レオパの飼育を考えている初心者に読んでほしい!ヒョウモントカゲモドキ飼育のポイントと大変さ

レオパの飼育を考えている初心者に読んでほしい!ヒョウモントカゲモドキ飼育のポイントと大変さ

長く続くコロナ禍で、在宅時間が増えたことから、ペット需要が非常に高まっているとメディアでも取り上げられるようになりました。

私個人としては、自宅での楽しみとしてペットをお迎えすることはいいことであると考えていますが、生き物である以上大変なこともあります。

今回はとりわけコロナ禍をきっかけにヒョウモントカゲモドキを飼育しようと考えている方へ、飼育のポイントや苦労する点を紹介しようと思います。

ヒョウモントカゲモドキとは?

ヒョウモントカゲモドキ

まずはヒョウモントカゲモドキとはどんな生き物なのか紹介します。

出身地域や食性(どんなものを食べるのか)を知ることで飼育のイメージもしやすくなるので、飼う前に十分理解を深めておきましょう。

中東など砂漠地帯に住む生き物

ヒョウモントカゲモドキの出身地は、インドやアフガニスタンなど、中東地域の砂漠地帯に生息する生き物です。

もちろん実際見たことはないのですが、湿気と温度の安定する巣穴に潜み、エサを探すために砂漠地帯を練り歩くという生活をしていると聞きます。

実は砂漠地帯といえど気温自体は日本とそう変わらないのですが、日本は四季の変化が大きく、湿気の多い国なので、生息環境に合わせるための温度や湿度の管理は重要になりますね。

