最近鉄腕DASHやイモリウムなど、イモリが注目され、飼育を検討される方も多いのではないでしょうか?
実際に熱帯魚ショップや爬虫類ショップに行くといろいろなイモリが目につきますが、価格的に視野に入るのがアカハライモリとシリケンイモリでしょう。
そこで今回は日本の有種で、ペットとしても人気なアカハライモリとシリケンイモ リの違いを解説します。
そもそもイモリってどんな生き物?

イモリは両生類の有尾目と分類される生き物です。
両生類といえばカエル、と 理科の授業で習った方も多いのではないでしょうか?カエルは大人になると尾が なくなるので、無尾目に分類されます。
今回紹介するアカハライモリやシリケンイモリなどの有尾目の両生類は赤ちゃんのときはえら呼吸し水中で生活し、その後上陸できるようになっても尻尾が残るのが特徴です。
見た目はトカゲなどと似ていますが、その成長過程が違うということですね。
アカハライモリとシリケンイモリの特徴を比較

では同じく日本に生息するイモリのアカハライモリとシリケンイモリ、どのような違いがあるか比較してみましょう。
実は飼育方法が微妙に違いがあるので、今後の飼育管理の参考にもなるのでぜひ覚えておいてくださいね。
生息地は?レイアウトの参考にしよう!
アカハライモリは日本イモリといわれるほど日本各地に生息していますが、 沖縄や北海道などには本来生息していません。
名前の由来にもなっている赤いお腹には黒いまだら模様が入っていますが、個体や地域差によって違いがあります。
シリケンイモリは沖縄シリケンイモリと奄美シリケンイモリがおり、奄美群島と沖縄諸島で生息地が分けられれます。
それぞれ日本の爬虫両棲類学会では亜種(近縁の別種)と はみとめていませんが遺伝子情報から亜種とする説もあります。
アカハライモリ、シリケンイモリは生息地域は違うものの、どちらも流れのない、もしくはごく緩やかな流れのある水がある場所に生息して います。
ただしシリケンイモリは、陸上で主に生活する場合があるのでイモリウムにはシリケンイモリの方が向いているのかもしれませんが、できれば全 身が水に浸かれる、もしくは泳げるレイアウトだと良いですね。
管理人宅のオキナワシリケンも、たいていイモリウムの陸地で生活しています。
体が乾かない限りほとんど陸地で隠れているみたいですね。
どのくらい大きくなるの? それぞれのサイズの違い
アカハライモリは頭から尻尾の先までで、オスが7〜11cm、メスが8〜14cm。
シリケンイモリはオスが10〜12cm、メスが12〜15cmと、どちらも飼育しやすいサイズですね。
両生類は基 本的にはメスの方が大きくなります。
体は小さくても壁を登るので蓋は必須です。
我が家でも何度か脱走された経験が…。
景観を気にしないのであれば、フタ付きの虫かごのような飼育ケースがおすすめです!
十人十色?それぞれ違う模様
アカハライモリもシリケンイモリもテトロドトキシンというフグと同じ毒を持っています。「僕は毒を持っているんだぞ!」と威嚇のために腹をみせる行動を二種ともします。
たしかにアカハライモリのお腹の柄は毒々しいですよね。この模様も毒を持っていうアピールだといわれています。
このお腹の模様は個体 や地域差があり、イモリ研究者が見ればこの柄は〇〇県のイモリだ!と分かるそうです。
アカハライモリは 背には柄は入っていませんがシリケンイモリは、奄美タイプだと赤のイボが、沖縄タイプには金箔と呼ばれる黄色い斑点がでています。
我が家は沖縄シリケンですが、あまり金箔は強くありません。
金箔を強く出すことを目的に交配されたオキナワシリケンも流通していますが、少し価格が高い傾向にありますね。
アカハラとシリケンの飼育方法の違い

では、実際に飼育するときにどのような違いがあるのでしょうか。
全く違う地域出身ですが実は好む環境は近いのですが、一緒に飼育する場合は注意点もあります。
餌は同じ!「レプトミン」が好み?
イモリ類は肉食です。
アカムシ、イトミミズやイモリ・ウーパールーパー用人工飼料や、レプトミンが 良く使われています。
レプトミンはカメ用の人工飼料で、アカハラやシリケンもよく食べてくれます。
人工飼料は栄養ランスがよく、常温保存でき価格も安いですが、最初のうちはあまり食べてくれないこともあります。
餌付せるには生き餌やなま餌をピンセットで給餌し、 ピンセットからもらえるもの=おいしいごはんと覚えさせることがポイントです。
冷凍アカムシを好んで食べるなら、冷凍アカムシを解凍した汁をしみ込ませて与えるのもおすすめ!
アカハラもシリケンも消化はゆっくりなので、餌のあげすぎは負担になってしまいます。
うまく消化ができず死んでしまうことがあるので、週に1回から3回、イモリの様子を見てあげるようにしましょう。
ポイントは温度!
イモリ飼育のポイントは温度です。アカハライモリもシリケンイモリも暑さに弱い生き物です。
温度は20〜26度の間で28度を超す場合は熱帯魚用の送風ファンを使用するなど、夏場は工夫が必要です。
また、冬場は冬眠する生き物なので、寒すぎると餌を食べなくなり、陸地の土を掘ってもぐってしまうこともあります。
冬眠自体は自然な行為ですが、実は冬眠はかなり体力の必要な状態なので、しっかり栄養をつけてあげたうえで冬眠させないと、春まで持たずに死んでしまうこともあります。
繁殖など特別な理由がなければ、冬場も加温して適温を保ってあげれば、基本的に冬眠させなくても問題ありません。
アカハラとシリケンの混泳はできる?
アカハラもシリケンも肉食の割にはおとなしい生き物で、同種同士の混泳も可能です。
しかしイモリは反射的に動くものに噛みつく修正があり、餌と間違えてお互いをかじってしまうことがあります。
高い再生能力があるとはいえ、ケガが大きかったり、病気に感染して死亡してしまうリスクもあります。
排泄物による水質の悪化なども考え、多頭飼育は避けるか、複数飼育する場合は広いスペースに隠れ家を設置することが重要です。
まとめ
イモリたちは上手に飼えば10年以上生きる長生きないきものです。
人に慣れたイモリは帰宅した音や人影に反応して餌の催促をしてくるかわいい一面もあります。
両生類のため触ることは控えた方がいいですが、お気に入りの柄のイモリを見つけてイモリとの新しい生活をはじめてみるのはいかがでしょうか。
日本以外にも黄色の虎柄模様や蛍光緑のサイケデリックなイモリなど海外にはカラフルな仲間たちがいるので、アカハラやシリケンでイモリの飼育に慣れたら挑戦してみてもいいかもしれませんね。
これを機に、あなたも楽しいイモリライフを!