ヒョウモントカゲモドキの飼い方1.必要な道具をそろえよう

ヒョウモントカゲモドキの飼い方1.必要な道具をそろえよう

先日紹介したヒョウモントカゲモドキについて、今回は続いて基本の飼育方法について解説します。

飼育方法のこだわりは人それぞれで、飼育する個体によっても適した環境は違います。それぞれの個体の個性であったり、住宅環境、飼育するレオパの数でも最適なものは変わってきます。

今回紹介するのは、ヒョウモントカゲモドキを飼育するうえで忘れてはいけないポイントを考えたうえで、必要な道具をまずは紹介していこうと思います。

実際飼育するうえで追加したり、削ったりすることもできますので、今回の記事では必要になる可能性のあるものをまとめて一気にご紹介します。

最後に紹介しますが、我が家では紹介する方法よりも少し簡略化した飼育方法で飼育しています。

とはいえ、突然「あれが必要だった!」となったときのために、最初こそ十分な用品を用意しておきたいですね。

覚えておくべきヒョウモントカゲモドキの性質

ヒョウモントカゲモドキ

レオパに限らず、生き物の飼育の基本は「その生き物の生態に合わせることである」と管理人は考えています。

人間にできる範囲という意味で、ある程度その生態から外れた飼育方法にはなるのですが、やはり基本的な生態を覚えておくことで、飼育環境を整えやすくはなりますし、巷で言われているセオリーから外れたとしても、生態的に理に適っていれば正しい飼育方法ということにもなります。

というわけで、まずは飼育環境を整えるうえで知っておいてほしいレオパの生態について解説します。

①夜行性である

レオパはヤモリの仲間で、ヤモリの仲間は基本的に夜行性です。(ヒルヤモリ科など一部を除く)

つまり人間が活発に活動する朝から夕方までは、レオパからすればお休みの時間で、その間安心して隠れられる環境を作ってあげるべきともいえます。

爬虫類の飼育といえば、バスキングや紫外線など、昼間活動する前提での保温や体調を整えるためのライトも必要になるイメージがあるかもしれませんが、レオパにはそういった設備は基本的に必要ありません。

②肉食性(昆虫食)である

最近ではゲル状やペレット状の餌など配合飼料で飼育できると唄って販売するお店も少なくありませんが、あくまでも基本は昆虫食。

配合飼料を食べない場合などには昆虫を与えなければいけない可能性も十分あるので、最低限レオパのために苦手な虫も克服できるという意識はなければいけませんね。

また、お店が家の近くにない場合や、ベビーから飼育する場合、頻繁に餌を与えることを考えれば自宅で生きた昆虫を飼育(キープ)しておかなければいけないことも念頭に置かなければいけません。

③暖かい地域の出身である

レオパは中東に生息する爬虫類なので、温かい環境を好みます。

主な原産地の気温でいえば年間を通して18~32度程度なので、日本の気候を考えるとほとんどの地域で当てはまらないでしょう。

しかし、室温で考えると日本の住環境からすればそう離れた数値ではありませんし、比較的簡素な保温器具で十分環境を整えてあげることが可能です。

逆に言えば、保温器具の設置は前提に飼育を始めるべきともいえます。

④平地を好むヤモリである

日本でいうヤモリといえばニホンヤモリですが、レオパは根本的に体のつくりが違うため、ニホンヤモリのように立体的な動きはあまりしません。

基本的には平地で生活する前提なので、あまり垂直な壁を上るような行動はしません。

つまりはケージは高さよりも広さを優先するべきで、レイアウトをする場合にも、無理に上って落ちてけがをしないように注意してあげるといいでしょう。

⑤単独飼育推奨

野生のレオパは、オス一匹にメスが数匹のハーレム型のコロニーを作ると言われていますが、これはあくまで自然界での話。

スペースや餌の限られる飼育下では、不可能ではないものの多頭飼育はリスクでしかなく、単独飼育のほうが健康に生きやすいといえます。

健康管理も難しくなりますし、ケンカのリスクもあるので、複数飼育したい場合は、やはりケージのスペースを少し狭めてでも、複数のケージを用意して別居させてあげたほうが安心です。

ヒョウモントカゲモドキの飼育セット

では、紹介したようなポイントをもとに、飼育に必要なものを考えてみましょう。

最近ではレオパ飼育セットのように用品がまとめられたものもよく売られていますし、安価で手に入りますが、中には別途で好みのアイテムを買い足さなければいけないセットもあるので、これから紹介するものを忘れずに買うか、お店の人に相談して生体と一緒に買うようにしましょう。

