ヒョウモントカゲモドキは爬虫類ビギナーにも比較的飼いやすいペットですが、もちろん生き物なので、飼育していれば病気になってしまったり、寿命が来れば死んでしまうこともあります。
それらは避けられないことではありますが、特にトラブルに対処するノウハウがまだない初心者の方では、お迎えするなら健康な子がいいでしょう。
そこで今回は、初めてのヒョウモントカゲモドキ選びで、健康な子を迎えるために重視してほしいポイントをご紹介します。
①体形をチェック
人間も同じですが、太りすぎや痩せすぎは体調不良の元です。
お店の管理状態もわかりますし、場合によっては病気の兆候である場合もあります。
詳細は後術しますが、尻尾の太さなども健康チェックには重要なポイントになりますね。
目視で確認しやすいポイントでもあるので、購入前にはチェックしておくといいでしょう。
太りすぎの場合
尻尾が太かったり、いわゆる脇ポコがある程度なら、多少の食べすぎなので、さほど心配はいらないでしょう。
ただし注意したいのが、腹部だけ以上に太い場合などです。
それは肥満ではなく、フン詰まりや排卵障害の可能性もあり、治療が必要になることもあります。
痩せすぎの場合
太りすぎに対し、痩せすぎは要注意です。
多少細い程度であれば問題ありませんが、眼球の盛り上がりがはっきり見えたり、骨格が見えてしまうような痩せ方は危険です。
酷い拒食や病気の可能性もあり、治療できない病気である可能性もあります。
成長途中の幼少期では痩せすぎの判断はしにくいので、初めてのレオパではベビーは避け、ある程度成長したヤング以上のほうが安心と言えます。
②脱皮不全のチェック
脱皮はヒョウモントカゲモドキの体調を整えるために、生涯自然に行われることです。
しかし飼育下では、環境や栄養状態によって、その脱皮を不完全に終えてしまうこともあります。
脱皮不全も、部位によっては病院での治療が必要になることもあるので、細かくチェックしておくといいでしょう。
指先などに古い皮膚が残っていないか
指先や尻尾の先端などは皮膚が残りやすい場所で、場合によっては圧迫されることで欠損してしまうこともあります。
早めに見つければ自分で処置してあげることもできますが、もし変色などが見える場合には要注意です。
目がしっかり開いているか
脱皮不全が起こりやすく、かつ起こると厄介なのが目の周りです。
目の周辺の皮膚が残ると、目が開かなくなってしまうこともあり、個人での治療も困難なので病院での対処が必要です。
③発色をチェック
ヒョウモントカゲモドキは品種改良によって様々な色(モルフ)を発現する生き物です。
モルフは好みですが、体色がしっかり発現しているかは体調のバロメーターにもなります。
多少発色が悪い程度なら問題ないですが、あまりに異常がある場合は注意したほうがいいでしょう。
通常より暗い色になっていないか
ヒョウモントカゲモドキは、適切な温度が保たれていない、ビタミンが不足しているなどの理由で、体色が黒っぽくなることがあります。
それ自体は命に関わることはないのですが、そういった管理状態で飼育されている個体は状態が悪い可能性もあるので要注意です。
逆に白っぽく濁るのは脱皮の前兆なので、それ自体には何の問題もありません。
できれば日を改めて確認しよう
体色はよく変化し、筆者の飼育個体では時間によって体色が変わることもあります。
基本的には判断が付かない程度の違いなら気にしなくてもいいですが、気になるなら日を改めてチェックするといいでしょう。
④フンの状態をチェック
人間も体調を崩すと排泄に影響が出ることもありますが、ヒョウモントカゲモドキでも同じことが起こりえます。
こまめにメンテナンスするお店だと確認できない場合もありますが、もしあれば見ておくと状態のバロメーターにもなります。
下痢をしている場合
ヒョウモントカゲモドキも、下痢自体は珍しいことではありません。
筆者の飼育している個体も、何度かフンが緩いことはありました。
ただしあまりに水っぽかったり、色に異常がある場合、またはにおいがきつい場合は要注意です。
食べたと思われる餌がそのままある
餌であろうコオロギなどが形を残してある場合、それはフンではなく吐き戻しの可能性もあります。
吐き戻しも、単純に食べすぎたり、餌が合わなかったなどの可能性もありますが、病気の症状の可能性もあります。
頻繁に掃き戻しがあったり、痩せて来ている場合は要注意です。
⑤尻尾の状態をチェック
尻尾はヒョウモントカゲモドキのチャームポイントでもあり、健康のバロメーターでもあります。
状態を確認するほかに、過去にトラブルがあった痕跡が残っている場合もあるので、尻尾はぜひチェックしておきたいポイントです。
尻尾が細すぎないか
尻尾は栄養タンクで、成長や生命維持に必要な以外の余ったエネルギーをため込んでいます。
もし尻尾が細すぎる場合、拒食や消化不良、病気の兆候である可能性もあります。
太さの指標としては、骨ばっているのはもちろん、首よりも明らかに細いようなら痩せ気味と考えていいでしょう。
尻尾の段がない・膨らんでいる
ヒョウモントカゲモドキの尻尾は、段が重なるような形になっています。
もしそれがなかったり、風船のように膨らんでいる場合は、過去に自切した可能性があります。
再生尾と言われるもので、きれいに治っていればそれ自体は特に問題ないですが、もしかすると神経質な性格の可能性もあるので、注意して飼育してあげたほうがいいでしょう。
最後に
生き物である以上トラブルは起こりえますし、最初に状態のいいヒョウモントカゲモドキを選んでも、飼っている中でなにかしらのトラブルが起こることもあります。
細かいことを気にせず気に入った個体が欲しいという気持ちもわかりますが、対処する技術や知識がないと、悲しい結末にしてしまうことも考えなければいけません。
最初のうちはできれば健康な個体で飼育を始めてほしいというのは大前提ですが、もしどうしても気になるなら、動物病院などの力も借りながら、健康第一で飼育してあげることを心がけて頂ければと思います。