「初心者が意識するべき水草レイアウトのコツは?」元熱帯魚屋さんが答えるQ&A

「初心者が意識するべき水草レイアウトのコツは?」元熱帯魚屋さんが答えるQ&A

元熱帯魚屋さん店員が、皆さんの質問にお答えするコーナーです。

今回は特別編というほどでもないですが、ショップ勤めしていたときに興味深かった質問を解説していきます!

ネイチャーアクアリウムが流行っているので水草水槽を本格的に始めたいのですが、まったくイメージがわきません!(笑)

水草をどこにどう配置したらいいのか、なんのイメージもなく、丸パクリするのもつまらないので、最初の一歩をどうしたらいいのか、どういう意識でレイアウトしたらいいのかコツを教えてください!

まずはイラストを用意して、イメージを固める作業から始めましょう!

これはおそらく2013年ごろ、ADA全盛期だった時代の話だったと思うんですが、私も当時ネイチャーアクアリウムに興味はあれどまったくそういうセンスがなくて手をだしてはやめ、手を出してはやめしていた時期でした。

当時の常連客からの質問をもらって、「1ヵ月後にお手本をお見せしますよ!」と大法螺を吹いてそうとう工夫してがんばった記憶があります。

その時に気付いたのが、おおざっぱなイメージでやるとたいてい失敗するということ。

まずは落ち着いて時間をかけ、どんなイメージにしたいのかを煮詰めることで、理想のレイアウトを実現できます。

というわけで、今回は初心者の方でも簡単に水槽のレイアウトをキメるコツを解説します!

実際にレイアウトして、随時写真を追加予定です。

①目指すレイアウトをイメージしてみよう!

