チェリーバルブは褐色のボディが特徴的で、丈夫で飼育しやすい熱帯魚の代表格。
じつはかわいいだけでなく、水槽内の環境に好影響な習性も持つ熱帯魚です。
今回はそんなチェリーバルブの飼育方法や必要な道具を、プロが徹底解説します!
知っておくべきチェリーバルブの生態

チェリーバルブは小さいながらもコイの仲間です。
コイの仲間のおおくは丈夫で育てやすく、チェリーバルブも丈夫な種類です。
体調は4㎝ほどで、比較的ちいさい熱帯魚ですね。
水質は弱酸性~中性を好みますが、あまりこだわりません。
水温も比較的低温に強く、22度~26度が適しているでしょう。
かなり大食漢で、水槽に発生するスネールやプラナリアなどを食べてくれる半面、ほかの魚やエビまで食べてしまうので要注意。
また、過密だと同種同士で少し争うことがあるので、数は抑え目がおすすめです。
以上のような特徴を踏まえて、チェリーバルブの飼育環境を立ち上げていきましょう!
チェリーバルブにオススメのエサ
チェリバルブは雑食性の魚なので、熱帯魚用の人工飼料も好んで食べます。
どこでも置いているテトラのテトラミンや、水を汚しにくいキョーリンのネオプロスなどがいいでしょう。
成長を促進させる場合は、たんぱく質の多い冷凍赤虫や、チェリーバルブが好む甲殻類の仲間、ブラインシュリンプなどもおすすめです。
チェリーバルブを飼育する水槽

丈夫な種類なので小型水槽でも飼育は可能ですが、少し違うポイントに注意しなければいけません。
チェリーバルブは混泳しやすい魚ですが、やや同種同士で縄張り争いをするような姿が見られます。
もしチェリーバルブ同士を複数飼育するなら、やや余裕を持ったサイズの水槽をおすすめします。
チェリーバルブの数 | 推奨する水槽の大きさ |
~2匹 | 20cmキューブ水槽(約7L) |
~5匹 | 30㎝キューブ水槽(約24L) |
~7匹 | 45cm規格水槽(約32.5L) |
~10匹 | 60cm規格水槽(約64L) |
ケンカしないようレイアウトをしっかりすれば、小さい水槽で複数飼育することもできるよ!
チェリーバルブにおすすめのフィルター
ラミーノーズテトラは丈夫な魚なので、簡易的なろ過でも十分飼育できます。
ただし餌をたくさん食べて水を汚しやすいので、水槽の景観を維持するなら、フンやエサの食べ残しを取り除いてくれる「物理ろ過」を十分行ってくれるものがおすすめです。
外掛け式フィルター
水槽のフチに引っ掛けるタイプのフィルター。
物理ろ過もしっかりしてくれますが、ろ過面積が狭く、すぐに詰まってしまうのでろ材のコストがやや気になります。
ストレーナースポンジで大きなごみを取り除いてあげると、ろ材の寿命を延ばすことができます。
基本的に初心者にも使いやすいフィルターなので、小型水槽でチェリーバルブを飼育するなら外掛け式フィルターがおすすめです。
上部フィルター
水槽の上に乗せて使うタイプのろ過装置。
ろ過材の面積が多く、物理ろ過を任せても安心ですし、ろ材のコストも比較的低いのが魅力です。
ただし最低でも30㎝水槽、一般的には45㎝水槽以上で使われるろ過フィルターなので、やや大きい水槽でチェリーバルブを飼育するときにおすすめのろ過装置です。
チェリーバルブにおすすめのヒーター

