ベタの無精卵・有精卵を見分ける方法!そもそも見分ける必要は?

ベタの無精卵・有精卵を見分ける方法!そもそも見分ける必要は?

ベタは繁殖もほんとうに楽しめる魚です。
しかし独特な繁殖方法から、無精卵が生まれる確率も高いです。

今回、繁殖したベタの卵を観察し、無精卵、有精卵を確認してみました。
有精卵だと確認できた卵の撮影ができたので、ぜひ見分け方を覚えていってくださいね。

ベタの有精卵・無精卵は見てわかる?

ベタの繁殖でまれにあるトラブルが、受精しておらず、孵化する可能性のない卵が産まれてしまうことです。
飼い主としてはその卵が孵化するのかどうか、とても気になりますよね。
ネット上にはさまざまなアドバイスがありますが、何度も繁殖させた経験のある私から見ると、「うーん」と思うものもあります。
実際、有精卵なのか無精卵か、そう一目でわかるものではないように思います。

無精卵の見分け方

明らかにこれが無精卵だという特徴は、正直見たことがありません。
いびつな形の卵もしっかり生まれましたし、黄色みがかった卵もしっかり稚魚になりました。

白い卵が無精卵という話もよく聞きますが、たいていの卵は白いですし、微妙な色の違いは往々にしてあります。
たとえばピルクルのような色の卵もありますし、蛍光灯のような白もあります。

つまり、「これが無精卵」という判断は、かなり難しいのではないかなと思います。

有精卵の特徴

では逆に有精卵を見分ける方法といえば、こちらは難しいですが判断することは可能なのではと思います。
百聞は一見に如かずということで、こちらの写真をご覧ください。

一見普通の卵ですが、ひとつ無精卵にはあまり見られない特徴があります。
よく見ると、輪郭が透明なのがわかりますよね。
受精してしばらく経った卵は、こんな風に輪郭が透明になることが多いです。
実際この卵と、一緒に採取した卵を3つ人工孵化させましたが、しっかり稚魚になりました。

ただしこれは目視ではかなり見分けるのが難しく、若干透き通っている印象があるかないかというレベルです。
これは簡易的な顕微鏡で撮影した写真ですが、すべての卵を顕微鏡で見るわけにいきませんよね。
正しく採取しなければ卵を殺してしまうことにもなるので、個人的にはここまでして見分ける必要があるのかな?と思います。

そもそも見分ける必要は?

熱帯魚飼育の基本の楽しみ方は観察なので、卵についても観察したい気持ちはよくわかります。
管理人も疑問に思ったことはよく観察し、検証したいですし、それが繁殖の成功にもつながるのではと考えています。
とはいえ、デリケートな繁殖期の水槽に手を入れてまで、無精卵か有精卵か判断する必要はあるのでしょうか?

どうしても食卵してしまうオスを繁殖させたい

ベタは卵を泡巣にくっつけて、孵化して独り立ちするまでオスが面倒をみますよね。
これはベタ繁殖の魅力でもあるのですが、リスクもあります。
それが食卵のリスクで、オスがせっかくの卵を食べてしまうのです。
食卵のクセがついてしまっているオスに関しては、人工孵化で人間が稚魚の面倒を見る方法もあるのですが、オスが理由をもって卵を食べていることがあります。
そのひとつが無精卵で、オスが「この卵は孵化する可能性がない」と判断すると食べてしまうんです。
もちろん無精卵だと人工孵化させても稚魚にはならないので、食卵してしまうオスから卵を取って人工孵化させる場合には、その卵が無精卵か有精卵か判断しておいたほうがいいでしょう。

基本的には放置でOK!

ではオスに面倒を任せる場合はというと、この場合は基本的には放置でOKです。
なぜかというと、卵の面倒を見ている父ベタには、ちゃんと有精卵と無精卵の見分けがついているからです。

我が家に150匹以上の子供を育てたビッグダディがいたのですが、このオスは無精卵が多い場合、食べて除去していましたし、他のオスも無精卵だと判断すると食べて除去する様子を確認しています。
これは無精卵を残しておくとカビてしまい、ほかの卵も傷めてしまうため、オスはこの判断を本能的にできるのだと考えています。

つまりしっかり見分けがついていて、オスが除去してくれるのであれば、わざわざ卵を傷つけるリスクを背負ってまで人が手を加える必要はないということになります。

無精卵を生ませない方法

では、そもそも無精卵を生ませないためにはどうしたらいいのでしょうか。
最終的にはベタ同士の問題になりますが、いくつか無精卵のリスクを減らす方法があります。
これも100%ではないのですが、やらないよりは確実に稚魚の数が増えるので、少し気を配ってみましょう。

しっかり成熟したオスメスを選ぶ

これはベタの繁殖に挑戦するときの基本でもありますが、オスもメスもしっかり成熟していなければいけません。
しかし流通しているメスはたいていサイズが小さく、未成熟な場合が多いです。
オスは繁殖できるサイズの個体が多いので、小ぶりな若いメスは購入してすぐに繁殖させるのではなく、ある程度育成して十分成熟してから繁殖させるといいでしょう。

オスメスの大きさを合わせよう

ベタの交尾は、オスがメスに抱き着くような形で行います。
流通しているメスは小さいと紹介しましたが、この場合はオスがしっかり絡み付けずに交尾がうまくいきません。
ヒレを除いた体長で、オスメスの体格差を1㎝前後にすることで交尾を失敗しにくくなります。

初産の無精卵は許容範囲

メスの初産の場合、無精卵の確率はかなり高くなります。
人間でいう「いきむ」のが下手で、排卵のタイミングがオスと合わないのがその理由でしょう。

実際、産卵のタイミングを見てみると、ベテランママだとオスが巻き付いてすぐに卵をポロポロ落とし始めますが、初産だとオスが巻き付いてからかなり遅れて卵が落ちてくることが多いです。

こればかりは仕方ないので、一度目の失敗は大目に見て、二回目の産卵に期待しましょう。
なお、一度目に失敗した場合、二度目のペアリングは2~4週間ほど猶予を持ちましょう。


以上が、ベタの繁殖における無精卵についての解説でした。
実際の写真を撮影できたので、すこしでも見分ける参考になればと思います。

管理人はなるべくオスに面倒をみてもらうスタイルなので、あまり有精卵無精卵について細かく考えたことがなかったのですが、どうしても繁殖させたいオスがいたので、よく観察してみました。
そのオスはまさに食卵グセがあったのですが、よくよく観察してみると食べているのは無精卵で、有精卵は残していることが分かったんです。

人工孵化も無駄になってしまう、もしくは逆効果になってしまいますし、有精卵か無精卵か判断する方法はあってもいいのかなと思います。

今後も優しい熱帯魚さんサテライトではベタ関係の記事を充実させていきますので、ぜひまた遊びに来てくださいね!

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