ヒョウモントカゲモドキは自然にもいる生き物ですが、ペットとして流通するようになってから、品種改良が進み種類も無数に増えています。
実はヒョウモントカゲモドキの種類によっては、色の違いだけでなく、飼育方法が微妙に違うものもいるのです。
今回はヒョウモントカゲモドキの種類と選び方について解説します。
ヒョウモントカゲモドキはモルフで種類分けされている
ヒョウモントカゲモドキ(レオパ)は、自然界ではごく数種類色の違いが存在する生き物でしたが、現在ではお店にさまざまな模様のレオパが並んでいますよね。
これは人間が人為的に、レオパの持つ発色を伸ばし改良したからです。
レオパにおいては、「モルフ」と呼ばれる種類分けになります。
一口にモルフといっても実は三つの特徴があるので、レオパを選ぶときはこの三つのポイントに注目してみましょう。
目の違い
レオパの特徴でもある大きな瞳も、モルフによってそのパターンが違います。
例えば、一般的な目のパターンは「ノーマルアイ」と呼ばれ、猫のように縦長の黒目が特徴的です。
「アルビノ」と呼ばれるパターンでは、人間でいう白目の部分が褐色など、黒目の部分が少し茶色みがかっています。
他にも全体が黒い「フルアイ」、黒目が目の半分を覆う「スネークアイ」、瞳全体が透き通った赤色になる「レッドアイ」などがあります。
ヒョウモントカゲモドキの瞳は特徴的な部分でもあるので、目のモルフはボディカラーよりも重視しているというレオパマニアもいるそうです。
体の色や模様の違い
一番目立ち、価格にも大きく影響するのが体の模様の違いです。
みなさんもやはり体の模様を重視する方が多いようですね。
実際、目の違いなど細かな特徴に比べると体色の違いは大きく、確立されたモルフ同士を掛け合わせ、さらに新しいモルフを生み出すなど、いまや無数の体色や模様のパターンがありますね。
レオパの模様としては、黄色を基本に、白や黒を強調したモルフや、オレンジを強くしたモルフ、それに加えて色素の発色が薄くなるアルビノなどもあります。
また模様をパターン化したモルフや、逆にランダムに発現するモルフモルフもあり、近年人気を博していますね。
それぞれの持つ遺伝子が合わさってさらに複雑なモルフもあり、ますます選ぶ楽しみは増えていると言えるでしょう。
大きさの違い
いわゆるジャイアントと呼ばれるモルフです。
通常のレオパより大きく、体格もかなり太めなのが特徴的ですね。
最近ではゴジラと呼ばれるさらに大きなモルフも生まれていて、レオパ界で注目されています。
我が家のジャイアント(ゴジラ)は、生後9~10か月で購入しましたが、すでにアダルトのレオパより2回りほど大きいかったですね。
ちなみに流通するジャイアントにアルビノが多いのは、今日のジャイアントの基礎を作ったとも言われるレオパブリーダーのトレンパー氏がアルビノを得意としているからと言われています。
初心者に人気のおすすめモルフ一覧
先述したとおり、レオパのモルフは多岐にわたり、一口で説明できるものではありません。
とはいえ何も紹介しないのは味気ないので、当サイト関係者自慢のレオパを例に、とくに人気が高く、よく流通しているモルフについて紹介してみようと思います。
ハイイエロー
最初に作出されたモルフで、最近は「ノーマル」とも呼ばれています。
我が家でも初めて連れ帰ったのがハイイエローでした。
特徴としては黄色の発色が強く、黒い斑点がよく映えます。
ベビーの時はまるで作り物のように黄色に黒のバンドが入りますが、黒い帯模様は薄くなり、徐々に消えていきます。写真の個体はまだ微妙に残っていますね。
値段も~1万円と安めなので飼育用品に予算を回せますし、遺伝的な病気のリスクも少ないのでおすすめの品種の一つです。
マックスノー
いまやハイイエローと同じぐらいよく見かけるモルフの一つです。
黄色を強調したハイイエローに対し、マックスノーは白を強く発色するよう作出されたモルフです。
とくに、ベビーの時の濃い白色のボディはとても生き物とは思えない美しさですね。写真の個体もまだ生後半年たっていない若い個体です。
最近は値段も下がり、1万円前後でも流通するようになりました。
