熱帯魚用ヒーターに延長コードは使っていい?プロが答えるQ&A

熱帯魚用ヒーターに延長コードは使っていい?プロが答えるQ&A

久々に皆さんの疑問に元熱帯魚屋さんが答えるQ&Aのコーナーです。

今回は、なにかと不安も多い熱帯魚用ヒーターの使い方についての質問です。

最近熱帯魚をたくさん飼育しはじめ、水槽も多くなってきました。

水槽が部屋のいたるところにあるため、コンセントの数が足りず、コンセントからの距離も遠いです。

そこで延長コードとタコ足配線にしているのですが、危険じゃないかと心配です。

ヒーターに延長コードやタコ足配線にするのはやはり危険でしょうか?

もし対策方法があれば教えてください。

基本的には避けたほうが安心ですが、コンセント直結でもリスクはあるので正しい使い方を覚えておきましょう!

熱帯魚用ヒーターは、過去に家の全焼事故が起こったことが大々的に報道されたこともあり、熱帯魚飼育のひとつのハードルになってしまうこともありますよね。

実際、ヒーターは様々な安全機能が搭載されているものの、使い方を誤れば危険なもので、筆者自身ヒヤっとした経験もありました。

今回のタコ足配線と延長コードに関してですが、これももちろん誤った使い方をすれば危険なことになりかねません。

最低限これから紹介するポイントに注意して、つど使用するヒーターや延長コード、タップの取扱説明書や注意書きを確認して使用しましょう。

延長コードは使ってOK?

延長コード

ヒーターのコードは短く設計されているものが多く、延長コードを使用しなければ水槽まで届かないものも多いですよね。

これは長すぎることが事故の原因にもなりえるからで、あえて短く設計されています。

結論から言えば延長コードの使用は基本的にOKですが、ヒーターのメーカー推奨の使用方法、また延長コードそのものとしての注意点があります。

これから紹介するポイントはやりがちな間違えた延長コードの使い方なので、このほかにもヒーターごとの取扱説明書に記載された正しい使い方を必ず厳守してください。

①延長コードを水槽の水位より下に設置しない

熱帯魚 ヒーター 延長コード

まずヒーターの使い方としての注意点ですが、延長コードのタップ(機器のコンセントを差し込む部分)を、水槽の水位より下に設置しないことです。

これはコードに水滴が付着したとき、流れ落ちてタップに水が入ってショートする事故を防ぐためです。

ヒーターにどんなに安全機能があったとしても、タップに水が入れば事故のリスクがありますよね。

もちろん、水槽の水位より上にあるからと言って、タップが水に濡れてしまうリスクがあればいけません。

コードから水滴が伝わらないよう、水槽とタップの間のコードを一度下にたらしておくとより安全です。

②延長コードの許容量を超えない

延長コード 1500W

日ごろ何気なく使っている延長コードにも、じつは使い方の注意点がいくつかあります。

意外と知られていないのが延長コードの許容量で、それを超える消費電力の機器を接続してはいけないという決まりがあります。

これを「最大定格容量」といって、「○○○W」とパッケージや本体に記載してあります。

たいてい1500Wまで(15A‐125V)が多いので、家庭に置く水槽の機材だけ繋ぐならそこまで気にしなくても大丈夫ですが、あまりに大きい出力のヒーターを何本もつないだり、電子レンジなどほかの家電も繋ぐと超えてしまうこともあるので注意しましょう。

③適切な長さの延長コードを用意する(束ねない)

延長コード

ヒーターのコードが短めに設計されているのは先述した通りですが、これはユーザーが束ねて使用しないようにする意図があります。

消費電力が大きい機器の場合、コードを束ねて使用するとコード自体が発熱してしまい、発火の危険があります。

コードに記載がある場合も多いですね。

これは先述した1500Wを守っていても起こり得ます。

水槽に使う機器すべてをつないだ場合、十分その条件が整ってしまうので、絶対に束ねて使用しないようにしましょう。

延長コードにもいろいろな長さがあるので、束ねずに使用できるものを選んで購入すると安心ですね。

タコ足配線はしてもいい?

たこ足配線

水槽の設備としては、ヒーター、フィルター、ライトは付けたいところです。

そこにプラスしてプロテインスキーマーやエアレーションなども使えば、コンセントは5口使うことになります。

通常壁のコンセントは2口なので、どう頑張っても足りないですよね。

解消するにはタコ足配線にするしかないですが、これももちろん注意しなければいけないポイントがあります。

こちらもそれぞれの製品の取扱説明書や注意書きを守ったうえで使用してくださいね。

①延長コードのタップにタップをつけるのは注意

熱帯魚 ヒーター たこ足配線

延長コードのタップは2個口や3個口のものが多く、いろいろな機材を使いたい場合にはさらにタップをつけて増設することもあるかと思います。

消費電力の小さい機器など、使い方によってはこれもOKなのですが、ヒーターなど水槽に使う場合には推奨しません。

コンセント1つあたりの負担が大きくなり、ショートするリスクが高くなりますし、発熱もしやすくなりますよね。

使い方を考えれば問題はないのですが、水槽回りとして考えると、1本の配線から水が伝ってタップにしみこめば複数のコンセントがショートするリスクもありますし、基本的には延長コードに複数の差込口があるのであれば、それに収めたほうが安心です。

②タップの許容量を超えない

熱帯魚 ヒーター たこ足配線

延長コードに許容量があることはお伝えした通りですが、タップにも同じく許容量があります。

こちらも1500Wまでのものが多いので、家庭に置く水槽1つ程度であればそこまで注意は必要ありませんが、ほかの家電なども使用する場合は注意しましょう。

最近では10個口なんていうタップも多いですが、最大定格容量を守り、必要最低限の使用に抑えておくよう心がけてくださいね。

ちなみにタップにさらにタップを指しても合計3000Wまで刺していいというわけではないのでご注意を。

③しっかりと奥まで差し込む

熱帯魚 延長コード

タップにコードを指すとありがちなのが、隣のコンセントと干渉してしまう事態。

携帯電話の充電器やACアダプターなどを使用した場合に起こり得ることですが、最近は水槽用品にもLEDライトやエアポンプでACアダプターを使用するものが増えてきましたよね。

もちろんACアダプターを使用するから危険、というわけではなく、それによって隣と干渉し、十分に差し込めないことにリスクがあります。

しっかりと差し込めていないと、通電しているコンセントが露出し、ホコリなどの異物が触れたときにショートして火災の原因になります。


以上が、水槽用品に延長コードを使う際の注意点です。

これはあくまでも基本的なポイントで、何度も言いますがそれぞれの機材の取扱説明書や注意書きに沿っていなければいけません。

せっかく癒しの水槽を作り上げても事故になれば最悪なので、少しやりすぎなぐらいに注意して、事故のリスクを最小限に抑えてくださいね。

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