元熱帯魚屋さん店員が、皆さんの質問にお答えするコーナーです。
今回は しろぶんちょさんから、メダカの飼育方法について質問いただきました!
メダカがどんどん繁殖して増えすぎて困っているという友人からメダカを10匹ほどもらって育ていたのですが、1匹また1匹と死んでいってしまいます。
一応一通り調べてから飼い始めたので、「メダカに最適な水づくり」という薬品を買って水を用意して、いきなり水槽に投入せずに水温に慣らしたり、えさをあげすぎないようにしたり、水草もちゃんと入れているのですが、それでも残り2匹ほどになってしまいました。
「これはやってる?」、「ここは気を付けてる?」など、上記に挙げたこと以外でちゃんとできてなさそうなところがあったらぜひ教えてください。
基本的な飼育方法からひとつひとつ見直してみましょう!
(水槽の置き場所・大きさ・バクテリアなど)
とても答えがいのありそうな質問をありがとうございます!
最近は変わりメダカに熱帯魚顔負けにきれいなものも増えて、メダカブームきていますよね。
メダカの飼育に関しての質問は、店員時代にもとても多かったです。
安くて気軽に買えそうな生き物ですが、実はとてもデリケートな生き物なんですよね。
ショップで購入したメダカだと、管理が適当だったり、そもそも餌用として流通していて育成するのが難しい場合もありますが、今回はしっかり飼育しているご友人からもらったとのことなので、これは問題なさそうですね。
また、水合わせや餌のやり方、隠れ家として水草を入れるなど、基本的な飼育方法は調べて実践されているとのことなので、意外な部分や、少し深い部分に原因がありそうです。
考えられる可能性をつぶしこんで対処してみましょう!
水槽の設置場所は適切ですか?

まず根本的に、メダカは水温の変化や水質の変化などに非常に弱い生き物です。
もし、窓際など温度変化の激しい場所においてあると、気温の変化で水質も大きく変わり、それがメダカに負担をかけている可能性があります。
水槽の設置場所として、外気の影響を受けやすい窓際や玄関などは適しません。
日光はコケの原因にもなりますし、直射日光が水槽にあたる場所も避けたほうが安心ですね。
水槽のサイズは適切ですか?

今回は10匹飼育していたということで、比較的たくさん飼育していますね。
たくさん飼育すると、そのぶん餌やフンが増えるので、十分なサイズの水槽が必要になります。
メダカ10匹になると、ろ過方法などによっても変わりますが、最低10リットル以上の水槽は必要になるでしょう。
10リットル入る水槽だと、だいたい30㎝幅の水槽になりますね。
バクテリアサイクルは作っていますか?

しっかり水合わせして水槽に放ち、水作り用の薬も入れているとなると、一番疑わしいのが水槽内のバクテリアです。
私がショップに勤めていた時も、たいていの原因がバクテリアでした。
よくバクテリアというと「バクテリアが悪さしているんですか!?」と言われましたが、むしろその逆です。
水槽内の汚れから出た毒素は、最終的にバクテリアが処理してくれているんです。
このバクテリアたちを増やしてから魚を入れないと、毒素の影響で魚が死んでしまうことが少なくないですし、デリケートなメダカであればてきめんです。
バクテリアも、実は商品として売られています。
今回水を作る薬品を導入したとのことでしたが、おそらくその薬品の中にはバクテリアが封入されていなかったのでしょう。
本来、水槽は魚より先に購入し、1か月ほど水を入れて、餌を入れて空回しすればバクテリアは自然と住み着いてくれますが、もうすでにメダカがいるとなるとその方法は難しいかもしれません。
とりあえず2匹のまま飼育して、バクテリアの代わりに飼い主さんが水替えで毒素を逃がしてあげるのも一つの方法です。
水替えはすべて行わず、1日1回1/2~1/3抜いて、塩素を抜いた水を足してあげる形で対処します。
これでメダカが輩出した毒素がわずかに水槽内に残り、バクテリアがそれを食べて育ってくれます。
これはメダカに関わらず、魚の飼育で基本になる部分なので、バクテリアの準備するクセをつけておきましょう!
まとめ:目に見えないものほど大切なことってあるよね

今回は初心者の方からの質問だったので、少し基本的なことから紹介しました。
水槽の置き場所は水温への影響を考えて、水槽の大きさは魚の数に合わせて、魚を飼育する水のバクテリアの準備をして飼育すれば、メダカの飼育はそこまで難しいものではありません。
しかし、魚の密度は目に見えるかもしれませんが、水温もバクテリアも人の目には見えません。
魚の飼育は、この目に見えない世界が意外にも重要だったりするものです。
目に見えない部分を補うために、水温計や薬品やバクテリア剤など、さまざまなアクアリウム用品があります。
なれてくれば感覚でわかるようになるので、その感覚がわからない初心者のうちこそ、用品に頼って飼育するのも重要なポイントでもありますね。
というわけで今回はこのへんで。
しろぶんちょさんや、同じ悩みを抱えるアクアリストのみなさんのお役に立てれば幸いです。
今後もアクアリストのみなさんから質問にどんどんお答えしていきます!