ベタが産卵しないときのチェックポイントと3つの対処法

ベタが産卵しないときのチェックポイントと3つの対処法

ベタはほかの熱帯魚よりも繁殖が難しく、せっかくペアで買っても産卵しないということも少なくありません。

管理人自身、なんど繁殖させてもスムーズに産卵までこぎつけることは稀で、たいていはなにか工夫をしなければ産卵にこぎつけないことがほとんどです。

正しい手順を踏んでいるはずなのに、なぜか産卵につながらないという場合は、以下のようなポイントをチェックしてみましょう。

ベタが産卵しない原因は?

ベタ 稚魚

まずは繁殖行動に移らない原因を考えてみましょう。

ここで紹介しているポイントに当てはまる場合、何度挑戦しても産卵には至らないことが多い、もしくは孵化しないという場合もあります。

最悪死んでしまうことも多いので、以下のポイントに当てはまる場合、一度オスメスを隔離して、環境を整えてトライしましょう。

どちらかが未成熟

よくあるのが、そのベタがまだ繁殖に適していないということです。

これはオス、メスそれぞれあり得ますし、どちらか片方だけでも繁殖に至りません。

オスメスそれぞれ繁殖できるまで成熟しているかどうかをチェックしましょう。

オスが未成熟の場合

繁殖行動はオスから誘うため、まずは繁殖に適したオスがいなければ産卵には至りません。

オスはだいたい8か月程度で繁殖できる状態になりますが、流通しているベタはたいてい孵化後6か月以上の個体なので、お店に並んでいる個体は体自体は成熟している場合が多いでしょう。

ただし繁殖行動に移るかは体の体格にはあまり関係なく、孵化後1年以上のベタでも繁殖しないことは珍しくありません。

とくに、メスに対してビタっと止まるようなフレアリングをしたり、激しくつついたりするなど、ケンカをする仕草を見せる場合には、まだ繁殖の準備が整っていないと考えましょう。

また、泡巣を作らないベタも、基本的には繁殖する気がない個体と考えていいでしょう。

ベタの泡巣に関しては別途紹介しているので、まずはこのページをざっと確認してからこちらもチェックしてくださいね。

メスが未成熟の場合

メスの成熟度合は、卵を持っているか持っていないかで判断します。

卵を持つメスは、明らかにおなかが膨らみますが、餌をたらふく食べてもおなかは膨らみますよね。

繁殖前には餌を抜くことになるので、前もってペアリングを始める2日前から餌を抜いて、それでもおなかがぽっこり膨らんでいるメスを選びましょう。

メスが「オス化」している

少し信じがたいですが、ベタのメスはオス化します。

といってもオス化したメスが、メスと卵を産むことはなく、簡単に言えばオスのような行動をするだけで、ほんとうにオスになるわけではありません。

泡巣を作ったり、フレアリングをするなどが具体的な行動ですね。

とはいえ、オスのようになるということは、気が強く攻撃的になるということ、
ペアリングでオスと一緒にするとケンカになってしまい、繁殖どころではありません。

最悪どちらかが死んでしまうこともあるので、オス化の兆候が見られるメスはペアリングしないようにしましょう。

ペアの相性が悪い

どんなに成熟したペアを用意しても、相性が悪いと繁殖しません。

たとえば体の大きさが違いすぎたり、オスがアピールしすぎてメスが引いているなど、要因は様々です。

できればオスメスそれぞれ2匹ずつで、いろいろな組み合わせを試してみましょう。

水質が合っていない

繁殖するには、ベタが元気に過ごせる水が必要です。

水質が安定していなかったり、適していない水質に安定している場合は、なかなか繁殖行動に移りません。

成熟したオスメスで、相性がよさそうなのに繁殖しない場合は、一度水槽を立ち上げなおしたほうがいいかもしれませんね。

産卵を誘発させるための対処法

ベタ 稚魚 繁殖

以上のポイントを解消しても、繁殖しないことは多いです。

ベタは基本的に単独飼育のため、繁殖のきっかけを作ってあげたほうがスムーズに繁殖行動に入ります。

どうしても繁殖させたいペアがいる場合には、これから紹介するような方法で産卵を誘発させましょう。

繁殖環境を整えよう

まずは環境を整えなければ繁殖しません。

よくあるミスが、たくさん熱帯魚を飼育していて、繁殖用水槽から別な魚が見えてしまっている状態。

これだと警戒した状態になってしまい、繁殖行動に入らずメスにも攻撃してしまう場合が多いです。

隣の水槽の間に、なにか目隠しをしましょう。

また、水槽が広すぎたり、深すぎたりする場合も交尾しにくく、稚魚が生まれた後の管理も大変になってしまいます。

水槽は幅30㎝程度、水深は15~20㎝程度がいいでしょう。

水質を変化させて産卵を誘発

ベタの繁殖は、水質の変化がきっかけになることがあります。

野生のベタだと、スコールが終わった後によく泡巣を作っている姿が見られることからも、水質が変化することで繁殖行動に入ることがわかりますね。

もしすでにオスを飼育している水槽で繁殖を行うのであれば、水替えも1つの方法になるでしょう。

すでに立派な泡巣を作っているのであれば、水替えであえて壊してしまう必要がありません。

phは熱帯魚飼育に重要な指標で、ベタの繁殖においては弱酸性をおすすめします。

あくまで経験上ですが、とくにタンニンが染み出る流木やアンブレラリーフなどを入れて調整すると、繁殖に成功する確率が高いです。

アンブレラリーフは、沈むと産卵後のメスの隠れ家にもなるので、とくにおすすめのアイテムです。

一度離して再度トライ

初めてのベタの繁殖は、持ち前の気質の強さもあって、メスを追いかけまわした結果、あきらめるように繁殖することが多いです。

このためしばらく我慢することも必要ですが、一度引き離して再度ペアリングするとスムーズに繁殖することもあります。

管理人の繁殖環境では、基本的には3日間様子を見て、繁殖する兆しがなければ一度引き離します。

体力が落ちていることも考え、いったん餌を与えて、2日餌抜きして再度トライします。

これを2~3回繰り返して成功しない場合は、別なベタで挑戦したほうがいいかもしれません。


ベタの繁殖は飼育下でも十分可能ですが、メダカやグッピーなどに比べればはるかにむずかしく、正しくやっているはずなのになかなか卵を産んでくれないということも少なくありません。

原因もわかりにくく何も知らずに繁殖させるとダメだったという経験しか残りませんが、今回紹介したポイントをつぶしこんでいけば、少なくともダメな理由に少しでも近づくことができます。

まずは成熟したオスメスでペアリングし、水質を適切に保つところからはじめて、水質をあえて変化させたり、ときにはペアを変えたりしてみましょう。

もちろん、生き物相手なのですべてこれでうまくいくとは限りません。

しかし確実に成功には近づいていけるので、よくベタを観察し、大切なベタを無用に傷つけないよう、一歩一歩検証しながら素晴らしいベタの繁殖を楽しんでくださいね。

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