しかし、成長するにつれて黄色く変化していくことも少なくありませんし、そうなった時ハイイエローよりも黄色の発色に劣ることもあります。
大人になっても白い個体がいいのであれば、やや値段は上がりますがGEMスノーやスーパーマックスノーなどを選ぶといいでしょう。
ハイポタンジェリン
ハイポタンジェリンは、マックスノーが広く流通する前はハイイエローの次によく売られていたモルフです。もちろん今もよく見かけますね。
特徴としては濃い黄色からオレンジなど赤系の色が強く出て、さらにレオパの特徴でもある黒い仾紋が発現しないことです。
よく流通する種類の中では少し特殊なパターンなので、初めて見るとレオパの一種に見えないという方も多いです。
値段も1万円~とお手頃ですが、このハイタンをベースとしてさらに赤みを強くする改良が行われるなど、ブリードの楽しみも強いモルフと言えますね。
アルビノ
アルビノは色素を薄くした血統のモルフで、知っておくべきなのはレオパのアルビノには3血統あるということです。
- レインウォーターアルビノ
- ベルアルビノ
- トレンパーアルビノ
それぞれ作出された経緯が違い、交配させるのは望ましくないとされていますね。
違いは微妙ですが、育て方のポイントがやや違うので、こだわってアルビノを選びたい方はあらかじめその特性も知っておくといいでしょう。
値段はそれぞれ1万円前後からですが、私の良くいくお店ではレインウォーターアルビノだけやや高めです。なぜでしょう?
初心者向けヒョウモントカゲモドキの選び方
では紹介したようなポイントも踏まえながら、初心者が初めて飼育するレオパの選び方を解説します。
もちろんしっかり勉強し、飼育経験者にアドバイスをもらいながら飼育すればこの限りではありません。
ヤング~アダルトを選ぼう
最近はレオパも日本国内でブリードが盛んに行われ、かなり小さい個体も見られるようになりました。
もちろんベビーから飼えば模様の変化も楽しめますし、餌付きやすいなどのメリットもありますが、大人のレオパに比べればやや神経質で、掃除や栄養管理もこまめにしなければいけません。
しっかりできれば問題ないのですが、管理が不足したり、逆にやりすぎて状態を悪くしてしまう可能性もあります。
モルフによっては先天的な病気のリスクもありますね。
ある程度成長している個体であれば、それまで健康に生きてきたという証明にもなります。
それらを加味すれば、15cmを超える成長したレオパが安心ですね。
ベーシックなモルフがおすすめ
モルフを紹介したときにも軽く触れましたが、同じ生き物でありながらモルフの違いで微妙に育て方が違います。
例えばアルビノは目が悪い場合があるので給餌に気を使うことがありますし、エニグマなどは神経障害があり、餌食いや行動にクセがあることもあります。
私自身はじめてアルビノを飼育したときは捕食が下手すぎて、かなり工夫して育てた経験があります。
それらもしっかり管理できれば問題はないのですが、やはりまだ飼育の感覚が掴めていないうちは、それらの特性に合わせた管理が難しい場合もあります。
なので、遺伝的にも強いベーシックなモルフのほうが、初心者の方は安心して飼育できると言えるでしょう。
ハイイエロー、マックスノー、ハイポタンジェリンあたりは先天的な病院も少ないですし、飼育のくせもあまりないのでおすすめです。
まとめ
今回はレオパを購入する際の種類と、簡単な選び方について解説しました。
もちろん好みのレオパを頑張って飼育するのもいいのですが、その場合にもそのレオパの特徴についてよく調べて、適切な飼育方法を覚えておくのが理想的です。
私自身はじめてアルビノを連れ帰ったときは、ほかのレオパに比べて視力の弱さでエサ食いが悪く、かなり苦労した経験がありました。
とくに初心者の方においては、信頼できるショップで購入することも大切です。
知識のある店員さんがいて、適切に管理されていれば安心して飼育できますし、なにかトラブルがあった場合や、飼育用品を揃えるときにも相談して適切な判断ができますよね。
やさしい熱帯魚さんサテライトでも今後もレオパを飼育したい方向けの記事を充実させていきますので、興味のある方はぜひまた遊びに来てくださいね!