概要
ネオンテトラと間違えられがちな不遇な魚カージナルテトラ。
よーく観察すると違いが有り、こだわった水槽作りには必須のタンクメイトです。
学名: Paracheirodon axelrodi
カラシン目カラシン科の熱帯魚です。
もちろんネオンテトラと近縁種ですが、ピラニアとも近縁種です。
このため口には小さいながらも鋭い歯が生えています。
原産地:アマゾン川上流
アマゾン川上流の比較的流れの落ち着いたエリアに生息しています。
ネオンテトラと比較的近い地域に住んでいますね。
ブリード固体も多く流通していますが、ワイルド固体もよく見かけます。
体長:4〜5cm程度
比較的小型の種類ではありますが、成長すれば4~5cm程度とやや存在感があるサイズに成長します。
最大体長はネオンテトラよりもやや大きく、混泳させると最終的にサイズ差が出ます。
適切水温:25〜28℃
温暖なアマゾン川に生息しているので、飼育下でも夏場を除いて保温が必要です。
ややコショウ病に弱いので、水温を安定させることで予防にもなります。
適切pH(ペーハー):弱酸性~中性
アマゾン川は多くの流域で弱酸性のブラックウォーターになっていて、カージナルテトラの生息域でも弱酸性の水になっています。
ブラックウォーターにする必要はありませんが、pHはやや低めにしておくといいでしょう。
寿命:2〜3年
ネオンテトラよりやや大きい種類ですが、寿命は大差ありません。
参考価格:100〜200円
ネオンテトラよりやや高い印象です。
群泳させるため大量購入されることも多く、セットで割引されることもあります。
好んで食べる餌:人工飼料 など
肉食性が強い魚ですが、基本的には熱帯魚全般用の人工飼料を食べてくれます。
甲殻類に含まれるアスタキサンチンを多く含む餌を与えることで、カージナルテトラの赤色を鮮やかにすることができます。
具体的にはテトラミンや、テトラプランクトンなど甲殻類を多く含む人工飼料や、冷凍・乾燥ブラインシュリンプなどが有効です。
飼育下での繁殖:可能(難しい)
カージナルテトラの繁殖は、ネオンテトラよりもやや困難です。
比較的産卵行動に入りにくく、群泳させてペアを見つけてもらうため食卵のリスクもあるからです。
まずは3cm程度に成長したカージナルテトラを、最低でも20匹程度集めます。
カージナルテトラは卵を産み落として自然に孵化させるため、食卵を避けるために、水槽の底に鉢底ネットを張ったプラケースを敷き詰めるようにセットしておきましょう。
卵を確認したら、プラケースを回収し、30℃弱に加温します。
おおよそ1日て孵化するので、孵化したらインフゾリアを与えます。
10日程度で活ブラインシュリンプに移行し、40日程度で流通固体と同じサイズになります。
ネオンテトラよりもやや成長が遅く、大人になれる稚魚の数も少ない印象です。
優しい熱帯魚さんからワンポイント
カージナルテトラとネオンテトラはどうしても同列に扱われがちです。
たしかに、大きな違いはサイズと、赤いスポットの広さだけですから仕方ありません。
しかし、ネイチャーアクアリウムのコンテストなどでは、水槽に入れる生体のセンスも問われます。
このサイズと赤色の発色の違いはレイアウトの出来にも大きく影響するので、どちらがいい、悪いというものでもありません。
どちらもタンクメイトの選択肢の一つとして意識して選びたいところです。