人間がカップ麺生活で体調を崩すのと同じく、爬虫類も栄養の偏りは様々な病気の温床になりえます。
特にヒョウモントカゲモドキはほかの爬虫類に比べて、肥満や脱皮不全など、栄養の偏りによる影響が現れることが多いように思います。
そこで今回は、レオパの餌の栄養について解説していきます。
ヒョウモントカゲモドキに重要な栄養素とその働き

まずは栄養管理をするうえで、必要な栄養素を覚えておきましょう。
もちろんそれらのバランスが重要なので、それぞれ過不足なく与えることを意識するのが重要です。
体を構成するたんぱく質
レオパに限らず、生き物の多くは、皮膚や筋肉、爪、骨など生物の体のほとんどをたんぱく質に頼っています。
レオパは脱皮をする際に自身の皮を食べる事がありますが、これは脱皮後の皮にたんぱく質が含まれているからとも言われています。
たんぱく質は、栄養管理するうえでまずチェックするべき栄養素と言えるでしょう。
エネルギーになる脂質
脂質は大事なエネルギー源で、欠かせない物です。
しかし、脂質を過剰に摂取してしまうと肥満に繋がり、過度な肥満は病気の原因になるので注意が必要です。
脂質はビタミンにも関係するため体には必要ですが、与えすぎないようにしましょう。
体の活動を助けるビタミン
ビタミンは他の栄養素が上手く働くために必要な成分です。
ビタミンが不足すると脱皮不全の原因にもなるので、不足しないように気を付けてあげてください。
活餌はビタミン不足になりがちなので、餌にサプリメントを振りかけて与えるダスティングや与える餌自体の栄養価を上げるガットローディングによるビタミンの添加が必要になります。
成長や骨格のもとになるカルシウム
レオパに必要とされる栄養素の中で一番重要と言えるのがカルシウムです。
骨格形成に不可欠で、不足するとクル病を引き起こしてしまいます。
カルシウムはビタミンD3がないと体に吸収されないので、カルシウムを与える際はビタミンD3とセットで与えることを覚えておきましょう。
また、リンの過剰摂取はカルシウムの吸収の妨げになるので気を付けてあげてください。
栄養の吸収率を左右する消化のしやすさ
同じ栄養素が含まれる餌でも消化のしやすさによって吸収率が変わってきます。
消化のしやすい餌と消化のしにくい餌では消化の良い餌の方が栄養の吸収率が良く、消化のしにくい餌は、食べたものが上手く消化されず、体内に残ってしまい、フン詰まりの原因にもなってしまいます。
餌を出来るだけ消化のしやすい物にする事で、栄養素の吸収率を上げ、体への負担を抑えられるため、レオパの健康維持にも繋がります。
代表的なヒョウモントカゲモドキの餌の栄養評価
では、実際にレオパが良く食べる餌それぞれの栄養価について解説します。
栄養管理は重要ですが、栄養評価だけ重視して特定のものを与えるだけでなく、嗜好性も考えて、栄養に偏りがでない範囲で様々な餌を与えるのが理想的です。
コオロギの栄養評価

- たんぱく質 ◎
- 脂質 ◎
- ビタミン 〇
- カルシウム ×
- 消化吸収 〇
コオロギは高たんぱくで、脂質量も適切です。
ビタミンはやや少ないですが、適切なガットローディングで必要量は補えるでしょう。
コオロギに限らず活餌はカルシウム量が少ないので、ビタミンD3と合わせてダスティングする事が必須です。
総評としては栄養バランスも良く、入手しやすいので人口餌を食べない個体には、ヨーロッパイエコオロギを中心に与えてもいいでしょう。
ただ、筆者の印象としては、飼育環境によってはすぐに死んでしまうイメージです。
購入するとやや高めなので、長期間キープし、ロスを減らすには相応の設備を用意することも検討しましょう。
デュビアの栄養評価

- たんぱく質 ◎
- 脂質 ◎
- ビタミン 〇
- カルシウム ×
- 消化吸収 〇
デュビアもコオロギ同様高たんぱくで栄養バランスの良い餌です。
飼育もしやすく、栄養のある餌を与えていればやや不足しがちなビタミンも補えます。
カルシウムはコオロギ同様、ダスティングで与える様にすれば栄養価は抜群です。
コオロギより脂質が多いので総エネルギー量はデュビアの方が高く、肥満のリスクがあるほど高いわけではないので気にする必要はありません。
繁殖も簡単で鳴き声もなく、臭いもあまりありません。
我が家では主にこのデュビアを与えています。
ただゴキブリなので見た目がダメだという人も多いかも…
ミルワームの栄養評価

- たんぱく質 ◎
- 脂質 ◎
- ビタミン 〇
- カルシウム ×
- 消化吸収 ×
ミルワームはコオロギやデュビアに比べると脂質がかなり多く、与えすぎには注意が必要です。
脂質が多い上に皮膚が丈夫なので、消化もしにくく、消化不良を起こしやすいのもマイナスポイント。
ミルワームはカルシウムとリンの割合が悪く、与えすぎるとクル病のリスクが高くなってしまいます。
買ってきてすぐの物を与えず、しばらく飼育して栄養のある餌を与え、栄養価を高めてから与えるか、おやつ程度にたまに与える様にしてください。
レオパドライの栄養評価

- たんぱく質 ◎
- 脂質 ◎
- ビタミン ◎
- カルシウム ◎
- 消化吸収 ◎
人工フードのレオパドライはレオパに必要な栄養素を考えて作られているので栄養評価は抜群です。
レオパドライにはひかり菌と呼ばれる菌が配合されていて、腸内環境を整えてくれます。
人工フードを食べてくれる個体には活餌よりもレオパドライの方が簡単で日持ちをするのでオススメです。
ただ人工フードを食べてくれない個体が多く、我が家のレオパたちは1匹も食べてくれません。
食べてくれない個体には活餌にレオパドライを与えて活餌に栄養を取らせてからレオパに与えるのも1つの手です。
レパシーの栄養評価
- たんぱく質 ◎
- 脂質 ◎
- ビタミン ◎
- カルシウム ◎
- 消化吸収 ◎
レパシーは粉末状になっていて、お湯と混ぜてゲル状にして与える人工フードです。
ゲル状にして与えるので消化しやすく、ビタミンやミネラルが豊富に入っていて栄養満点。
お湯と混ぜなければいけないので少し手間がかかりますが、水分量を調節できるので、わざとゆるめに作って拒食中の個体に舐めさせる事で水分と栄養を与える事が出来るので、普段は活餌で拒食の時だけ与える方法もあります。
まとめ
元気で健康に飼育するにはまず食事から。
個体それぞれに餌の好き嫌いもあるので、それぞれの好みに合わせながら与えましょう。
工夫1つで栄養面は補えるので、健康に長生きしてもらうためにもしっかり管理してあげてくださいね。