①ケージ

ケージは脱走のリスクがなく、レオパが十分に動き回れるサイズを前提に選びましょう。

成長することを考えても、30×40㎝ほどの面積があれば十分でしょう。

我が家では25×25㎝がメインですが、シェルターや水飲みを置くとやや手狭な印象です。

大きすぎることでレオパにストレスはありませんが、頻繁にフンをするので、床材の交換が大変になります。(管理人は60cm水槽で飼育して掃除がめちゃくちゃ大変でした)

②床材

床材(とこざい)は汚れを除去しやすくするため、また保湿を目的にケージの底に敷くものです。

レオパ用の底材として愛用されるものはいくつもありますが、それぞれ一長一短です。

10㎝にも満たないベビーの場合、床材を飲み込んでしまい、消化器官に負担がかかるのが不安です。

また、よく食べよくフンをするので、交換する頻度も多いことから、交換しやすくコストが安いうえに、誤飲のリスクが少ないキッチンペーパーなどがおすすめです。

もちろんキッチンペーパーで生涯飼育も可能ですが、ある程度大きくなったら、ウォールナッツサンドなど、見た目的にもいい床材も検討してみましょう。

③シェルター

レオパの飼育では、明るい時間に休んだり、脱皮のために湿度を調整する目的としてシェルターは必須です。

湿度を維持し、脱皮しやすくするために爬虫類用のウェットシェルターが一般的ですが、湿度調整をこまめに行えるのであれば自然な風合いのロックシェルター、タッパーにミズゴケを入れた自作シェルターなども使用できます。

管理人宅では、個体の好みに合わせてウェットシェルターとタッパーの自作シェルターを使い分けています。

④保温器具

レオパの飼育では、2つの保温が有効と言われています。

ひとつが、ケージ内の気温を上げるためのヒーター。もうひとつが、地面を温めるパネルヒーターです。

保温球や暖突などで気温を上げるのは基本ですが、地面に体を触れていることも多いので、内臓を冷やさないように底を温めてあげるパネルヒーターを入れてあげることも健康維持には必要です。

人間用の暖房で室温が十分であれば、パネルヒーターのみでもOKですが、オールシーズンパネルヒーターだけで飼育できるわけではないことを覚えておきましょう。

⑤エサ皿・水飲み皿

これは個体によって必要ない場合もありますが、餌や水を与えるための皿も必要になることがあります。

餌に関しては、基本的にピンセットで直接与えるか、時間がかけられなかったり人間に警戒している場合はケージ内に虫を放すことになりますが、生きたデュピアやミルワームなどは逃げないように設計されたエサ皿に入れてもOKです。

水は霧吹きしてケージ側面についたものを舐めるかと思いますが、水飲み皿を置いておくとそこから自由に飲む個体もいます。

飼育管理に必要なアイテム

レオパは小さめのケージで飼育することもあり、比較的手入れを頻繁にしなければいけません。

その管理を簡単にするためのグッズも、ほかの爬虫類飼育よりは少ないものの、用意しておくべきです。

ダイソーなどで購入できるものも多いので、安く用意できそうですね。

①霧吹き

主に湿度管理や給水(ガラス面に吹き付けて舐めらせる)に使用します。

もちろんダイソーなどの霧吹きでもOKですが、爬虫類用に霧が細かいものもあります。

霧吹きに驚いてストレスになり、最悪しっぽを自切してしまうこともあるそうなので、我が家ではなるべく細かい霧のものを愛用しています。

②ピンセット

餌を与える、フンや食べ残しを除去するなどの作業にはピンセットがあると助かります。

病原菌の問題などを考え、念のため餌用と掃除用は分けておくといいでしょう。

最近は長いピンセットも百均で手に入ります(セリアなど)が、とくに餌を与えるピンセットに関しては、ケガを防止するために爬虫類用の竹製ピンセットが望ましいです。

③ゴミ袋

爬虫類の一部では、サルモネラ菌など人間に感染する病原体を保菌している場合もあります。

レオパに関してはほとんどがブリード個体で単独飼育なのでリスクは低いですが、管理が悪い場合などには保菌しているリスクもあるので、フンや餌の食べ残しを処理するときは、都度ゴミ袋に入れてからゴミ箱に捨てるようにしたいですね。