夜行性の生き物

SNSや動画サイトで調べると、昼間もよく出歩く姿が見られますが、本来は昼は巣穴に潜み、夜に出歩く夜行性の生き物です。

飼育下では明るい状態で餌がもらえるため、明るい環境でも出歩くよう適応しているという状態と言っていいでしょう。

それでも強いライトなどは苦手なので、必要最低限の明るさの中で手入れや給餌をしてあげるようにしましょう。

体長は20~30㎝

ヒョウモントカゲモドキの最大体長は20~30cmとやや幅があります。

通常は大きくても25cm程度なのですが、最近はゴジラジャイアントと呼ばれる大型に品種改良された個体も多く流通するようになり、30㎝以上の個体も珍しくありません。

重さは上旬的なサイズで50g前後、ゴジラジャイアントで100g程度になっています。

昆虫を好んで食べる肉食性

ヒョウモントカゲモドキは主に昆虫や小型の哺乳類、鳥類などを食べる肉食性の生き物です。

もちろん飼育する上でもそれらを与える必要があり、一つ飼育のネックになるポイントともいえるでしょう。

特に生きた昆虫を好んで食べるため、ヒョウモントカゲモドキを買うということは、生きた虫を扱う覚悟も必要になるといえます。

さまざまな模様が魅力の派手なヤモリ

ヒョウモントカゲモドキは人間のペットとしての歴史が長く、品種改良が盛んにおこなわれてきたエキゾチックアニマルでもあります。

先程紹介した通り、サイズを大きくする改良もありますが、最も盛んなのはカラーの改良でしょう。

筆者宅で飼育している7個体もすべて別々の色で、個性さまざまなカラーが楽しめます。

お気に入りのカラーの個体との出会いも、ヒョウモントカゲモドキ飼育の楽しみの一つと言えますね。

ヒョウモントカゲモドキ 脱皮
ヒョウモントカゲモドキ ベルアルビノ
ヒョウモントカゲモドキ

ちなみにちらっと触れましたが、ヒョウモントカゲモドキはトカゲではなく、ヤモリの仲間になります。

ヒョウモントカゲモドキの飼育について

ヒョウモントカゲモドキは爬虫類の中では比較的飼育しやすく、初心者の方にもおすすめしやすい生き物ではあります。

しかし海外の生き物を日本で飼う以上、環境を整えることと、人間の管理下で生きるための管理は必須になります。

詳細は様々なサイトで紹介されているので、今回はそちらにお任せしますが、飼育する上で重要になるポイントや、初心者の方に覚えておいてほしいことを重点的に紹介します。

見た目によらず脱走上手!ケージにこだわろう

ヒョウモントカゲモドキは犬猫のように室内で放し飼いできる生き物ではなく、ケージで人間の生活圏と切り離すことが必須です。

となると、ケージはヒョウモントカゲモドキの世界のほとんどとなるので、こだわるべきアイテムの一つです。

体長に合わせてサイズを合わせることは基本として、特に注意してほしいのが脱走です。

手足が短く動きが鈍そうに見えて、実は岩山などもぐいぐい上るアクティブな生き物なので、脱走も得意です。

安いというだけで選ばず、簡単にしっかりフタが閉められるケージを選ぶことをお勧めします。

生涯必須になる温度・湿度の管理

ヒョウモントカゲモドキが生息している地域は、夏は温暖なものの、冬場は東京と同じぐらいに冷え込む地域です。

だから温度管理は必要ないということはなく、人間と同じく気温の変化は体調不良の原因になり、特に変温動物のヒョウモントカゲモドキでは影響も大きくなります。

温度管理ではケージ内の気温と、底面の底面温度が重要になります。

気温は読んで字のごとくですが、底面温度はお腹が地面に接していることの多いヒョウモントカゲモドキへの影響が大きく、底面温度の不足は消化不良などの原因にもなります。

気温が十分に確保できていても、シートヒーターなどを使った底面温度の確保も忘れないようにしましょう。

メタボに注意!餌の管理について

紹介した通り、ヒョウモントカゲモドキは主に昆虫を食べる肉食性の生き物です。

飼育下で与えるのはコオロギやミルワーム、慣れれば人工餌を与えることもできます。

肉食性の生き物のサガとして、食べられるときにたらふく食べてしまうというのがあり、頻繁にたらふく与えてしまうとヒョウモントカゲモドキも肥満になってしまいます。

もともとそこまで消化器官が強い生き物でもないため、あまりに大量の給餌は消化不良を起こし、肥満も消化不良や排卵不良の原因になってしまいます。

可愛いからと言って餌を与えすぎないよう、心を鬼にして餌の量を調整してあげましょう。

もちろん量だけでなく、栄養バランスの管理も重要です。

ヒョウモントカゲモドキを飼育する上で大変なこと

ヒョウモントカゲモドキ ベルアルビノ

最後に、ヒョウモントカゲモドキを長年飼育する中で、筆者が感じた、または周りの方から相談された苦労したことについて紹介しておこうと思います。

飼ってから「こんなはずじゃなかった」とならないよう、苦労する点についても知っておきましょう。

一度迎えると気軽に手放せない

ヒョウモントカゲモドキに限らず、爬虫類は譲渡に法律で制限があります。

許可のない人間が有償で爬虫類を譲ることは禁止されているため、高いレオパを買ったからだれかに売りたい!となると、資格を取得して実務経験を経るなどして許可を得なければいけません。

無償だとしても、爬虫類ということもありなかなか貰い手も見つからないので、里親を探すのもやや困難です。

大前提として飼ったら天寿を全うするまで面倒を見るのが基本ですが、どうしても何かの事情で飼育が困難になってしまった場合は苦慮するかもしれません。

寿命が非常に長い

ヒョウモントカゲモドキは小さくても寿命が長い生き物で、記録によれば20年以上生きた個体も少なくありません。

コロナ禍の癒しに、と飼ってしまうと、その後生活が元に戻ったときも同じペースで愛情を注ぐ必要があります。

またエサ代や光熱費もずっとかかることになるので、金銭的な事情も考えて飼育するようにしましょう。

哺乳類ほどスキンシップが取れない

SNSなどでは手に乗せて愛でる様子もよく見られますが、犬猫のように触られることを喜ぶ生き物ではありません。

むしろストレスになることの方が多く、最悪尻尾を自分で切ってしまうこともあります。

手に乗せるぐらいのスキンシップ(ハンドリング)は可能ですし、ハンドリングはメンテナンス時にもできたほうがいいですが、犬猫のようなスキンシップに憧れて飼育するのは避けたほうがいいでしょう。

餌の管理が大変

ヒョウモントカゲモドキは生きた昆虫が大好物で、基本的には生きた昆虫を主食に飼育することになります。

人工の餌に慣らすこともできますが、必ず食べてくれるとは限らず、今まで食べてくれていたのにある日突然食べなくなるということもあります。

活きた昆虫は、与えるたびに購入するのは飼い主さんもショップさんも大変手間になるので、ある程度まとめて購入することになるかと思いますが、その場合は餌虫を飼育する手間もあります。

筆者も飼育匹数が増えてきたときに餌のキープを初めて経験したときは、むしろヒョウモントカゲモドキよりも餌虫の管理にスペースと時間をかけているような状態でした。

慣れればなんてことはないのですが、あらかじめ覚悟はしておいた方がいいですね。

治療費がべらぼうに高い

ヒョウモントカゲモドキも生き物なので病気になることもあり、場合によっては動物病院に頼ることになります。

出血を伴うケガや、メスであれば排卵障害なども起こります。

特に目の中に脱皮の皮が残ってしまった場合などは、動物病院に頼るしかないでしょう。

爬虫類の場合、治療をするには麻酔をかけることが多く、外傷が見えない場合には診断のためにレントゲンも必須になります。

そうなると必然的に治療費も高くなってしまいます。

やや月々の費用は掛かりますが、飼育が不慣れな場合はヒョウモントカゲモドキに対応する動物保険もあるので、初めのうちだけでも加入しておくといいでしょう。

まとめ

ヒョウモントカゲモドキは比較的丈夫で、可愛く、これから爬虫類飼育に挑戦したい初心者の方にもおすすめしやすい生き物です。

おうち時間が増えたことで生活にも余裕が出て、ヒョウモントカゲモドキに癒しを求めようというのも私は賛成です。

しかし一時の感情だけで飼育して、その後苦労してしまったり、どうしても飼育できない状況になってしまうと本末転倒です。

感情に流されず、ちょっと立ち止まって、飼育の方法や付き合ううえでの現実も少し頭に入れて、ヒョウモントカゲモドキをお迎えしてみてはいかがでしょうか。

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