水槽 レイアウト ディスカス

レイアウトは、ただ石を組んだり流木を入れて水草を入れればきれいになるわけではありません。

スムーズに材料を集められるよう、最初にどんなレイアウトにしたいのかイメージしてみましょう。

水草?石?流木?中心になる骨格を決めよう

まずは、どんなイメージで水槽をレイアウトするか、おおよそのイメージを作ってみましょう。

水槽をレイアウトするアイテムとしては、水草、石、流木の3つがありますね。

それぞれ組み合わせてレイアウトするのも1つの方法ですが、どれかを中心に、それを補う形でほかのアイテムを使うとレイアウトのイメージをしやすくなります。

たとえば流木を中心に、スペースを引き立たせるために石を、隙間を埋めるために水草を、といったイメージですね。

魚との相性も考えよう

水槽レイアウトで重要なのが、飼育する生き物との相性です。

水質的なことはもちろんですが、せっかくきれいにレイアウトするなら、魚やエビが浮いて見える、違和感のある水槽になってしまうのはもったいないです。

たとえば赤や黄色の魚であれば、水槽全体がやや明るめのレイアウトで組まれているほうが馴染みやすいですし、黒や青などは濃いめの色のほうがなじみやすいでしょう。

レイアウト水槽メインで、飼育する生体を合わせる方法でもちろんOKです。

③イメージは縮小せず「切り取ろう」

ネイチャーアクアリウムは、もともと風景を水槽の中で再現するイメージで作られています。

ある程度は小さくする必要がありますが、それは大型水槽だからできることで、家庭で気軽に置ける60㎝程度の水槽では難しいです。

そこで重要なのが、風景の一部を切り取るという考え方です。

風景写真の一部を切り取って再現しよう

オリジナルのレイアウトを作るときには、風景写真を参考にするのがおすすめです。

風景写真は、幅数十mの風景を収めていることが多いですよね。

それをそのまま再現しようとすると、水草や流木の質感、岩肌などが荒く見えてしまい、イメージと大きく変わってしまいます。

コケのような細かい水草を使ったり、流木を加工すればきれいに見えますが、初心者には難しいですよね。

なので、まずはこのように風景をそのまま再現するのではなく、その中の一部を切り取るようにして参考にするといいでしょう。

この参考の写真だと、これを再現するにはかなり奥行きがないと難しそうですよね。

そこで、このように切り取ってみると、水槽の中で再現しやすくなります。

もちろん林や渓流は再現しにくいですが、このなかからさらにインパクトのある物をつまみ出せば、水槽レイアウトでイメージを十分再現できるようになりますね。

④イメージをイラスト起こそう

これがとても大事な工程です。

石や流木が手元にたくさんある方は、実際に組んでみて気に入ったデザインで立ち上げることが多いです。

しかしこれから石や流木を買おうという場合は、イメージに合ったものを買わなければいけませんよね。

そこで、まずはどんなレイアウトにするのかイラストに起こしておくことで、どんな石や流木を買えばいいのか、どういう水草を探せばいいのかがわかりますよね。

塗り絵のように大まかに

イラストといっても、絵画のようにしっかり描き込む必要はありません。

いわば設計図なので、どこにどういうものを配置すればきれいに見えるのか、かっこいいのかさえわかればOKです。

とりあえずペイントツールでさっきの写真から、再現したい部分をつまみ出して描き出してみましょう。

こんな感じにシンプルに、水槽に対してどれぐらいのサイズの流木や石、水草があっているのかイメージします。

グリッド線を入れて、だいたい何センチなのかも把握できるといいですね。

今回は端折りましたが、水草ももちろん書き込んだほうがいいです。

これもしっかり描きこむというよりは、ここにこの色の水草があるとどういう雰囲気になるのかをイメージする程度でOKです。

カラーで描こう

レイアウトで重要なのが色味です。

たとえば流木のみで組むと無機質で枯れた印象になるので、水草を入れたり、石と流木を組みあわえたり、隙間に小さい石を埋めたりしますよね。

しかしどんな石でも合うというわけではなく、石の色味、また石をいくつも種類を入れてみるなら石同士の色味の相性もあります。

形もそうですが、石もカラーが様々なので、この段階で色味を把握しておくと、購入するときに迷いにくくなりますね。

水草に関しても同じで、赤っぽいものや黄色っぽいもの、緑にも濃い薄いがあるので、どういう色にするかイメージしておくと、水草選びが楽になります。

⑤材料を確保しよう

流木 レイアウト

イラストでおおよそのイメージをつけたら、石や流木、水草などを買いましょう。

おおよその種類のイメージをつけていても、実際に買うときにチェックするべきポイントがあります。

水草は成長した長さと大きさを知ろう

水草はお店で売られているのは水上葉と呼ばれている状態のものが多く、水槽に入れて成長するとイメージが違うこともあります。

ものによっては形まで変わってしまい、現物のイメージだけだと最終的に水槽のレイアウトが崩れることもあるので要注意。

なので、Charmさんで公開している情報や、水草図鑑などを参考にして購入するといいでしょう。

流木や石は角度で大違い

流木や石は、天然のものなのでなかなかイメージ通りのものは見つかりません。

しかし不規則な形なので、棚に並んでいる状態ではイメージと違っても、少し角度を変えることで大きく印象が変わります。

専門店では、それを見越してレイアウト用に砂利を敷いたトレーなどが用意されていることもありますね。

石はサイズの選択肢を重視

石は砕石した状態だと規則的な形になりがちなので、自然な形を見つけるのは大変です。

なので、岩のように存在感があるものと、さみしいところを埋めたり、大きい石の隙間を埋めるための小さなものもあるといいでしょう。

それでもイメージにそぐわない場合、小さい石を組み合わせて大きく見せるとどうしても違和感が出てしまいますが、小石同士の隙間にソイルを埋めて、前景草を植えると自然になります。

⑥組み上げよう!

水槽 レイアウト カージナルテトラ

材料を確保したら、水槽の中に組み上げてみましょう。

組んでみるとイメージよりいいものを思いつくこともありますし、一番楽しい時間ですね。

初心者は砂利を厚めに!

組み方は好みですが、1ついえるのが砂利(ソイル)は厚めにするのがポイントです。

石や流木に安定感が出ますし、埋めることでイメージに近い形にしやすくなるからです。

最近は底もガラスのものが多いので、ガラスを保護する意図もありますね。

不安定な組み方はNG

不規則な組み方はかっこよく見えますが、無理は禁物です。

何かの拍子で倒壊することもありますし、水草を植えるならその後メンテナンスも必要だからです。

上級者になると接着剤などを使ってうまく組み上げますが、まずはそのままでも崩れない安定感のあるレイアウトを心がけましょう。


というわけで今回は水草のレイアウトについてでした。

三角形に、などいろいろ組み方のセオリーはありますが、個人的にはこの風景写真から切り取る形がイメージしやすいかなと思います。

もちろんレイアウトは自由なので、こうしたい!というイメージがあれば、参考はいりません。

最近はレイアウト素材も値上がりしてハードルは上がっていますが、扱うお店が増えたという意味では楽しみやすい趣味になりましたね。

筆者も近所にレイアウト用品を扱うペットショップができたので、久々にレイアウトして、このページで紹介していこうと思います。

ほかにもレイアウトについて紹介していく予定ですので、今後とも優しい熱帯魚さんサテライトをよろしくお願いいたします!

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