ベタは非常に丈夫な魚で、小さくシンプルな水槽でも十分飼育できる初心者にもおすすめの魚です。
でも水槽に水を入れ、ベタを入れるだけでは少し味気ない印象もありますよね。
最近ではネイチャーアクアリウムなど、レイアウトをメインにした水槽も人気ですが、そういった水槽にベタは入れられるのでしょうか?
実はベタの場合は、少しレイアウトに注意が必要です。
そこで今回は、これまで何百というベタを飼育してきたベタブリーダーの筆者が、ベタ水槽の作り方と、ベタ水槽のレイアウトについて解説します!
ベタ水槽のレイアウトは要注意!
ベタももともと野生の魚で、隠れられるようなレイアウトを好みます。
しかし野生でのベタの姿はショーベタのようなヒレの大きな魚ではなく、ヒレが短く俊敏に動ける魚です。
なので、野生で暮らしているようなレイアウトにショーベタを入れて、本能に任せて動いてしまうとケガをさせてしまうリスクがあります。
ベタが自由に泳いでもストレスがなく、ケガをしないようベタ水槽のレイアウトは以下のようなポイントに注意しましょう。
水流を起こすものは避ける
私も好きなアイテムですが、エアレーションを使ったレイアウトアイテムがあります。
通称バブルカーテンと呼ばれる、気泡を膜状に出すものや、空気を使ってカバを模した模型が口をパクパクするものなどもありますね。
もちろんエアレーションを使ったろ過装置も含めてですが、こういったものは水流を起こすため、ヒレが大きなベタは水流をもろに受けてしまい、ストレスになります。
場合によってはヒレが裂けてしまうため、入れないようにしてあげるといいですね。
ヒレをひっかけるレイアウトは避ける
ベタのヒレは非常に薄く繊細で、少し引っ張っただけでも裂けてしまうほどです。
とくにハーフムーンやスーパーデルタなど、ヒレが大きく開くタイプは注意が必要ですね。
なので、先のとがったレイアウトアイテムや、鋭利なレイアウトは避けてあげましょう。
具体的には先のとがった流木や、陽火石のような先のとがった岩もそうですね。溶岩石のように、表面がざらついたものでヒレが切れたこともあります。
また、水草を模したビニールのレイアウトアイテムも綺麗で便利なのですが、意外と鋭利でヒレを割いてしまうことがあるので、ベタには避けたほうがいいでしょう。
泳ぐスペースを広く確保する
ベタはヒレが大きいため、小回りするのが苦手な魚です。
後ろに進みたくて、よいしょよいしょと旋回する姿を見た方もいるかもしれませんね。
なので、もしジャングルのようなレイアウトにしてしまうと、ベタは泳ぐのがとても大変になってしまいます。
中央に山を作るようなレイアウトなど、スペースを重視して組み立ててあげるといいですね。
隙間は最小限に
ベタは獰猛な姿も見せますが、小型魚なので捕食者も多く、元来臆病な魚です。
そのため隙間に隠れたがる個体も多く、そのときにヒレを切ってしまうこともあります。
表面が滑らかな石や流木を組むようなレイアウトの場合隙間ができて、そこに隠れたときなどに切れてしまうことが多いですね。
なので、あまり隙間の多いレイアウトは避け、流木などを組むときはしっかり通り抜けられるよう十分なスペースがあるのが理想的です。
もちろん崩れないように組むのも重要です。
ベタにおすすめのレイアウト
では、実際にベタのレイアウトをするときに意識したいポイントや、おすすめのレイアウトアイテムなどを紹介します。
もちろんすべてを網羅しているわけではありませんが、最初にどんなものを使ったらいいのかわからない場合は紹介するものを参考に、先に紹介した注意点を避けるよう意識しながら組み立ててくださいね。
水草を中心としたレイアウト
ダミーの水草はあまりおすすめしませんが、生きた水草はベタを傷つけにくく、ベタ水槽のレイアウトにぴったりです。
見た目的な良さはもちろんですが、水草には水槽の中の余分な養分を栄養にするため、コケの発生などを抑えてくれる効果もあります。
ただし、水草も生き物なので、水草のための管理も必要になります。
養分や光が少ないと枯れてしまうこともあるので、丈夫な種類を選ぶといいでしょう。
おすすめはアナカリスや、ミクロソリウム、アヌビアスナナなどです。
ミクロソリウムやアヌビアスナナは流木に活着させて販売されていることもあり、それを入れるだけでも見た目がよくなるのでおすすめですね。
流木を組んだレイアウト
流木も、とがったものを避ければベタのレイアウトに使用できます。
水槽の中心に大きな流木を1つ置くのも迫力がありますし、小さめのものを組み合わせてもいいですね。
小さなものを組み合わせる場合は、できれば接着しておくのがおすすめです。
水中に使用できる接着剤や、ホットボンドも手軽なのでおすすめです。
ホットボンドも、特殊なものだと水に染料などが溶けてしまうので、よく見る半透明のものがいいでしょう。
念のためグルーの素材に水溶性のものがないか確認しておくといいですね。
また、新品の流木は水を茶色く染めてしまうので、ベタには無害ですが、気になるなら一度煮たり水に浸けておいたりしてあく抜きをするといいでしょう。
石を入れるときの注意点
石もベタを際立たせるレイアウトアイテムですが、注意したいのが組み合わせるのが少し難しいということです。
慣れてくれば安定する形を予測しやすいですが、バランスが悪いと何かの拍子に崩れてしまう可能性もありますし、接着しても無理な形だとはがれて落ちてしまうこともあります。
石を使う場合は、大きめのものを一つ置いて、その周囲に小さいものをいくつか配置するときれいに見えますし、隙間に入り込んでしまうことや崩れるリスクもありません。
まとめ
ベタは単体で飼育しても美しく存在感がありますが、実は性質からすれば隠れ家があるのが理想的です。
しかし品種改良された弊害でケガのリスクが上がっているので、レイアウトするときには少し注意も必要です。
レイアウトに挑戦するときは、今回紹介したようなポイントを意識しながら、ベタも自分も楽しめるレイアウトを組み上げてくださいね。
やさしい熱帯魚さんサテライトではこのほかにもベタについての記事をたくさん紹介していますので、興味のある方はぜひまた遊びに来てくださいね!