バルーンモーリーはぷっくりとした体つきと、大きな目で人気の熱帯魚です。
温和で混泳しやすい魚のはずですが、いざ飼育してみると仲間同士で喧嘩してしまうことも珍しくありません。
もともとバルーンモーリーの原種のベリフェラは少し気性が荒く、改良するなかで穏やかにはなったのですが、バルーンモーリーでもまれに喧嘩は起こり得るんです。
今回はそんなバルーンモーリー同士の喧嘩について、その原因と対処法をプロが解説します!
バルーンモーリーの喧嘩のきっかけ

バルーンモーリーが同種同士で喧嘩するときには、いくつかの原因が考えられます。
その原因ごとに対処法が少し違うので、水槽の飼育環境と照らし合わせて対処法を考えましょう。
詳しい対処法は、このページの下に詳しく書いてあるので参考にしてくださいね。
水槽に導入し始めたタイミングの喧嘩
バルーンモーリーを初めて買ってきて、水槽に放ってからすぐ喧嘩する場合。
この場合はそもそもの数が多かったり、選んだバルーンモーリーの中に、すこし乱暴な性格の個体がいる可能性があります。
過密気味な場合は大きな水槽に移したり、レイアウトを増やすなどの対処を。
いじめっ子を特定できる場合は、その子の隔離も考えてみましょう。
新しい子を導入したタイミング
水槽にもともとバルーンモーリーがいて、数を増やすために新しい子を買ってきて入れたタイミングで喧嘩しはじめた場合。
この場合は水槽が過密になってしまったり、もともといたバルーンモーリーが住処を追われて喧嘩になるなどの原因が考えられます。
水槽大きくしたり、レイアウトを増やして対処するか、特定のいじめっ子がいるなら隔離も考えてみましょう。
これまで仲良かったのにとつぜん
もともと仲良くできていたのに、ある日突然喧嘩を始めてしまった場合。
この場合は成熟したりストレスをきっかけに、闘争本能が目覚めてしまったことが予想できます。
また繁殖が確認できる場合、繁殖期で気が立っていることも考えられます。
繁殖期の場合は、メス、またはオスを別な水槽に移すことで落ち着くこともあります。
また、レイアウトを追加したり、いじめっ子が特定できる場合は隔離を考えてみましょう。
バルーンモーリーの喧嘩の解消法

では原因が分かったところで、それぞれの対処法を解説します。
いつか組み合わせることで喧嘩を解消できる場合もあるので、可能な限り対応してみましょう。
レイアウトを増やす
喧嘩の原因は多くが気に入らない相手が視界に入ることで起こります。
レイアウトを増やしてあげることで生活圏を分け、視界に入らなくしてあげると落ち着くことも少なくありません。
流木や石などをドンを置くよりも、水草などを生やしてあげると、視界を遮れるのでオススメです。
生きた水草の育成はやや難しいですし、手間も予算もかかるので、まずはにせものの水草で試してみましょう。
テトラのフレキシブルプラントは価格も安いですし、針金が入っていて自由な形に折り曲げられるのでオススメです。
水槽を大きくする
過密気味になっていると、水質を安定させるのも難しいですし、魚同士の接触も増えるのでいいことはありません。
レイアウトを増やすと結果的に過密になることもあるので、水槽を大きくしてレイアウトを追加しなければいけない場合もあるでしょう。
水槽を取り換えるときは、砂利やろ過フィルターの掃除も一緒にするべきですが、洗うときはろ過してくれるバクテリアを捨てないように塩素を抜いた水で洗いましょう。
水も、最初になるべく取っておき、砂利から汚れが浮いて来たら捨てるようにしましょう。
バルーンモーリーを飼育する場合の、理想の水槽サイズは以下の通りです。
バルーンモーリーの数 | 推奨する水槽の大きさ |
~3匹 | 20cmキューブ水槽(約7L) |
~7匹 | 30㎝キューブ水槽(約24L) |
~10匹 | 45cm規格水槽(約32.5L) |
~15匹 | 60cm規格水槽(約64L) |
理想の数を守っても、荒い性格の個体が一匹いると、喧嘩になることもあるので要注意!
特定のいじめられている個体を隔離する
特定の個体がほかのバルーンモーリーからつつきまわされている場合、繁殖期などの可能性が高いです。
オスが多い水槽だと、少ないメスにつきまとってしまうことがあります。
しかしそのままにしておくと、体がボロボロになったり、エサが取れずに弱って最悪死んでしまうことがあります。
別な水槽を立ち上げてもいいですが、一過性の場合もありますし、スペースも予算も維持費もきびしいですよね。
水槽用品には「サテライト」というものがあり、水槽から水を回して別室を作ることができます。
水槽の外につけるタイプや、水槽の中に沈めるタイプがありますが、30㎝水槽以上の大きさなら、水槽の外につけるものがおすすめです。
特定のいじめている個体を隔離する
一匹のいじめっ子が複数の個体に攻撃している場合は、その問題児を隔離しましょう。
その個体が更生し、群れに戻すことはあまり期待できません。
この場合にも別な水槽を立ち上げるか、サテライトに移すのがおすすめです。
バルーンモーリーの数を増やす
これは肉食魚の対処法として一般的な方法ですが、あえて過密にしてほかの魚がいることに慣れさせる、という対処法もあります。
しかし、必ずしも喧嘩が収まるわけではなく、水質管理も困難になってしまいます。
実際これで成功したという例もなくはないのですが、あまりお勧めできる方法ではありません。
バルーンモーリーは元来穏やかで、混泳も難しくない種類です。
なので、原種の性格で喧嘩を起こすなんて、なかなか思いもよらないですよね。
初めから水槽内が過ごしやすい環境であればなかなか喧嘩しませんが、とくに初心者の方だとまだ感覚がわからず、喧嘩してしまうことも多いように思います。
もし喧嘩してしまった場合、ケガをさせたり、それが原因で病気になってしまうこともあるので、手早い対処が必要です。
今回紹介したように、原因を見極めて、手早く的確な対処をしてあげてくださいね。