生き物を飼育するとき、入れてあげる容器はとても大切です。
安全を確保するという意味合いも大きいのですが、やはり自然環境と比べると生活するスペースを制限することにほかなりません。
レオパにとっては家と同じなので、ケージの選択は、飼育する生き物にとってとても大切なポイントです。
今回はヒョウモントカゲモドキを飼育ときのケージについて、私の飼育環境を参考に解説します!
ケージ選びは生き物飼育を楽しむカギ

私がショップで店員をしていたとき、生き物の飼育を始めようとする方は、意外とケージや水槽選びを適当に済ませてしまうことがありました。
しかしケージ選びは生き物にとっても人間にとってもとても大切なポイントで、今後長い付き合いになる生き物を飼育するときに大切にしてほしいポイントでもあります。
レオパケージの選び方のポイント3つ!
ケージは、飼育される生き物にとって家そのものです。
皆さんが普段生活する中で、行動する範囲をすべて制限して箱の中に詰めると思ったら、その大切さがわかりますよね。
もちろん野生の環境をカンペキに再現できればそれにこしたことはありませんが、野生環境には危険も伴うので、まるまんますべて再現する必要はありません。
まずはケージ選びに必要な3つのポイントを覚えておきましょう!
レオパが動き回れる広さ
野生のヒョウモントカゲモドキは特定の巣穴を持ち、あまりテリトリーの広い生き物ではありません。
しかしそれでもケージよりははるかに広い範囲を動き回り、餌を探したり、住みやすい場所を選んだりします。
ケージ内では餌は人間が与えてくれますが、動き回れないと運動不足になり、太ってしまったり体調を崩してしまったりします。
ケージの中でも温度や湿度など、環境の変化を作れる広さも必要ですね。
観察のしやすさ
生き物を飼育するときは観察するのが何よりの楽しみなので、人間が生き物の様子を観察しやすいケージを選ぶことも大切です。
たとえば真っ黒な箱で飼育すると、中の様子が見られなくてつまらないですよね。
しかも、ヒョウモントカゲモドキが体調を崩していたり、湿度が落ちていたり、汚れているなどケージ内で何か問題が起こっているかもわからなくなってしまいます。
なので、飼育環境を観察しやすいケージを選ぶことも、ヒョウモントカゲモドキを飼育するうえで大切になりますね。
私の場合は、こまめな管理が必要で、模様の変化が激しいベビーかやヤングの若いレオパは、観察しやすいケージを選んでいます。
掃除・管理のしやすさ
生き物の飼育では、環境を整えて生き物を入れて終わりというわけにはいきません。
ヒョウモントカゲモドキを飼育するときは、湿度を調整してあげて、餌を入れてあげて、フンの状態を確認しながら掃除をしてあげるなど、日々手入れが必要です。
それらの管理ができないとヒョウモントカゲドモキの体調が崩れてしまうので、これらの管理がしやすいケージが大切ですね。
私は飼育数が多いので、成長したレオパは少し観察のしやすさを犠牲にして、管理のしやすいケージを選んでいます。
ケージの大きさ・サイズについて
ケージ選びで特に重要になるのが大きさです。
もちろん各家庭で置けるスペースには限界があるとおもいますが、狭すぎるケージでは温度や湿度の管理が難しく、動き回れないのでヒョウモントカゲモドキのストレスになってしまいます。
まずは自分の家ではヒョウモントカゲモドキにどれだけのサイズを用意してあげられるか考え、そこに置ける適したケージを購入しましょう。
広さ(面積)
まず面積に関してですが、もちろん広ければ広いに越したことはありません。
ヒョウモントカゲモドキは狭いスペースでも飼育できるといわれていますが、実際に飼育していると思いのほか活発で、散歩好きな生き物だということがわかります。
最低サイズを言えば、アダルトサイズで30×40㎝となりますが、個人的には60×30㎝程度あってもいいのではないかと思っています。
もしスペースがあるのであれば、60㎝水槽での飼育もおすすめですね。
高さ
ヒョウモントカゲモドキは、ほかのヤモリと違ってあまり立体的に動くのは得意ではありません。
通常ヤモリは壁に貼り付ける能力を持っていますが、ヒョウモントカゲモドキにはそれがないからですね。
実際には小さくとがった爪で、岩場なども活発に動くのですが、落ちたときにけがをしてしまったり、レイアウトが崩れてしまうリスクを考えるとおすすめしません。
ケージの高さでいえば20㎝程度あれば十分ですが、30㎝程度の高さがあるケージで、崩れにくい立体的なレイアウトをしてあげてもヒョウモントカゲモドキは喜んで動き回ってくれます。
観察・管理のしやすさはケージの素材で変わる
爬虫類飼育も一般的になり、さまざまなケージが販売されています。
観察のしやすさという意味ではケージなどんな素材で作られているかが重要で、透明度や耐久性にも影響します。
爬虫類ケージによく使用されている素材の特徴を理解して、ケージ選びをしてみましょう。
ガラス
ガラスは爬虫類ケージにももっともよく使用されている素材と言っていいでしょう。
熱帯魚用水槽に似たものから、ショーケースのようなケージなどもありますね。
重さはありますが、ヒョウモントカゲモドキの力では傷が付かないので、耐久性が高く、サイズが十分なものを選べばヒョウモンオカゲモドキの終始飼育が可能ですね。
ポリスチレン
いわゆる虫かごのように、透明度の高いプラスチックのことです。
最近では爬虫類用のケージでも、ポリスチレンを使った透明度の高く軽量なケージが多く発売されていますね。
メンテナンスがしやすく、価格も安めというメリットがありますが、素材が柔らかく、ヒョウモントカゲモドキの爪でも傷が付いてしまうデメリットがあります。
ポリプロピレン
衣装ケースなどに使われる、半透明の柔軟なプラスチックです。
なにより安価で、割れるリスクが少ないというメリットがあります。
価格でいえば1000円しないものも売られていますね。
熱に弱いという弱点もありますが、高温になるバスキング電球などを使わないヒョウモントカゲモドキでは問題ないでしょう。
ただし、やはり半透明で観察しにくいというデメリットがあるので、1日1回はふたを開けて、ケージ内の様子を確認して管理してあげるようにしましょう。
レオパ飼育におすすめのケージ
では、いま発売されているケージで、どのようなものがおすすめなのか紹介していきます。
もちろん各家庭の環境に合わせて選ぶ必要はありますが、どの商品にどのようなメリットがあるかを理解しておくだけでも適したものが選びやすくなるので、ぜひ参考にしてくださいね。
三晃商会 レプティワイルド パンテオン

