ベタは活発な魚で、われわれにいろいろな姿を見せてくれます。
それは優雅できらびやかな姿だけでなく、ときには心配になる様子も見受けられることがあります。
とくに暴れるように激しく泳ぐ姿は、見ていて痛ましく心配になりますよね。
今回はベタが暴れるように動き回る原因と、その対処法について解説します。
水合わせでの温度や水質の変化によるショック
熱帯魚を連れ帰り水槽に放すときは、水合わせという作業が必要になります。
容器を移すときに、水の温度や水質のギャップを徐々に慣らしてあげる作業で、これをしないと急な水質変化により、ショック状態になることがあります。
もし水合わせに失敗したときもこのショック状態になることがあり、このショック状態では激しく暴れるように泳ぎます。
ベタは丈夫な魚なのでそこまでショック状態になることは多くないですが、万が一なってしまったときのリスクが大きいので、水合わせは慎重に行ってあげるようにしましょう。
ショック状態になったときの対処法
もし水合わせ時にショック状態になってしまったら、人間側でしてあげられることはありません。
水質を合わせようと調整してもそれ自体がギャップになってしまいますし、治療方法もなく、あくまでベタがその環境に慣れてくれるよう見守ることしかできません。
もしベタを連れてきたときの水が残っているなら、それを入れてわずかでも水質のギャップをなくすのも有効ではあるものの、水量から考えると焼け石に水です。
水合わせをするときには石橋をたたいて渡るように慎重に行い、ショック状態に陥らないよう注意してあげるのが最善策です。
フィルターの水流に逆らって泳いでいる
ベタはもともと、流れのほぼないような場所に生息しています。
しかも、よく熱帯魚ショップで見かけるヒレの大きいショーベタは、本来の野生のベタよりもヒレが大きく品種改良された種類です。
つまりもともと流れになれていない魚である上に、改良によってより水流の影響を受けやすくなっているというわけです。
フィルターは水質を安定させるために有効ですが、水流が少なからず発生し、それに逆らうように泳いで暴れているような状態になることがあります。
フィルターではなく、酸素を送り込んであげるためのエアレーションでも水流が起きるため、同様にストレスになることがあります。
場合によっては水流によってヒレが裂けてしまったり、食事ができないような状態になって弱ってしまうこともあるので、もし水流が原因である場合はすぐに対処してあげましょう
フィルターを使わない飼育方法
フィルターは汚れを除去するものなので、フィルターを取り付けない場合はその汚れを飼い主さんで除去してあげる必要があります。
水槽内には微生物が住み着き、その微生物たちも汚れを分解してくれるので、フィルターを外したからと言って即座に悪影響が出ることはありませんが、やはりこまめに掃除する必要はあります。
フンや餌の食べ残しはこまめにスポイトで除去し、水自体の汚れは水替えで除去してあげるという方法になりますね。
ただし、ベタは小綺麗な水よりも住み慣れた水のほうが調子がいい傾向にあるので、頻繁な水替えは調子を崩す原因になりかねないので、なるべくこまめなフンや食べ残しの除去が基本の管理になります。
水槽をやや大きめのものにすることで、水の量を増やし、汚れの濃度を落とせば管理する頻度も下がります。ヒーターもいれやすくなるので、できれば瓶ではなく大きめの水槽に入れてあげるのが理想的ですね。
水替えによる温度や水質の急激な変化
熱帯魚の飼育には水替えがつきものですが、その水替えも魚に取って大きなストレスになることがあります。
水合わせは元の水から別な水への引っ越しで、丁寧にやらなければ簡単にショック症状に陥ってしまうためよく問題にされますが、水替えでも同じ原理でショック状態になってしまうことがあります。
とくにベタの場合は飼育する容器が小さいので、水替えによる水温や水質の変化が大きくなります。
この場合も水合わせ時のショック状態と同じく対処法はないので、水替えのときは慎重に行うようにしましょう。
水替えの注意点
ベタの水替えをするときは、感覚的には水合わせのように慎重に行うのが望ましいです。
まずは水槽から飼育水を抜き、減った分はザブンと補充するのではなく、徐々に塩素を抜いた水を補充します。
補充していく量は少なければ少ないほどいいでしょう。
補充する水は、少量ずつ入れるのであれば水道水の塩素を抜いたもので十分です。
ただし水温に関してはややシビアに調整するのがおすすめです。給湯器を使って大体飼育水と同じ温度にできればベストですが、最低でも常温の水が好ましいです。
水を入れるときも水流はなるべくゆるやかに、容器の側面を伝わせるように入れるといいでしょう。
外敵への威嚇行動(フレアリング)
ベタのオスはとても好戦的な性格で、動くものへの好奇心も強いです。
オス同士が縄張りを争うフレアリングという行動で、ヒレを大きく開くのは有名ですよね。
そういった行動が暴れているように見えることもあります。
それ自体は問題行動というわけではないのですが、常に動き続けていると体力を消耗してしまいます。
なるべく安心できる環境を作ってあげましょう。
ベタにおすすめの環境づくり
熱帯魚の飼育では、いろいろな種類の魚を一緒に泳がせるのも楽しみの一つです。
しかしそれは魚の特性に合わせなければトラブルのもとになります。
ベタの場合は敵対心が強く、ほかの魚への攻撃性を見せる場合もあります。
ベタに危害を加えず、ベタが危害を加えないコリドラスのような魚の場合は一緒に飼育できる場合もありますが、ベタが神経質に追い回すようなことがあれば別な水槽に入れたほうがいいでしょう。
また、もし水槽の周りにほかのベタが見えてしまったり、ベタ自信が反射してしまうとそれに威嚇して暴れるように泳ぐことがあります。
同じ方向を向いて威嚇し続ける場合はこの可能性が高いですね。
短時間の威嚇はむしろ運動になって良いのですが、常にその状態だと疲れてしまいます。
水槽の周りを目隠ししてあげるようにすることで、それを避けてあげることができます。
病気による体へのストレス
ここまでのトラブルは飼育環境や管理の不備によるもので、前もって対処してあげることで予防できました。
しかし、もし暴れる原因が病気によるものだと、すでに問題が起こっている状態なので、すぐに対処が必要です。
暴れるように泳ぐ原因になる病気としてよくあるのが白点病です。
白点病は小さな寄生虫がヒレなどに寄生することで起こる病気なので、異物が付いたことがストレスで、それをなんとか取り除けないかと暴れるように泳ぐのです。
白点病の場合は初期であれば塩で治療もできるので、必要に応じてなるべく負担の少ない治療を選択してあげましょう。
他にも病気で暴れることもあるので、病気の可能性がある場合は、以下のURL(日本動物医薬品HP)から病気の症状と治療法をチェックしましょう。
http://www.jpd-nd.com/n_jpd/shinryo/shinryo.html
まとめ
大切なベタが暴れているように見えるととても心配になりますが、紹介したように原因は様々です。
適切に対処すれば問題のないものもありますが、そもそも暴れた時点で危険な状態である場合もあります。
今暴れているのであればできることをしてあげて、今後トラブルのないように予防も講じておくといいですね。
やさしい熱帯魚さんサテライトでは今後もベタについての情報を紹介していきますので、興味のある方はぜひまた遊びに来てくださいね!