家を守る!?ニホンヤモリの飼育方法や、飼う上での注意点をやさしく解説

家を守る!?ニホンヤモリの飼育方法や、飼う上での注意点をやさしく解説

古くから害虫から家を守ってくれる生き物として日本人の身近な存在として親しまれてきたニホンヤモリ。

家の外壁や窓にペタリとくっついているその可愛らしい姿に心奪われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回はそんなニホンヤモリの生態や特徴、飼育方法を紹介していきます。

ニホンヤモリの特徴

ニホンヤモリ

生き物を飼ううえで、その生き物がどんな生態で、特徴があるのか知ることもとても重要です。

まずはニホンヤモリの特徴について解説します。

どんな生き物?

ニホンヤモリは爬虫類網有鱗目ヤモリ科ヤモリ属に分類されるトカゲの一種で、体色は灰色や褐色で、少しですが体色の濃淡を変える事も出来ちゃいます。

夜行性で、活発的に動くのは夜なので、夏の夜に蛍光灯に群がる小さな虫を求めてよく出てきます。

最大の特徴は壁や窓に垂直に張り付く事が出来る指!指の裏には吸盤ではなく、趾下薄板(しかはくばん)と呼ばれる器官があり、そこにある無数の細かい毛を壁などの突起物に引っ掛ける事で、垂直な所でも自由に動き回る事が出来るのです。

どんな所に住んでいるの?

日本では秋田県以南の本州、四国、九州、対馬など広い範囲に生息しています。

家守(やもり)と呼ばれるように隠れる所が多い木造家屋や民家の近くに住んでいます。

元々は日本に生息していない外来種で中国からやって来たと言われています。

体の大きさや寿命は?

体長は10~14センチ程と小型で、寿命は平均10年程。

飼育するにはそれなりに長い期間飼育しなければならないので、長い付き合いになることを覚えておいてくださいね。

ニホンヤモリの生態

ニホンヤモリは小さいながら立派な爬虫類です。

ペットとしておなじみの犬や猫、ハムスターとは違う考え方で飼育しなければいけません。

とくに注意したいポイントについて解説します。

どんな性格?

臆病な性格なので、最初はケージの奥に隠れて中々、顔を見せてくれません。

隠れる場所を減らす事で、飼い主に慣れやすくなりますが、ストレスを与えてしまう可能性もあるので、様子を見ながら飼育環境を作ってあげてください。

飼育下でも繁殖は可能?

繁殖時期は5月~9月頃です。

飼育下でも繁殖は可能なので、繁殖時期にオスとメスを同じケージに入れて飼育してみましょう。

爬虫類の繁殖を目の当たりにすることは、自然への理解を深める後学にもなります。

ただし増えれば増える分飼育する手間は増えますし、計画的に繁殖させてあげるようにしてくださいね。

飼育に必要な物と飼育方法!

ニホンヤモリ

ニホンヤモリの飼育には、ほかの生き物よりも少し特殊な環境が必要です。

これまで生き物の飼育になれていても、持っていないものも多いので、近所の爬虫類を扱うお店で相談しながら用意するといいでしょう。

ケージは高さと蓋がある物を!

ケージは虫かごのような横長のものでも飼育可能ですが、高い所へ登るのが好きなので、高さのある物をオススメします。流木を入れ立体移動が出来るようにしたり、隠れられるように観葉植物を入れてあげると良いのですが、あまり入れすぎてしまうと隠れて出てこなくなってしまうので注意してください。

普段はじっとしていてるニホンヤモリですが、実はすばしっこくて脱走が得意。ケージは必ず蓋のある物を用意し、蓋を開けて世話をする際は逃げられないように十分注意しましょう。

床材はどんな物がいいの?

床材は保湿性の高いヤシガラマットがオススメ。

新聞やキッチンペーパーでも代用可能です。汚れたらその都度、掃除してあげましょう。

水飲み場は必要?

ニホンヤモリはほとんどの場合、動いている水しか飲まないので、水飲み場の設置は絶対ではありません。

水飲み場を設置しない場合は、ケージの壁に霧吹きで水を吹き掛けてあげる事で、舌でぺろぺろ壁を舐め、給水してくれます。

同じく動く水しか飲まないカメレオン用の水飲み機が売られているので、あまり頻繁に霧吹きできないようであれば設置してあげましょう。

飼育に適している温度と湿度は?

ニホンヤモリに適している温度は18度~26度です。

寒さに弱いので冬場は特に注意が必要です。

湿度は高めを好むので、60~70%を保てるように、毎日1回、霧吹きをしてケージの中を湿らせてあげてください。

エサは何がいいの?

エサは基本的に生きている虫しか食べません。

デュビアやレッドローチなどの餌用ゴキブリや、ヨーロッパイエコオロギが入手しやすいかと思います。

頻度は2~3日に1回程度で、エサの大きさはニホンヤモリの頭の大きさより小さい物を与えるようにしてください。

飼育する上での注意点

飼育方法を見れば家で飼うのもそう難しくなさそうに見えますが、やはり生き物なので注意点もたくさんあります。

とくにニホンヤモリを飼育したときに起こりやすいトラブルをピックアップしてご紹介します。

脱皮不全に注意!

ニホンヤモリも他の爬虫類と同様に脱皮を行います。

その際、極度の乾燥や栄養不足などによって脱皮不全を起こす事があります。

放っておくと古い皮の残った部分が壊死してしまうので、見つけたら無理に剥がさず、30度くらいのぬるま湯につけて、皮をふやかせてからピンセットや綿棒でやさしく取るようにしてください。

鳴き声はストレスの証!

ニホンヤモリは驚いた時にピッ!と高い声を出したり、ケケケと低い声を出して威嚇したりします。

ケージ内で一人で鳴く場合は気にしなくても大丈夫ですが、管理などで人を見た時の鳴き声はストレスの証でもあるので、あまり鳴かせない管理を心がけましょう。

エサを食べてくれない!?(拒食)

野生のニホンヤモリは、中々、飼育環境に慣れてくれず、餌付けが難しいと言われています。

突然、人に捕まって、見知らぬ所へ連れてこられ、じろじろと観察されれば当然ストレスを感じます。

それによって拒食になってしまう事があるので、環境に慣れるまでは出来るだけ静かな所にケージを置き、隠れる所を作ってあげ、そっと見守る事も大切です。

又、ケージ内の温度が低いと体温が上がらず、消化がうまく出来ないので、食べなくなる事もあります。ケージ内の温度は飼育に適した温度を保つようにしてあげましょう。

脱皮前や産卵前もエサを食べない事があります。痩せてしまっている場合は注意が必要ですが、数日食べない程度であればそこまで心配はいらないので、様子をよく観察してみてください。

捕まえたり保護したニホンヤモリがあまりにエサを食べない場合は飼育に向かない個体である可能性もあるので、日が落ちてから、捕まえた場所に放してあげることも考えましょう。
※購入した個体は環境になじめなかったり、病気を持ち込む原因などにもなるので、逃がすのは厳禁です。

ニホンヤモリについてのまとめ

ここまでニホンヤモリについてご紹介しましたが、日本に生息する生き物ということもあり、あまり飼育が難しいイメージは持たなかったかもしれませんね。

実際ニホンヤモリは身体が丈夫で、飼育しやすい生き物ですが、エサに生きた虫を用意しなければならないので、虫が苦手な人に飼育は難しいかもしれません。

縁起もよく顔もかわいい魅力的な生き物ではありますが、1つの命である事を忘れずに、大切に育ててあげてくださいね。

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