熱帯魚や金魚などの観賞魚を飼育するアクアリウムは、おうち時間を充実させる素晴らしい趣味です。
コロナ禍で在宅時間が増えたことで、興味を持つ方も増えていますよね。
ただし生き物を飼うことは一筋縄では行かず、昔失敗して難しいイメージを持つ方も多いはず。
実は適切な設備を用意し、基本を知って初心者でも飼いやすい生き物を選べば、そんなに難しい趣味ではありません。
そこで今回は、元熱帯魚店員で、たくさんのお客さんのアクアリウムデビューをサポートした筆者が、おすすめの熱帯魚や、お得な水槽のセット、基本の飼育方法などをやさしく解説します!
アクアリウムは難しい?失敗するポイント
日本には、金魚やメダカなどをお祭りで釣って帰る文化があるので、本格的なアクアリウムでなくても魚を飼育した経験がある方はきっと多いでしょう。
しかしそこで失敗したことで、生き物の飼育に苦手意識を持ってしまった方も多いかもしれません。
実際、アクアリウムはしっかり準備すればそこまで難しい趣味ではなく、初心者の方でも失敗なく楽しめる趣味です。
まずは失敗にもつながるポイントについて解説するので、アクアリウムデビューの参考にしてくださいね。
水槽が小さすぎる
私が熱帯魚店員だった時もよくあったのですが、たいていの方はなるべく省スペースで飼育したいという希望が多いです。
たしかにお店にも小さい水槽があり、可愛いですし手軽そうに見えますよね。
しかし水槽が小さいと水が汚れやすく、水温もキープしにくいので、管理は難しくなります。
可能な限り大きな水槽を用意し、水槽に適した数の魚を飼育することで、失敗するリスクは大幅に軽減できます。
ろ過装置(フィルター)やヒーターなど設備が不十分
初心者の方はお得に用品をまとめて購入できる、水槽のセットを買うことが多いですよね。
しかし、実は飼育セットと呼ばれるものでも、十分な設備がなく、結果的に魚に快適な環境が整えられず、死なせてしまうことも少なくありません。
飼育する生き物別に適した設備が変わるので、不要なものや、別途選ぶべきものは入っていないものや、セットだけど不足があるというものも多いんです。
今回はおすすめの水槽セットも紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
飼い方が難しい種類を選んだ
とりわけ熱帯魚の場合、国内でよく流通する種類だけでも数百に上り、中には飼育が難しい種類もいます。
ミドリフグは最近よく見かけますが、飼育は難しい部類ですし、ブームになったレッドビーシュリンプなどの小型のエビも、飼育にコツがいる生き物です。
逆にセオリー通りに飼育すれば難しくない生き物も多いので、今回はそういった生き物を中心にご紹介していこうと思います。
管理方法を間違えた
生き物を飼育する以上、水質などの管理は必要になり、その管理方法を間違えれば死なせてしまうこともあります。
実は水質の管理は人間の手だけではできず、水槽内にいる微生物にもある程度頼らなければいけません。
なので、微生物がしっかり働ける環境を作ってあげるのも、生き物飼育の重要なポイントになるといえます。
今回は基本の管理方法も簡単に解説するので、ぜひ目を通してみてくださいね。
初心者にもおすすめの生き物
水槽などを用意する前に、アクアリウムでどんな生き物を飼いたいかイメージしておきましょう。
選ぶ際のポイントと合わせておすすめの生き物も何種類かピックアップしますので、飼いたい生き物のイメージを固めて、それに適した用品や環境を整えてあげましょう。
よく見かける生き物は比較的飼いやすい
まず、熱帯魚屋さんやホームセンターなどでよく見かける生き物は、たいてい飼育しやすいものが多いです。
お店でもお客さんに売り渡すまで飼育しているには変わりなく、お客さんに売り渡すまで健康にキープできる種類でなければ、売れる前に死んでしまって売り上げになりませんよね。
なので、いろいろなところでよく見かける生き物は、飼育方法が確立されていて、飼いやすいと考えていいでしょう。
ただし、先ほど例に挙げたミドリフグやレッドビーシュリンプなど、飼育するのは難しいけどよく売れるから仕入れているという生き物もいなくはないので注意しましょう。
値段が安めの生き物は飼いやすい
生き物の命に対して安い高いはちょっとナンセンスな気もしますが、傾向として値段が安い生き物は丈夫という傾向があります。
