神秘的なベタの交尾から産卵までを写真付きで解説

神秘的なベタの交尾から産卵までを写真付きで解説

管理人はベタが大好きで、各種熱帯魚を飼育してはいますが、メインはやはりベタ。

その一番の理由は、なんといっても繁殖する姿が美しいことです。

今回そんなベタの交尾を観察できたので、写真付きでご紹介しようと思います。

ちょっとあきらめ気味だったペアの産卵なので、水槽が汚れ気味なのと、ブラックウォーターで色味が悪い点はご了承ください。

ペアリング~繁殖の前兆

ベタの繁殖は水槽の環境づくりから始まり、ペアリングを経て繁殖に至ります。

このペアリングがベタ繁殖一番のポイントで、ここのコツをつかめば、難しいといわれるベタの繁殖もかなり成功率が上がります。

もしペアリングに失敗するとオスがメスを殺してしまう、その逆もあり得るので、大切なベタを守るためにはよく見極めて継続するか引き離すか判断しなければいけません。

そのタイミングを見計らうのはなかなか難しいのですが、一つ明確に交尾をする前兆があります。

ベタ 繁殖 ペアリング

通常、ベタは闘争心が強く、闘魚ともいわれるほどですが、ペアリングが上手くいくとこのようにオスメスが寄り添うように泳ぎます。

相手を意識していない状態の場合は、ただたんにお互いの存在に小慣れてしまったという可能性もあります。

しかしこの写真のように、泡巣の下でオスメスが泳ぐ姿が見られる場合には、かなりオスメスがいい雰囲気である可能性が高いですね。

実際、このペアに関しては前回の初産でもオスメスともに無傷で、産卵数こそ少なかったもののスムーズに繁殖できた相性のいいペアです。

オスもリードが優しく、メスもひどく怖がるような様子がないので、こういったペアは繁殖の成功率が高いですね。

こういったペアに関しては記録しておけば、また再トライしたときも成功する可能性が高いです。

交尾~産卵へ

このペアは前回もそうだったんですが、メスがなかなか卵を輩出できず、かなり難産だったペアで、残念ながら前回の繁殖は失敗に終わっていたんです。

とても色の合性もよく、性格的にもよさそうだったので今回再チャレンジしたのですが、やっぱり今回も難産です。

ベタ 繁殖 交尾

このように、なんどもオスがメスに巻き付き、メスも産卵しようとするのですが、なかなか卵が排出されません。

かなり根性のあるペアで、観察している間も何十回も繰り返していました。

ちょっと気の毒になるほどでしたね。

ベタ 繁殖 卵 泡巣

用事でしばらく席をはずし、2時間ほどして戻ってくると、なんと泡巣に卵がついているじゃありませんか。

その数まだ20個ほどで、うれしい反面、「これだけ時間をかけてこの数だとまた失敗か」と落胆しそうになったとき、また繁殖の行動に入り、ボロボロと落ちてくる卵!

ベタ 繁殖 交尾 産卵
ベタ 繁殖 交尾 産卵

産卵したメスは力が抜けたように底に沈んでいき、オスは懸命に卵を拾い上げます。

一息ついたメスも卵を拾い、それぞれ泡巣に卵をくっつけます。

卵をくっつけるのには、守りやすくするほかにも、卵が痛むのを防ぎ、酸素が行き届きやすいようにする意味があるともいわれています。

ベタ 泡巣 卵

最終的に、卵は300個近く。前回の繁殖失敗を吹き飛ばすような数です。

しっかり交尾できていますし、おそらく有精卵の数も多いでしょう。

26℃の水温だと、だいたい2晩で孵化するので、今から楽しみですね。

これだけの卵があれば、久々に50匹以上の稚魚が残りそうです。

繁殖環境について

せっかくなので、今回の繁殖環境について解説しておこうと思います。

これまでもベタの繁殖に関して解説してきましたが、成功した繁殖環境のひとつとして参考になるかと思います。

少し細かいところを重視して解説するので、ベタの繁殖に悩んでいる方はぜひ参考にしてみてくださいね。

水槽の大きさは?

今回使用した水槽は、GEXのグラステリア250です。

25×17×21㎝と、比較的小型の水槽ですね。

今回可能なら撮影しようとこの水槽に入れてみたのですが、いつもはもう少し小さくて浅い水槽でも繁殖させています。

ちょっと残酷に聞こえるかもしれませんが、ある程度メスがオスに追い掛け回されないと繁殖に至らないことが多いので、狭い水槽をあえて選んでいます。

その分隠れ家を用意して、どうしても相性が悪いときにメスが逃げ込める場所を用意してあげるといいかなと思います。

水温は?

水温はエヴァリスのオートヒーターを使って、26℃前後にしています。

経験上この水温でも十分繁殖し、稚魚の育成も可能ですが、理想を言えば28℃ぐらいにするともっとも活性が高い気がします。

稚魚が大きくなって来たら、水温を上げたほうがよく育つので、オートヒーターに入れ替えようと思います。

ブラックウォーターは何で作ったの?

今回はブラックウォーターというほど色づく前に繁殖しましたが、マジックリーフを入れています。

ベタの飼育では弱アルカリ性のほうが調子がいいことも多いですが、繁殖に関してはアンブレラリーフを入れるのは必須ともいえます。

もちろんヤシャブシや流木で色づけても同じ効果があるので、扱いやすいものをえらんで入れるといいでしょう。

砂利は必要なの?

砂利に関しては、基本的に不要です。

今回は実験的に入れてみましたが、これが初めて。

やっぱり落ちた卵を探すのに苦労している様子も見られましたし、入れないほうがいいですね。

ただ、稚魚の育成に必要になるインフゾリアの増殖は明らかに砂利を入れたほうがいいので、一つの方法ではあると思います。


というわけで、今回もベタの繁殖についてでした。

かなり優良血統のオスで、ちょうどいいメスがいたのでどうしても成功させたいペアでした。

相性が良かったのに失敗していて残念でしたが、今回大成功したので一安心。
稚魚の育成が今からとても楽しみです。

ベタの繁殖は本当に素晴らしいものですが、やはりむずかしい部類に入ると思います。

まとめて紹介していますが、狭めの水槽で、水温を安定させ、ブラックウォーターにすることで格段に成功率が上がると考えています。

稚魚の育成に関しては、また別なポイントがあるので、今後この繁殖が進むにつれてポイントを解説していければと思います。

今後も優しい熱帯魚さんサテライトでは、ベタの飼育方法や繁殖方法を解説していきますので、ぜひまた遊びに来てくださいね!

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