
観賞魚は、その名の通り見て楽しめる鑑賞的価値の高い魚たちのことです。
金魚やベタをはじめとして、さまざまな生き物が改良によって、その鑑賞的価値を高められてきましたね。
今回紹介するのは、近年一大ブームを築いた改良種の一つ、レッドビーシュリンプです。
レッドビーシュリンプによって、エビを専門に飼育するアクアリストがとても増えました。
今回はそんなムーブメントを起こしたレッドビーシュリンプについてご紹介します!
学名:Neocaridina sp.
レッドビーシュリンプは、ヌマエビ科カワリヌマエビ属の小型の淡水エビです。
レッドビーシュリンプは、ビーシュリンプの色彩変異した個体を交配によって固定化した種類です。
もとになったビーシュリンプは今流通する白黒のビーシュリンプではなく、透明と黒のバンドを表す個体がワイルドで捕獲されたといわれていますね。
もともとレッドビーシュリンプも透明と赤の発色で、クリスタルレッドシュリンプと言われていました。
原産地:香港?
レッドビーシュリンプは改良種なので原産地はありませんが、もとになったといわれるビーシュリンプの原産地も、現在まではっきりしていません。
香港であるという情報はあるものの、いまだ野生種は発見に至っておらず、野生化では絶滅したという可能性も考えられています。
現在流通するビーシュリンプにおいても、ファームやブリーダーによって繁殖させられた個体です。
体長:約2㎝
レッドビーシュリンプは小型のエビで、淡水エビの中でも小さい種類です。
2cm前後が最大値とされていますが、飼育下では突然変異的に3㎝弱の大きめの個体もまれにみられます。
オスはメスより一回り小さくなる傾向にあります。
適切水温:18~26℃
小型のエビの例にもれず、低水温を好みます。
逆に高水温は苦手なので、夏場の水温には注意しましょう。
夏場はクーラーや水槽用クールファンを活用しましょう。
適切pH:弱酸性~中性
pH7弱の中性でも問題なく飼育できますが、繁殖時には弱酸性が適しているといわれています。
pHの高低よりも変化に敏感なので、水量を多めに確保して、pHを調整してくれるソイルを投入しましょう。
ヤシャブシの実などでpHを弱酸性に傾ける方法も一般的です。
寿命:約2~3年
小型のエビなので寿命は短く、長くても3年程度です。
寿命を考えると若い個体を購入するのが理想的ですが、あまり成熟しすぎていると寿命が短いのでよく厳選して購入しましょう。
参考価格:600円~
レッドビーシュリンプは近年よく流通しているので、価格も登場当初よりかなり落ち着いています。
セールで300円程度になっている場合もありますよね。
模様を固定化した日の丸やモスラ、丹頂といった品種もかなり価格が落ちてきたので、飼いやすくなっていますね。
好んで食べる餌:専用フード・ほうれん草・イトミミズなど
ビーシュリンプは雑食性の強い魚なので、たいていのものは喜んで食べてくれます。
やわらかいものに限りますが、熱帯魚用フードのほとんどを好んで食べるでしょう。
専用フードは、レッドビーシュリンプの嗜好性が高く、水質維持効果をうたうものもあるので試してみる価値はありますね。
ほうれん草などの野菜も好んで食べますが、残留農薬のリスクを考えると、スーパーで売っているものは避け、エビ用に販売されている冷凍品がおすすめです。
イトミミズなどの動物性の餌も好みますが、水が汚れないようおやつ程度にあたえるようにしましょう。
飼育下での繁殖:かんたん
飼育下での繁殖は比較的かんたんです。
オスメスを十分な数(5匹ずつ以上)を同じ水槽に入れ、水質を安定させていれば十分繁殖してくれます。
ポイントは抱卵前はこまめに少量ずつの水替えをし、抱卵後は水質を安定させること。
春と秋がよく繁殖するので、その時期に水質を調整してあげるとベストですね。
繁殖前提だと、モーターを使うろ過装置は強すぎるので、エアリフト式のスポンジフィルターなどを使いましょう。
ミネラルも重要なので、専用のソイルを使うと繁殖させやすくなるでしょう。
優しい熱帯魚さんからのワンポイント
レッドビーシュリンプは、もともとかなり高価だったということもあり、死んでしまうことへの恐怖心がとても大きい生き物でした。
その結果専用品がよく売れて、業界が潤う要因にもなりました。
ただ、わたしにいわせると少し過保護すぎで、基本的にはミナミヌマエビが快適に暮らせる環境であれば、レッドビーシュリンプも生きていけると考えています。
専用品はその環境を作るサポートアイテムで、必ずしもそれでなければいけない理由はありません。
しっかりと基本の飼育方法を守って、死ににくく爆殖を目指せる環境を作ってあげてくださいね!