熱帯魚を扱うお店に行くと、必ずと言っていいほど扱っているのがネオンテトラという小型の熱帯魚。
青い体に赤いラインが入ったよく映える熱帯魚ですが、よく似た魚にカージナルテトラという熱帯魚も見かけることがありますよね。
この2種類にはいったいどんな違いがあるのでしょうか?
今回はそんなネオンテトラとカージナルテトラを、元熱帯魚屋さんが比較してご紹介します。
ネオンテトラとカージナルテトラは同じ熱帯魚?
名前も似ているし見た目も似ているこの二種類。
熱帯魚には「改良種」と呼ばれる同じ種類でも別な形や色をしている魚もいますが、ネオンテトラとカージナルテトラも改良種のひとつなのでしょうか?
ネオンテトラとカージナルテトラは明確に違う魚
結論から言えば、ネオンテトラとカージナルテトラは明確に別な種類の魚です。
もちろんとても近い種類ではあるのですが、ネオンテトラの学名は「Paracheirodon innesi」、カージナルテトラの学名は「 Paracheirodon axelrodi 」と、区別して分類されています。
情報元が探れなかったのですが、採取場所も微妙に違うと聞いたことがあるので、自然界ではうまくすみ分けられているのかもしれませんね。
繁殖する可能性は?
似ているので一緒に飼育したいと思う方も多いですが、心配なのが交配して雑種が生まれてしまわないかということ。
こちらも基本的に違う種類であるため、混雑して雑種が生まれることはないとされています。
そもそもネオンテトラやカージナルテトラなどは飼育下での繁殖が難しく、混泳させている水槽での繁殖はあまり見かけないので、繁殖する心配はしなくても大丈夫ですね。
見た目の特徴から見るそれぞれの違い
ではネオンテトラとカージナルテトラの具体的な違いはどこにあるのでしょうか。
かなり似ていてもよく見ると明確に違うので、お店で見分けるときの参考にしてくださいね。
体の大きさ
パッと見たときに一番わかりやすいのが体の大きさです。
ネオンテトラは成長してもおおよそ3㎝とかなり小さいですが、カージナルテトラは5㎝程度と比較的大きくなる魚です。
これだけ差があると水槽内での存在感もかなり違うので、ネオンテトラとカージナルテトラどちらを飼うか迷った時のポイントに一つになりますね。
体の色の違い
体の大きさは成長しきらないとわからないので、お店で比較することができない場合もありますよね。
もうひとつの違いが、体の色です。
どちらも背中が青く、お腹側が赤く染まりますよね。
じつはこのお腹側の赤色に違いがあり、お腹から尻尾まで赤いのがネオンテトラ、頭から尻尾まで赤いのがカージナルテトラで見分けることができます。
もちろん個体差はあるのですが、これも水槽の中での存在感に影響するので、全体のレイアウトとの相性を考えてお迎えするとよさそうですね。
飼育方法の違い
では飼育方法はどうでしょうか。
場合によっては一緒に泳がせることもあるので、気になる飼育のポイントについてまとめて解説します。
基本的な飼育環境は同じ
実は別種であるネオンテトラとカージナルテトラですが、ほとんど飼育環境は変わりません。
中性から弱酸性の、27℃前後に保たれた流れが穏やかな水槽であれば、どちらも十分飼育できます。
どちらが特別弱いということもないので、基本的には同じ水槽で飼育してなんら問題はありません。
繁殖方法も同じ
混雑しないことは紹介した通りですが、実は繁殖方法も全く同じです。
成熟したオスメスを十分な数飼育している水槽で、pHにやや変化をつける(少し下げる)ことで産卵を誘発します。
卵は水底にばらまく形で産み落とし、稚魚が生まれて一人で大きくなるという形です。
書くのは簡単ですが、小型魚の稚魚ともなれば米粒以下の大きさで生まれるため管理も大変ですし、ネオンテトラもカージナルテトラもなかなか飼育下で繁殖を成功させたという話は聞きません。
群れで泳ぎやすいのはカージナルテトラ
一つ水槽に迎えるときに気にしたい違いといえば、性格的なものです。
本能的なものなのか、カージナルテトラは群れで泳ぎやすく、対照的にネオンテトラは水槽内に散らばるように泳ぎやすい印象があります。
画像を見ても、上の写真の水槽のネオンテトラはほかの魚を気にすることなく混ざって泳いでいますが、下の写真のカージナルテトラはチェリーバルブやラミーノーズを避けるようにカージナルテトラ同士でまとまっているように見えますね。
もしかするとほかの魚がストレスになっている可能性もあるので、できれば同種同士を中心に、混泳させるのであれば広い水槽にしてあげるといいのかもしれませんね。
まとめ
以上がネオンテトラとカージナルテトラの違いです。
見た目からわかる通り非常に近い種類の魚で、飼育方法も同じですね。
見た目的な違いや、泳ぐ修正に関してもそう気にするほどの違いではなさそうです。
もし水槽のレイアウトを中心に導入する魚を決めることがあれば、紹介したような色の違い、複数入れた時の泳ぎ方の違いを踏まえて選ぶことで、より風景にまとまりが出そうですね。
今後もやさしい熱帯魚さんサテライトでは熱帯魚をはじめとした生き物についての情報を紹介していくので、興味のある方はぜひまた遊びに来てくださいね!