また、生きた昆虫を餌にする場合、カルシウムやビタミンを添加する(ダスティング)ことがあります。この場合には餌の昆虫とカルシウム剤を袋に入れて軽く振ることで簡単にダスティングできるので、用意しておくといいでしょう。

④隔離用ケース

床材の交換などで、レオパをいったんケージから出すことも多いです。

かわいいレオパがそこら辺を歩いていても気にならないでしょうが、事故や脱走のリスクがあるので、かならず隔離用のケースに入れておきましょう。

レオパのサイズ的に、ダイソーのパン屋さんストッカーなどでも十分です。
我が家では余ったQ-BOXを隔離用に用意しています。

ヒョウモントカゲモドキのエサ

ヒョウモントカゲモドキ

生き物を飼育するうえでエサは不可欠ですが、レオパの飼育でもっともネックになるのがエサです。

レオパは基本的に生きた昆虫を好んで食べるため、生きた昆虫を毎度買いに行く、もしくはまとめて買って家でキープしなければいけません。

それぞれのキープ方法に関しては別記しますが、今回は与えやすさなどを解説します。

①コオロギ

爬虫類の餌用として、フタホシコオロギヨーロッパイエコオロギの2種類が一般的です。

レオパ用として考えると、若干フタホシのほうがキープしやすいですが、イエコのほうがレオパに対してストレスが少ない(柔らかく、噛みつかれるリスクが少ない)のでおすすめです。

②デュピア

簡単に言えば餌用のゴキブリです。

とはいえ日本にいるゴキブリとは少し見た目が違うので、そこまで敬遠しなくてもいいかもしれませんね。

殻が固く、滑るのでピンセットで与えにくいのが玉に瑕ですが、コオロギより安いことが多く、キープも楽というメリットがあります。(我が家ではデュピア中心に与えています)

③ミルワーム

ゴミムシダマシという甲虫の幼虫です。

価格が安く、キープも楽ですが、肉食性が強いのでレオパにかみつくリスクが高いように思います。

栄養が偏るという話も聞きますが、しっかりガットローディングとダスティングを行い、体調を確認しながら量を調整すれば、レオパ側に問題がなければ影響はほとんどないでしょう。

④ハニーワーム

ガの幼虫の芋虫です。

ほかの餌に比べると虫感が少なく、栄養価も高い餌として人気ではありますが、レオパが好みすぎるという問題があります。

ハニーワームの場合、ガットローディングが難しいという問題があり、かつハニーワーム自身の持つカロリーが高すぎるため、ハニーワームだけ与えると太りすぎます。

拒食など大きな問題がなければ、むしろ避けてあげたほうがレオパのためになるともいわれる餌です。

⑤人工飼料

ゼリー状やペレット状など、レオパのために開発された人工飼料もあります。

栄養価もばっちりでコストも比較的安く抑えられますし、虫が苦手だからこれで育てたいという人も多いですが、食べない個体は本当に食べません。

とくに人なれしていない個体は絶対に食べないので、これを過信しすぎるのもよくないです。

我が家ではレオパゲル、レオパゲルドライを試しましたが、食べてくれる個体に関しては非常に体格もよく、フンの状態もいいので試してみる価値はあるといえます。

+ ビタミン剤・カルシウム剤

ここまで紹介した餌に添加するものとして、ビタミン剤やカルシウム剤も用意しておきましょう。

昆虫のみを与える場合は必須になりますし、ビタミンやカルシウムを配合している人工飼料を与える場合にも、食いが悪い場合に少し添加してあげることもあります。

液体タイプもありますが、総合的に考えるとパウダータイプのほうが扱いやすいでしょう。

買い足すのではなくあらかじめ用意しておこう

以上が、レオパの生態から考えた、飼育に必要なアイテムです。

熱帯魚の接客でもよくあるのが「必要になったら買うわ」という返答。

もちろんすぐに買いに来られればいいのですが、だいたい不調がみられるなど問題が起きてから焦って買いに来る方が多いです。

もちろん初期費用を安くしたい、なるべく簡略化して飼育したい、暖かいからまだヒーターはいらないだろうなどなどで最低限のもので始めたい気持ちもわかります。

しかしそれまで愛情をもって育てたレオパが、そのコストカットで死んでしまうリスクも十分にありますし、管理しにくくてストレスになってしまうこともあります。

必ずしも最高級品でなくていいので、最低限必要なものは、レオパの飼育と一緒に買い揃えてあげてくださいね。

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