グッピー│生き物図鑑

グッピー│生き物図鑑

 

概要

昔から代表的な熱帯魚としてなじみのある魚です。

飼育も簡単で、繁殖まで楽しめることから初心者からの人気も高いです。

様々なカラーがあり、好きな色を出すためにこだわったブリードを楽しむ方も多く、掘り下げてみると実は奥の深い熱帯魚でもあります。

 

学名: Poecilia reticulata

カダヤシ目の魚で、特定外来生物の「カダヤシ」の親戚です。

このためカダヤシと交配可能で、沖縄ではカダヤシの駆除にグッピーを使い、「繁殖干渉」の発現でカダヤシの駆除を行う実験が進んでいます。

反面、温水付近やろ過下水の流れる温暖な川ではグッピー自身が住み着いてしまい、全国的に問題になっています。

 

 

別名:ニジメダカ

グッピーの特徴は、オスに現れるさまざまなカラーです。

まさに虹色の発色で、和名をニジメダカと言います。

メスにも発色しますが、メスはヒレが短い分オスに比べると地味です。

ただし、繁殖させ綺麗な固体を残すためにはメスの血統も重要です。

 

 

原産地:なし(改良種)

グッピーは、ギアナやベネスエラなど南米の、汽水域が原産の魚を品種改良したと言われています。

現在流通するグッピーは養殖されたもので、淡水に慣らされているので淡水での飼育が可能です。

養殖場の場所が違うと免疫力が違い、病気を移しあうことがあるので、産地ごとに分けて飼育するようにしましょう。

 

 

適切水温:22〜27℃

グッピーは国内に流入してしまったことからもわかるとおり、環境に適応する能力が高く丈夫な魚です。

適切水温は22~27℃程度ですが、北海道の川に自生していることから、多少の低水温にも耐えられると考えられます。

飼育下においては、26℃設定のオートヒーターを設置しましょう。

 

 

適切pH(ペーハー):中性〜弱アルカリ性

熱帯魚の多くは弱酸性~中性を好みますが、グッピーはアルカリ性の水を好みます。

これは原種の生息域が汽水域、つまり川の河口と海の狭間で、海水が弱アルカリ性だからです。

淡水に飼いならされてはいますが、pHは弱アルカリ性を好む性質が残っているのでしょう。

一部弱酸性のほうが発色が上がる場合もあるので、体色を見て微調整してあげるようにしましょう。

 

 

体長:5cm程度

オスの体長は5cm程度で、大半がヒレの長さです。

メスの体長は4cm程度で、オスよりも一回り小さく、ヒレも短くなっています。

 

 

寿命:2年程度

グッピーの寿命は短く、長くて2年程度です。

その間に数回繁殖できるので、累代させて子孫を残すといいでしょう。

 

 

好んで食べる餌:グッピー用フレーク、赤虫、イトミミズ、ブラインシュリンプ

肉食性が強く、食欲旺盛なのでさまざまな餌を好みます。

専用のグッピーフードをあげていれば問題ありませんが、繁殖や体調を重視するなら、冷凍アカムシやイトミミズ、ブラインシュリンプなどを用意しておくといいでしょう。

 

 

参考価格:200円~1,500円程度

外国産のミックスブリードであれば1匹200円ほどから。メスよりもオスのほうが価格が高くなっていることが多いです。

カラーを固定したグッピーの場合、ペアで1,000~3,000円程度まで幅広いです。

 

 

混泳:可能

グッピーは肉食性が強いですが、口が小さい上に積極的に狩りをするタイプではないので、混泳は比較的しやすいです。

グッピーを食べてしまうような魚でなければトラブルも少ないでしょう。

ただし弱アルカリ性の飼育水を好むため、混泳させる魚も弱アルカリ性で生活できる必要があり、青コリドラスなど丈夫な種類がおすすめです。

ミナミヌマエビなどとの混泳も可能ですが、繁殖し稚エビが生まれると、グッピーに食べられる可能性があるので注意が必要です。

また、グッピーと混雑して繁殖してしまうモーリーとの混泳も避けたほうがいいでしょう。

 

 

飼育下での繁殖:可能(簡単)

グッピーは卵胎生の魚で、交尾した後メスが胎内で稚魚を孵化させ、稚魚を放出させる繁殖方法です。

ペアリングも必要なく、水槽内にオス2匹、メス3匹程度入れておけば簡単に繁殖します。

逆に、増えすぎることで初心者はよく手に余してしまうこともあります。

一方で、色を綺麗に維持したまま累代させるのは困難で、遺伝的な知識がなければ難しいです。

稚魚は親に食べられてしまうこともあるので、生まれたらすぐに別な水槽に移すか、サテライトに入れてあげましょう。

 

 

優しい熱帯魚さんからワンポイント

グッピーの魅力は繁殖のしやすさですが、本当に繁殖しやすいです。

ショップ勤めのときに、よくグッピーから熱帯魚を始めみたいというお客さんが、半年後に「増えすぎたのでどうにかしたい」という相談にこられることがとても多かったです。

当時の最多記録は、初めての熱帯魚をグッピーのオス2:3メスから初めて、1年で200匹まで増やしたおばあさんでした。可愛くて少しずつ親を増やしていくうちに、稚魚も増えてどんどんその数になってしまったとか。最終的に60cm水槽を4本も立ち上げて、用品はチャームでまかなっていたそうです。もう立派なアクアリストですよね。

カラーミックスのグッピーは店でも引き取りにくく、引き取ってもらえても肉食魚の餌としてということも少なくありません。

稚魚の成長を見るのは楽しいですが、増やしすぎに要注意です。

 

https://www.youtube.com/watch?v=MaYszSJ954w&feature=youtu.be

 

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