飼育のスタイルにもよりますが、管理が楽なソイルでの飼育の場合、餌やりはカエルが小さい頃は2~3日に1回、ソイルの水洗いは週に1回でも十分です。
クランウェルツノガエルは相場(2020年現在)ではノーマルカラーで3000~5000円ほど。丈夫で飼育も容易なカエルですし、実際に小学生くらいのお子さんも飼育していることがあります。
飼育方法もある程度確立されているので、エキゾチックアニマルを飼いたい方のはじめてのペットにもおススメですね。
初心者向けクランウェルツノガエルの飼い方
魅力をたっぷり語ったところで、クランウェルツノガエルを実際に飼育する方法を解説します。
初心者の方にもわかりやすいよう解説しますが、お店での飼育環境もよく聞いて用品などもカンペキに揃えてあげてくださいね。
飼育する道具を選ぼう
クランウェルツノガエルはほかの両生類に比べて、用意する道具が非常にシンプルです。
具体的に用意する用品は以下のものです。
飼育ケース
脱走防止のため蓋つきのもの。30㎝四方、高さ15㎝以上のものがおすすめです。
爬虫類・両生類飼育用の専用ケースや、虫かごなどでも飼育できます。
床材(とこざい)
クランウェルツノガエル向きの床材には、熱帯魚用ろ過装置のウールマット、ミズゴケ、ソイル、ヤシガラなどがあります。
ソイルやヤシガラでの飼育がおススメですが、カエルなので体色を環境によって変化させることがあるため、明るい体色を保ちたい場合は白色のフィルターやミズゴケでの飼育がオススメです。
ただし水を多く含む床材は、水に毒素がたまらないよう水換えを毎日する必要があります。
ピンセット
餌を与える際に必要なので、1つ用意しておきましょう。
先端が柔らかくカエルの口内を傷つけにくいため、 竹製のものがオススメです。
餌
先述した人工飼料など。
昆虫を使用する場合はカルシウム剤やビタミン剤を添加する必要があるので、あらかじめ用意しておきましょう。
温度計とヒーター
クランウェルツノガエルは丈夫ですが適温でないと調子を崩しやすくなります。
22~28度の間を保てるよう冬季はヒーター等を使用し快適な環境をととのえてあげましょう。
もちろん温度を測るための温度計も設置が望ましいです。
注意したいのが、熱帯魚と違い水温ではなく気温を測るので、爬虫類用や園芸用などの気温をはかれる温度計を用意することです。
最近は百円ショップにもありますが、湿度の高い環境で使うので、故障のリスクや表示の正確性を考えると、やはり専用品を用意したほうがいいでしょう。
以上の飼育用品は、概算で5,000~6,000円で確保できますし、本格的に熱帯魚を飼育するよりは、初期投資はかなり安く済みますね。
飼育の管理
餌の与え方
食欲旺盛なので、よく餌と一緒に床材を飲み込んでしまうことがあります。
このため、基本的にピンセットで直接与える方法がおすすめです。
人工飼料は練りエサタイプはカエルの眉間くらいの大きさにすると食べやすくなります。
大きさの決まっているペレットタイプはしっかりふやかして、必要に応じてカットしてください。
ツノガエルはよく食べる割に消化器官が少し弱く、消化に時間がかかります。
アダルトでは月2回~4回ほど、フンが出たことを確認してから与えるといいでしょう。
ベビーサイズは活動に必要なカロリーの他に、成長するための栄養も必要なので、週に2~3回の給餌が理想的です。
餌を与える量についてはカエルのサイズによるので一概に言えず、購入店でアドバイスを貰うといいでしょう。
餌を食べる姿は魅力的ですが、自分の出したフンから発生する毒素により「自家中毒」を起こし、最悪死んでしまうこともあるので、餌の与えすぎには十分注意してくださいね。
ちなみに1ヶ月にかかる餌代は?
人工飼料を使用した場合、1袋を一ヶ月に食べきることはまずないので1000円以下です。
活き餌の場合は、クランウェルツノガエルのサイズにもよりますが、コオロギ1匹あたり20円前後なので、なかなかな値段になりますね。
栄養バランス
とくに生きた虫を中心に与えると、栄養バランスの方よりも気になります。
自然下のカエルは単食では無く様々なものを食べていますので、コオロギだけなど特定の虫だけ与えると、栄養に偏りがでてしまうこともあります。
爬虫類用にカルシウム剤、ビタミン剤が販売されているので、適量を餌虫にまぶして与えます。(これをダスティングと呼びます)
人工飼料は栄養バランスは整っていますが、カエル自身も捕食が作業的になってしまうので、抵抗がなければ生き餌にチャレンジするのもおすすめです。
動く昆虫はカエルの本能を刺激するので食いつきがよく、カエルが活動的になるので、動物らしい捕食シーンを楽しめますよ。
掃除をして自家中毒に気をつけよう
カエルが死んでしまう理由や調子を崩してしまう原因に「自家中毒」があげられます。
クランウェルツノガエルは水分をお腹の皮膚から摂取しますが、ミズゴケなど水分が多い床材飼育では、カエルの尿や排泄物で水が汚れやすく、そのアンモニアなどでカエルが中毒を起こしてしまいます。
水分が多い飼育スタイルを取る場合は、1日1回水を取り替え清潔に保つようにしましょう。
ソイルなどを使っている場合は、フンを見つけたら除去する、湿度を保つ、定期的なソイルの交換などの管理が必要です。
また、カエルの邪魔にならない程度に観葉植物を植えると、微量ですが毒素を吸収してくれるため、自家中毒防止にもなります。
ずっと一緒にいるために飼育方法を覚えよう!
クランウェルツノガエルの寿命は10年以上だといいます。小さい頃は5cmにも満たないのですがそれが15cmほどに成長する場合もあります。
彼ら日本に適した生き物では無いので飼いきれなくて逃すことは殺してしまうことと同じです。飼育をはじめる前に一度最後まで面倒をみれるか考えてみてください。そうして迎えたカエルは最高のペットになると思います。
クラウンウェルツノガエルには、基本のブラウン、グリーンのほかブラウンのアルビノのアプリコット、グリーンのアルビノのライムグリーン、模様が少ない4スポットやパターンレスなど豊富なカラーリングがひとつの魅力でもあります。
ぜひお気に入りの子を見つけて楽しいカエルライフを楽しんでくださいね!