チェリーバルブは比較的低温にも強い熱帯魚です。
水温変化が激しくなければヒーターは必要ないでしょう。
ただし、水温の変化が激しいと体力が落ち、尾腐れ病などにかかりやすくなります。
保温のためならオートヒーターで十分なので、23℃もしくは26℃設定のものを取り付けてあげましょう。
設定温度が低いもののほうが、若干電気代の負担が小さくなりますが、ほかの熱帯魚と混泳させる場合は全体の適温を考えてヒーターを選びましょう。
水槽の大きさに対するおおよその出力は以下の通りです。
出力(ワット) | 水槽の水量(リットル) |
10W | ~4L |
30W | ~10L |
50W | ~18L |
80W | ~30L |
100W | ~40L |
120W | ~48L |
150W | ~60L |
200W | ~100L |
300W | ~150L |
商品によって出力に対する水量は違うので、製品ごとに対応表をチェックしてね!
チェリーバルブにオススメの砂利

チェリーバルブは水質にあまりこだわらない魚なので、砂利もいろいろなものに対応します。
ベストなものは水を弱酸性に調整してくれるソイルですが、崩れやすく、掃除しにくいので初心者の方は注意が必要です。
大磯砂のような天然砂利、ろ過砂利なども扱いやすいでしょう。
サンゴ砂などアルカリ性に傾けてしまうものは、あえて使うのは避けたほうがいいです。
チェリーバルブにおススメのレイアウト

チェリーバルブを飼育する水槽では、チェリーバルブ同士があまり視界に入らないレイアウトがおすすめです。
さいきん流行りの、水槽内に起伏があるようなレイアウトだとほかのチェリーバルブが視界に入りやすくなってしまうため、背の高い水草がまばらに生えるようなレイアウトのほうが、平和に生活できるでしょう。
チェリーバルブの数が少なかったり、大きい水槽に少数飼育するような場合は、それに限りません。
チェリーバルブと混泳しやすい魚

チェリーバルブは、同種で争うことと、稚魚やエビを食べてしまうことを除けば、混泳は難しくない魚です。
とくにおすすめの魚をピックアップしてご紹介します。
カージナルテトラ

ネオンテトラよりやや大きく、赤いラインが太い小型のテトラ。
ネオンテトラももちろん混泳できますが、チェリーバルブの体色的にも合いやすいので、カージナルテトラをお勧めしたいと思います。
ハチェット

ハチェットは体調が小さく、水面付近を泳ぐ熱帯魚です。
比較的丈夫で、好む水質もチェリーバルブに近いですし、中層から底付近を好んで泳ぐチェリーバルブと混泳させると、水槽全体の景観もよくなりますね。
アカヒレ

チェリーバルブは低水温も好む魚ですが、なかなか同じ温度を好む熱帯魚は少ないですよね。
水温を低くキープしたいなら、アカヒレのように低水温を好む魚もおすすめです。
赤とシルバーの色味も合いますよね。
青コリドラス

青コリドラスも非常に丈夫な魚で、チェリーバルブとの相性がいいです。
砂利面の汚れをきれいにしてくれるのもうれしいですね。
チェリーバルブの繁殖
チェリーバルブの繁殖は、飼育下ではあまり例はありませんが、難しくはありません。
成熟したオスメスを産卵用水槽に移し、やや多めにウィローモスを入れましょう。
水温は25℃前後に安定させます。(経験上高すぎると生まないので調整してあげましょう)
水質、水温調整が適切であれば、卵を床にばらまくように産み付けます。
親は卵を守る習性はないので、産んだら別な水槽に移し、しっかり餌をあげて回復させてあげましょう。
卵は2,3日で孵化しますので、インフゾリアを給餌しましょう。
体つきが魚っぽくなって来たら、ブラインシュリンプに移行し、体が色づいて来たら人工飼料を与えましょう。
おおよそ1年ほどで流通サイズになるでしょう。
チェリーバルブは鮮やかで、単体で飼育しても複数で飼育しても面白い魚です。
スネールやプラナリアを食べてくれるのもありがたいですよね。
丈夫なこともあって様々な水槽に導入できるので、ぜひ飼育してほしい魚の一種です。
ホームセンターなどでもよく取り扱われている魚なので、ぜひ見かけたらよく観察してあげてくださいね。