細かい話になりますが、熱帯魚もどこかで繁殖させて販売させているわけで、そこで飼育しやすくよく増える丈夫な生き物は、単価が安い傾向にあります。
魚であれば700円以下であればその傾向が強いといえますね。
初心者におすすめの生き物10選
では具体的にどんな魚が丈夫か、おすすめの種類をご紹介します。
ネオンテトラ
いろいろなショップで見かける熱帯魚ですね。
小型魚は弱い傾向にありますがネオンテトラは比較的丈夫で、基本の飼育方法を守って、飼う匹数を少なめにすれば、比較的簡単に飼育できます。
グッピー
こちらもおなじみの熱帯魚で、もしかすると学校で飼っていたという方もいるかもしれませんね。
飼育自体も簡単ですし、オスメス揃えれば繁殖も楽しめる種類です。
プラティ
グッピーと同じく比較的簡単に繁殖も楽しめる種類です。
品種改良も盛んで、尻尾の付け根にミッキーの柄がある種類もいますね。
ラミレジィ
熱帯魚飼育の基本を守れば飼育も簡単で、欧米ではブリードも盛んな人気の熱帯魚です。
色や形も改良され様々なので、少しこだわって飼育してみるのも面白いでしょう。
グラミー
これまで紹介した種類よりはやや大きめの魚です。
色も様々なので、水槽内で存在感があるのでおすすめです。
エンゼルフィッシュ
熱帯魚の代表格と言ってもいい魚ですね。
やや気が荒いので飼育数や混泳には注意が必要ですが、水温管理をしっかりすれば十分初心者でも飼育できる魚です。
コリドラス
底を這うように泳ぐナマズの仲間で、お掃除屋さんとしてもおなじみですね。
基本を守れば飼育は難しくないですし、愛らしい姿で水槽の主役としても人気が高まっている魚です。
ベタ
iPhoneのパッケージにも採用された美しい熱帯魚です。
オスは単体での飼育になりますが、エアレーションが必要なく、比較的丈夫なので初心者の方にも人気の魚です。
やや飼育方法が変わりますので、別途こちらのページを参考にしてください。
ポリプテルスセネガルス
楽天アフィリエイトいわゆる古代魚の仲間ですが、飼育は比較的簡単で、初心者の方にもおすすめです。
肉食性が強いので、複数飼育や混泳にはやや注意が必要です。
ヤマトヌマエビ
淡水で飼育できる小型のエビで、水槽のお掃除屋さんとしてもおすすめです。
薬剤に弱いので、農薬が付いている水草には注意が必要ですが、飼育自体は難しくない生き物です。
初心者にぜひ!プロが厳選おすすめ水槽セット
先程開設した通り、セットであっても用品が足りなかったり、性能が足りないセットも少なくありません。
ベタは別ですが、紹介した多くの熱帯魚におすすめの水槽セットを厳選してご紹介します。
【charm】30cmキューブ水槽セット 手軽に小型熱帯魚飼育! プロ推奨初めての飼育セット
楽天アフィリエイト熱帯魚用品をはじめとしたペット用品ネット通販大手のcharmさんの発売する小型魚向けの水槽セットです。
セット内容のメーカーがバラバラなので、おそらくcharmさんオリジナルの飼育セットですね。
商品名にもある通り小型魚向けのセットで、人気の30㎝キューブ水槽、水中フィルター、LEDライト、オートヒーター、底砂、カルキ抜き、小型魚用の餌がセットになっています。
30cmキューブ水槽は水量がある程度あるので使い勝手もいいですし、水草水槽とも相性がよく、上級者にもよく使われるので、大切に使えば長く活用できる水槽ですね。
必要なものはだいたい網羅されている印象ですが、細かく言えばあとは水温計があると安心かなと思います。
さすが熱帯魚に明るいcharmさんだけあって、商品説明欄には飼育できる魚の種類と目安もあるので、ぜひチェックしてみてください。
ネオンテトラやラミレジィ、プラティやコリドラスなど、比較的小さな魚を飼育したいなら、とりあえずこれを選べば間違いないと言っていいでしょう。
【コトブキ工芸(kotobuki)】プログレ450 9点 LEDセット
楽天アフィリエイト熱帯魚用品メーカーのコトブキ工芸さんの水槽セットです。
45㎝幅の曲げガラス水槽を主体にしたセットですが、曲げガラス水槽はインテリアともよくなじむので好印象ですね。
その他の内容としては、上部式フィルター、オートヒーター、水温計、バックスクリーン、水温計などです。