爬虫類ケージといえばこういう形の商品を思い浮かべる人も多いでしょう。
前面が開いて管理しやすく、ケージの下に爬虫類用パネルヒーターを入れられるなど、まさに専用の商品といった作りになっていますね。
爬虫類は鳥に狙われることが多く、上からケージに手を入れるとひどく驚いてしまうことがあるため、横から手を入れられるのは大きなメリットです。
とくに三晃商会のレプティワイルド パンテオンは、作りもしっかりしていて価格も安めでおすすめの商品ですね。
コトブキ工芸 ヒュドラケース

ガラス素材で、水槽を爬虫類用に作り替えたイメージのケージです。
高さがなく、フタが網になっていて湿気を逃がし、フタに脱走防止のロックが付いていますね。
一般的なガラス水槽に比べて低く作られていて、上に重ねられるようになっているので、省スペースで複数飼育したい場合にもおすすめです。
スドー レプティギア 365

少し独特な形のプラスチックケージです。
前面クリアなので仲の様子が確認しやすく、側面の扉と、上下でフルオープンもできるのでメンテナンスもしやすそうですね。
傷が付きやすいのであまり固いレイアウトは入れないようにして、掃除するときも柔らかいスポンジを使うようにしましょう。
スドー レプティケース L RX-420

見ての通り、いわゆる虫かごですね。
せっかくレオパを飼うのに虫かごなんて、と思う方もいるかもしれませんが、じつはとても理にかなっています。
蓋がしっかり閉まりますし、ケージの底は少し持ち上がっているのでパネルヒーターを入れやすく、重ねられてお値段も安いので複数用意したい人も愛用していますね。
もちろん爬虫類用でなくても、昆虫用でサイズが合えばそれでも十分です。
ブリードボックス Lサイズ

私のお気に入りでもあるプラスチックケージです。
Lサイズでもレオパのアダルトサイズでぎりぎりといった広さですが、適度に湿度が保ちやすく、軽く、なにより安い。
実売1000円前後で売られていることが多いですね。
やはり半透明なので見えにくいというデメリットこそありますが、数を飼育することを考えるととても重宝するケージです。
安いケージを用意するなら自作も
ケージ選びで気になるのが予算ですが、最近ではケージを自作するという方も増えてきましたね。
たとえばショーケース型のケージを、木材やアクリル板で自作する方法があります。
市販品と比べるとコスパは少し良くなる程度ですが、希望のサイズでピッタリ作れたり、使用する保温器具に合わせて金具を取り付けたり穴をあけたりと自由度も高いので、このタイプのケージ自作も人気ですね。
筆者も一応自作はしているのですが、そんなたいそうなものではありません。
結構SNSでも有名なのでご存じな方も多いかもしれませんが、私が使っているのがダイソーさんの収納ケースです。
たしか300円の商品だったと思うんですが、小さい衣装ケースでレオパ飼育にちょうどいいサイズ感です。
このまま使うと通気性が悪く、臭いや湿気がこもってしまうので、適度に穴をあけます。
8㎜のドリルなんかがちょうどいいかもしれませんね。
ブリードボックスやガラスケージも使用していますが、ゴジラジャイアントなどの大きい個体は手狭ですし、活発に動く個体ではすこし手狭になるので、この収納ケースを使用しています。
そこまで大きくない個体であれば、同じくダイソーのシューズケースを使用する方も多いです。
先ほどのケースよりは少し小さいですが、レオパのアダルトならギリギリ狭くないぐらいの大きさなので、これを愛用しているという方も多いですね。
もちろんこういったダイソー商品以外でも使えそうなケースはホームセンターや家具屋さんにもあるのですが、十分なサイズであることと、脱走できない構造、すぐに壊れない構造、最低限ヒーターの熱に耐えうる素材など吟味して選ぶといいですね。
まとめ
というわけで今回はヒョウモントカゲモドキを飼育するケージについてでした。
私自身ケージはいろいろ困った挙句、数を飼育するようになってコスパを優先して選ぶようになったという経緯があります。
ただ少し触れた通り、レオパ自身のストレスにならないよう、レオパ目線で選ぶことは大切にしてほしいポイントですね。
やさしい熱帯魚さんサテライトでは今後もヒョウモンオカゲモドキに関する記事、とくに今回の内容とリンクするものだと自作ケージなどについてまた掘り下げて紹介しようと思っているので、興味のある方はぜひまた遊びに来てくださいね!