バルーンモーリー │生き物図鑑

バルーンモーリー │生き物図鑑

バルーンモーリーは丸っこい体つきに、胸ビレをパタパタなびかせて泳ぐかわいい熱帯魚です。

飼育も簡単で、初心者でも繁殖まで楽しめます。

女性からの人気も高く、ホームセンターの熱帯魚コーナーでも売り上げ上位に入ります。

学名: Poecilia velifera var.

セイルフィンモーリーの改良種の意。

セイルフィンモーリーとブラックモーリーの交配で生まれた種類とされています。

元々はモーリーの奇形が元で、それを固定化した種類です。

別名:『バルーンベリフェラ』 『ミックスバルーンモーリー』

基本的にはベリフェラは野生種を指すので、あまり使われない呼び名です。

ちなみにミックスバルーンモーリーのミックスは、「さまざまなカラーを混ぜて入荷」の意味で、特定の種類のことではありません。

原産地:なし(ブリード)

改良種のため、自然界での原産地はありません。

セイルフィンモーリーはメキシコの川、ブラックモーリーはメキシコ、ベネズエラ、コロンビアなどを原産としているため、その交配から生まれたバルーンモーリーも熱帯魚にあたります。

ブラックモーリーの生息域は、汽水域にも及んでいるため塩分濃度の高い水にも強いですが、バルーンモーリーにおいては他の熱帯魚と塩分濃度に対する耐性は変わらないイメージです。

体長:5cm程度

頭の先から尾びれの先までで5cm程度と、比較的小型の魚です。

オスは背ビレが立派に出ていると、おなかから背びれの先まで5cm程度になる固体もいます。

適切水温:22〜28℃

水温に関しては比較的寛容な魚で、比較的低水温にも高水温にも耐えます。

ただし、やや白点病に弱い傾向があるので、水温は高めにしておいたほうがいいでしょう。

熱帯魚用オートヒーターを使い、年中26℃程度に安定させておくのがおすすめです。

適切pH(ペーハー):中性〜弱アルカリ性

原種が汽水域に生息していた性質から、弱アルカリ性の水を好みます。

弱酸性の水でも飼育できますが、アルカリ性に傾いた水のほうが病気も少なく調子が良いです。

寿命:3年

小型魚なので、寿命は3年ほどと短めです。

流通している個体は生後2~6ヶ月ほどなので、実質2年ほどと考えてもよいでしょう。

参考価格:300円

広くブリードされている種類なので、価格は300円ほどで落ち着いています。

温和で同種同士なら無理なく混泳できる種類なので、複数購入で割り引きされることも多いです。

混泳:やや注意

非常に温和な種類なので、バルーンモーリーを食べてしまう魚以外であれば混泳は可能です。

ただし、小型エビなど、口に入るサイズの種類はバルーンモーリーが食べてしまう可能性もあるので注意しましょう。

また、弱アルカリ性の水を好むため、弱酸性の魚との同居はやや困難です。

中性の水に調整し、水質管理に注意すれば混泳させることも不可能ではありません。

モーリーの原種であるベリフェラはやや凶暴な魚なので、まれに同種同士で喧嘩することもありえます。

好んで食べる餌:人工飼料、赤虫、イトミミズ など

バルーンモーリー専用の餌は少ないですが、熱帯魚用の餌として売られているものは好んで食べてくれます。

おなかが大きいので沈んだえさは食べにくく、比較的沈みにくい浮上性の餌がおすすめです。

そのほかにも、冷凍赤虫やイトミミズなど、幅広い餌を食べてくれます。

飼育下での繁殖:可能(簡単)

卵胎生で、交尾した後、卵をメスのおなかの中で孵化させて稚魚を生みます。

オスとメスをある程度の数飼育すれば、自然と繁殖します。

性質はグッピーに近いので、グッピーの繁殖方法を参考にしましょう。

優しい熱帯魚さんからのワンポイント

バルーンモーリーはとても丈夫な種類で、初心者の方にもおすすめです。

基本的な飼育方法(水温管理・水質管理・十分なろ過)がしっかり守れていれば、難しい飼育管理は必要ありませんが、これから外れてしまうと、病気になる確率の高い魚でもあります。

とくに、私がショップ勤めしていたときには、白点病にもっともかかりやすかったのがバルーンモーリーで、転覆病になる固体もよく見られました。

気温の変化が激しい春や秋には、とくに病気になる個体が増えるので、基本的な管理を怠らないよう注意しましょう。

また、購入時もお店にいる魚の状態をよく注意して観察し、病気が出ているようなら購入は控えるようにしましょう。

生き物図鑑カテゴリの最新記事