このサイズの水槽で上部フィルターが付いているのがポイント高いですね。
あとは別途砂利を用意すれば水槽設備的にはOKです。
上部フィルターはろ過能力が高いので、水槽のサイズを考えてもエンゼルフィッシュやポリプテルスセネガルスなど、水を汚しやすい魚も飼育できるかなと思います。
【コトブキ工芸(kotobuki)】プログレ600 8点 LED 60cm水槽セット
楽天アフィリエイトこちらも同じくコトブキ工芸さんのプログレシリーズの水槽セットです。
60㎝クラスの水槽になると、セット内容が足りずに、あとは各自で用意するというスタイルのものが多いですが、このセットは砂利以外はだいたいそろっているので選びやすくなっていますね。
セット内容は60㎝曲げガラス水槽、LEDライト、上部フィルター、サーモスタット付きヒーター、水温計など。
こちらも上部フィルターなので、小型魚から肉食魚まで対応しますね。
また、ヒーターがサーモスタット付きで水温を微調整できるので、ちょっと難しい魚を飼育したいという場合にもおすすめです。
失敗しにくいアクアリムの始め方
アクアリウムは、水槽を組み立てて水を入れ、魚を入れればOKではなく、生き物を狭い水槽の中で生かすためにはそれなりの準備が必要です。
ここを知らずに初めて失敗するというパターンも少なくないので、アクアリウムの始め方の基本について解説します。
①水槽をセットして水槽を立ち上げる
水槽にフィルターを取り付けて、砂利を水を入れ、ヒーターを設置すれば水槽の組み立ては完了なのですが、魚を入れる前に立ち上げる期間が必要です。
フィルターは大きなごみは取り除くのですが、フンなどから溶け出した毒素まではキャッチしきれず、それらはバクテリアが餌として分解することで、魚に無害な状態になります。
バクテリアも餌がないと増えないので、あえて水を汚して毒素を排出し、バクテリアを増えるのを待つのが、水槽の立ち上げ期間というわけです。
難しいことはせず、水槽に餌をあるある程度撒いて、2週間から1か月待てば、たいていは立ち上げが成功しています。
丈夫な魚を少数入れて待つ方法もありますが、ちょっと難しいですし、失敗したとき魚が死んでしまうのでおすすめはしません。
②魚の数は少ないほどいい
アクアリウムは魚が泳ぐ姿を眺めるのがだいご味ですが、魚が多ければ多いほど水が汚れ、水の汚れは魚の不調につながります。
魚としては少なければ少ないほど水の状態が悪化しにくいので、病気のリスクや死んでしまうリスクも少なく、水も汚れないので手入れが楽になります。
水槽に対する飼育できる魚の数というのはある程度決まっていますが、その数はあくまで計算上飼育できる数なので、その数より少ないほうがリスクは少なくなります。
しっかり水槽の環境が整えばある程度増やしても、バクテリアが水質を保ってくれるので、最初は少ないほうが安心です。
目安としては半分程度にしておくと安心ですね。
③水換えはこまめにかつ慎重に
アクアリウムの大切な管理に水換えがありますが、水換えは水をきれいにするだけでなく、状態を悪化させるきっかけにもなるので注意が必要です。
まず大前提として、魚は環境の急変を嫌うので、水換えは少量ずつ行わなければいけません。
多くても水槽に入った水の半分程度の交換に抑えましょう。
また、塩素を抜くのはもう常識かと思いますが、水温も合わせるとより安心です。
冷たい水を入れると魚が発作的に死んでしまうこともあるので、水温もなるべく水槽内の水と合わせて、ドバっと入れずに少しずつ入れてあげるのが安心です。
水質の変化や水温のことも考えると、水換えは水槽の1/4程度、できれば2週間に1回程度行ってあげるのが理想的です。
最後に
アクアリウムはブームの兆しがあり、最近では通販で一から十までそろう時代でもあります。
ネットの情報も充実してきましたが、結構さしあたりのない内容で、このサイトもなるべく細かく記載していますが、すべてはカバーできていないのが事実です。
そこそこ初期費用も掛かる趣味なので、用品は通販で買っても、できれば最終的には生体はショップで店員さんにいろいろと質問しながら飼うことで、失敗も少なくなるかと思います。
当サイトではこれ以外にも熱帯魚関係の記事を公開していますので、興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね。