【水槽の必需品】初心者が覚えておくべき熱帯魚用ヒーターの選び方

【水槽の必需品】初心者が覚えておくべき熱帯魚用ヒーターの選び方

暖かい地域に住んでいる熱帯魚を買うときは、ヒーターが必要なのはみなさんご存知ですよね。

でも、じつは金魚やメダカなど、熱帯魚でなくてもヒーターは入れるべきです。

入れるべきだ、ということはわかっていても、いざお店に行くと同じようなものがズラっと並んでいて、どれがいいのかわからないこともしばしば。

今回はそんな水槽の必需品ともいえるヒーターの基礎知識を、元熱帯魚屋さんが解説します!

ヒーターはどんな生き物に必要?

ヒーターは電気代もかかるので、なるべくなら入れたくないですよね。

では、そもそもどんな生き物にヒーターが必要なのでしょうか。

熱帯魚

エンゼルフィッシュ

もともと暖かい地域に住んでいた、熱帯魚たちには日本の冬はきびしいものです。

水温が低すぎると適応できずに死んでしまうこともあるので、かならず入れてあげましょう。

とくに小型魚は低水温に弱いので、しっかり保温してあげてくださいね。

金魚・メダカ

金魚やメダカは、熱帯魚と違い、もともと比較的寒い地域の出身です。

このため低い水温でも平気で生きていますが、水温の変化には弱いです。

水を温めるためではなく、水温を安定させるためにヒーターを入れてあげるといいでしょう。

カメ

カメ ミドリガメ

爬虫類も変温動物なので、水温によって活動を変えます。

寒すぎると冬眠するのはよく知られていますよね。

突然水温が低くなるとエサを食べなくなり、体力も落ちてしまうので、ヒーターを入れて一定以下の水温に落ちないようにしてあげましょう。

どのヒーターも、室温で水温が高くなったときもOFFになるよ!
夏場は設置していても水温を下げる効果はないので、水温が高くなりすぎたときはクーラーやクールファンを設置しよう!

ヒーターの種類を選ぼう

ヒーターはON・OFFを自動で制御しますが、その制御の方法で3種類に分けられます。

それぞれメリット、デメリットがあるので、特徴から扱いやすく、コスパがいいものを選びましょう!

オートヒーター

オートヒーターとは

オートヒーターとは、設定温度に達したら自動で電源がOFFに、設定温度より低くなったら自動でONになるヒーターです。

水に入れてコンセントを刺すだけで温度調整してくれるので、初心者にもおすすめですね。

ただし、温度設定ができず、商品ごとの設定温度の種類も少ないのがデメリット。

迷ったらコレ!
でも、アロワナなど一部の高水温を好む熱帯魚には温度が足りないこともあるよ!

サーモスタット付きヒーター

サーモスタット付きヒーターとは

サーモスタット付きヒーターとは、サーモスタットで温度を感知し、設定温度以下になったら通電、設定温度以上になったら通電を止めるヒーターです。

サーモスタットのダイヤルで、細かく温度を調整できるのがメリット。

温水治療や、生き物ごとに適切な温度に設定できます。

サーモスタットの温度センサーを水槽内に設置しなければいけないのと、価格がオートヒーターに比べて高めなのがデメリット。

ヒーターには対応年数があるので、長く使うことを考えるとややコスパが悪いかも?

サーモスタット+ヒーター

水槽 ヒーター 選び方

機能はサーモスタット付きヒーターと同じで、サーモスタットとヒーターをそれぞれ交換できるヒーターです。

サーモスタットの故障、ヒーターの故障それぞれ交換で対応できるので、長く使うことを考えればこれがベスト。

温度センサーを水槽内に設置する必要があるのと、サーモスタット付きヒーターよりやや高いのがデメリットですね。

長い目で見るとこれがベスト!
好む温度が違う魚を飼うときや、病気の治療をするときにも使えるよ!

パネルヒーター

パネルヒーターとは ベタ 熱帯魚 ボトルアクアリウム

パネルヒーターとは、水槽の下(外)に敷くタイプのヒーター。

ベタなどのボトルアクアリムで、ヒーターが設置できない小型水槽によく使用されます。

温度を自動設定してくれるものも多いですが、水温ではなく表面温度なので調整しにくく、水温がなかなか安定しにくいのがデメリット。

爬虫類用もあるので、熱帯魚対応の商品を選びましょう!

ヒーターの出力(消費電力)を選ぼう

ヒーターには出力(ワット)がいろいろあります。

小さいものだと10Wから、大きいものだと1000Wまで。

小さいものはそれだけ温める能力が弱く、大きいものだと温める能力が高くなります。

ただし、出力が大きいからいいというわけではなく、適切な出力のものを選ばなければいけません。

水槽の水量(リットル)に合わせて選ぼう

ヒーターの出力は、水槽の水量に合わせて選ばなければいけません。

出力が低いとずっと温め続けることになり、ヒーターにも電気代にも負担がかかります。

まずは水槽の出力を水量に合わせて選ぶようにしましょう。

水槽の水量と出力の対応表

出力(ワット)水槽の水量(リットル)
10W~4L
30W~10L
50W~18L
80W~30L
100W~40L
120W~48L
150W~60L
200W~100L
300W~150L

商品によって適応温度が違うことがあるので要注意!
とくにパネルヒーターの消費電力はこのリストに対応しないよ!

出力が高くなると電気代も高くなる

ヒーターの出力がワット数であらわされているとおり、出力はそのまま消費電力につながります。

つまり、無駄に大きいヒーターを使ってしまうと、その分無駄な電気代が発生することになります。

ただしすでに述べた通り、出力が小さすぎると温めきれず、ずっと電源がついた状態になってしまうので、逆に電気代が無駄になってしまうこともあります。

水槽の出力と電気代の例

それぞれの消費電力から、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める1kWhあたり27円で計算した1時間当たりの電気代を計算しました。

ヒーターの消費電力(ワット)1時間当たりの消費電力(円)
10W約0.27円
30W約0.81円
50W約1.35円
80W約2.16円
100W約2.7円
120W約3.24円
150W約4.05円
200W約5.4円
300W約8.1円

ヒーターの動作時間は、室温が大きく影響するよ!
1日の中で何時間ヒーターが作動するかは室温に影響されるので、ある程度室温が安定している部屋に水槽を設置しよう!

※サーモスタットの消費電力が別途かかります。
※各家庭が契約する電気事業者により、1kWhあたりの電気代は変わります。

水槽に適切に設置できるサイズ

ヒーターは、基本的に水の中にしっかり沈んでいなければいけません。

水槽のサイズに対してヒーターが大きすぎると、ヒーターが斜めになったり、水面に出てしまって非常に危険です。

特殊な形の水槽だと、ヒーターが適切に設置できないものも少なくありません。

ヒーターが水から出てしまうと、異常発熱して故障や火災の原因になるので注意しましょう。

まとめ

熱帯魚を買うときに、よくわからず一つの壁になっているヒーターですが、じつはこれだけの選び方で、十分適したものを選ぶことができます。

思ったより難しく考えなくても大丈夫でしたよね。

水温は水質以上に魚の健康への影響が大きいので、しっかり適したものを選んで、正しい使い方で安全にヒーターを扱ってくださいね。

※製品ごとに使い方が微妙に違います。慣れていても、必ず一度説明書に目を通し、適切な使い方を心がけてくださいね!

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