今回も皆さんからいただいた質問に答えていきます!
今回の質問は、水槽の掃除屋さんとしてどんなエビがいいのかというご質問をいただきました。
45cmの水槽に簡単なレイアウトをしてアクアリウムを楽しんでいます。
魚を増やしすぎたのか、最近水槽に藻のようなものが生えてくるようになりました。
いろいろ調べてみると、ヤマトヌマエビとミナミヌマエビが比較的丈夫でお掃除屋さんとして人気なようですが、どちらがいいのでしょうか?
それぞれメリットがあるので、比較して検討してみましょう!
水槽にはコケがつきもので、こまめに手入れできればいいんですがなかなかそうもいかないですよね。
タンクメイトとしてのエビは掃除屋さんの役割もあり、ショップでもとくに人気の生体です。
数種類いるエビのなかでも、掃除屋さんとして人気なのがヤマトヌマエビとミナミヌマエビです。
どちらもそれぞれ掃除屋さんとして有効ですが、どちらをどう選べばいいのか解説していきます!
ヤマトヌマエビ
ヤマトヌマエビは最大5㎝ほどの、日本のヌマエビとしては少し大きめのエビです。
雑食性なので、コケだけでなく生き物の死骸なども好んで食べます。
価格は100~200円ほどで、ミナミヌマエビに比べると少し高いですね。
ミナミヌマエビ
ミナミヌマエビは最大で3㎝ほどの小型のヌマエビです。
ヤマトヌマエビと同じく雑食性で、コケだけでなく生き物の死骸なども好んで食べます。
価格は50~100円ほどで、ヤマトヌマエビに比べると安いですね。
最近ではシナヌマエビとの混雑が問題視されていますが、生態も同じで見た目にも区別はほぼつかないといわれています。
お掃除屋さんとしての能力の違いは?
どちらも掃除屋さんとして有効な生き物ですが、それぞれ能力に違いがあるので、それぞれの特性を理解して選ぶことでより有効に水槽をきれいにしてくれます。
それぞれどういった違いがあるのか解説します。
しっかり掃除してくれるのはどっち?
掃除屋さんとして導入するなら無視できないお掃除能力ですが、だんぜんヤマトヌマエビのほうが上だといえますね。
なんといっても体が大きいので食べる量も多く、力も強いようで固い藻もちぎって食べてくれます。
繊維が太く、厄介なアオミドロなども食べてくれるのがうれしいですね。
ただし、その分弱った固体や、あまり動かない魚のヒレなどにかみつく姿も確認されているので、小型魚との混泳には要注意です。
ミナミヌマエビもコケや藻の掃除はしてくれますが、やはりサイズが小さいので食べる量も少なく、だいたいヤマトヌマエビ1匹に対してミナミヌマエビは3匹は入れないと掃除してくれない印象です。
飼育のしやすさについて
エビは魚などに比べて水質の変化に弱く、飼育するのが難しい生き物ともいわれています。
安定した水槽では大差ありませんが、同じ水質にして先に死に始めてしまうのはやはり小型なミナミヌマエビです。
ヤマトヌマエビも水質変化には弱いので、どちらを導入するにしても、水槽の水質は安定させた方が安心ですね。
また、水流についてもヤマトヌマエビに比べれればミナミヌマエビは弱いので、強い水流のある水槽では、隠れ家を作ったり、フィルターの水流を弱めたりする配慮が必要です。
水槽内での繁殖について
生き物を飼育するなら繁殖も楽しみたいという方も多いはず。
ヤマトヌマエビは、幼生が海に降りて、成長して川に戻る「両側回遊型」という繁殖方法なので、基本的に水槽内では繁殖は難しいです。
一方ミナミヌマエビは、水槽内でも水質さえ安定していれば繁殖するので、繁殖も考えている場合はミナミヌマエビがおすすめですね。
ただし、1㎜程度で生まれるミナミヌマエビは、肉食性や雑食性の魚からすれば格好の餌になるので、繁殖前提であれば混泳は要注意です。
シチュエーション別の選び方
実際に、飼育環境を例に考えて、どちらがいいか選んでみましょう!
メダカの水槽にはどっち?
メダカ水槽の場合、私ならミナミヌマエビを選びます。
サイズ的にメダカへのストレスが少ないですし、メダカの水槽には水草を入れることが多いので、ヤマトヌマエビは水草にダメージを与えることが少なくないからです。
ただし、狙って食べることは稀ですが、コケをついばむ中でメダカの卵に影響があるので、メダカの繁殖を考えているならどちらのエビも避けた方がいいでしょう。
金魚の水槽にはどっち?
残念ながら、金魚の水槽にはどちらのエビも適しません。
金魚は雑食性で、口に入るものならなんても食べてしまうため、成長した金魚はヤマトヌマエビもミナミヌマエビも食べてしまいます。
まだ小さい金魚ならヤマトヌマエビの混泳も問題ない場合がありますが、安心して脱皮できるよう隠れ家などはしっかり用意してあげてくださいね。
水草水槽にはどっち?
水草を魅せることを目的にした水草水槽の場合、どちらもOKですが、私ならミナミヌマエビを選びます。
まず水草へのダメージが少ないのが一つの理由で、ヤマトヌマエビだと、葉の細い水草や柔らかい水草を食べてしまうことがあるからです。
また細かい作業はミナミヌマエビのほうが向いているので、流木の隙間までコケ対策したい水草水槽ならミナミヌマエビを選びます。
ただし掃除能力を考えると数が必要なので、大型水槽ならヤマトヌマエビのほうがいいかもしれませんね。
飼育経験者からのアドバイス
実際に、両方飼育してみた方から実際飼育した感想を聞いてみました!
ヌマエビを飼育したきっかけを教えてください。
初めて水槽を立ち上げたとき、ショップの人から 掃除屋さんとして オススメされたのがヤマトヌマエビでした。
ヤマトとミナミ、飼育する上での違いを教えてください。
ヤマトは柔らかい水草なども食べてしまうので、水槽内のレイアウトに注意してください。
掃除屋さんとしてはヤマトは優秀ですが、水草のことを考えるとミナミですね!
ヤマトとミナミ、お掃除能力にはどのような違いがありましたか?
私の水槽ではヤマトのほうがたくさんお掃除してくれましたよ!
ただ、ヤマトはかなりの暴食家だったので、コリドラスの尾や弱った魚、稚魚まで食べてしまっていました。
今後またお掃除役としてヌマエビを飼うとしたら、どちらを選びますか?
お掃除役という点だけ評価するなら、ヤマトを選びます!
やはりミナミより体が大きい分、たくさんお仕事してくれますので。
そのほかに、質問者様にアドバイスがあれば教えてください。
ヌマエビは、最初はお掃除屋さんとして飼育しはじめると思いますが、意外に表情豊かで可愛かったりします。
水槽に入れたら、ぜひ観察してみてくださいね!!
まとめ:一長一短使い分けよう!
というわけで今回はミナミヌマエビとヤマトヌマエビの比較でしたが、単純にどちらが優秀というのは言いにくいという結論でした。
ミナミヌマエビは価格も安く、水槽内で繁殖もしますが、お掃除能力はヤマトヌマエビに劣ります。
掃除能力に勝るヤマトヌマエビも、価格が高く繁殖が困難で、水草にダメージを与えるリスクがあります。
これらの特徴に合わせて、水槽内での存在感なども考えて、水槽にぴったりのお掃除屋さんとしてお迎えしてあげてくださいね。