愛嬌のある動きと、飼育しやすさから人気の魚です。
丈夫な魚ですが、もちろん基本の飼育方法を覚えておかなければ飼育できないので、今回は元熱帯魚屋さんがドワーフグラミーの飼育方法をやさしく解説します!
覚えておくべきドワーフグラミーの特徴
グラミーは東南アジアに生息する、ベタなどと同じアナバスの熱帯魚です。
アナバスの中では温和で、小型魚との混泳も難しくないことから人気の魚ですね。
ドワーフ種は体調4~5㎝とグラミーの中でも小型の魚なので、比較的小さい水槽でも飼育できます。
弱酸性~中性の水質を好みますが、丈夫な魚なのでそこまで水質にこだわらず飼育できます。
ネオンドワーフグラミー、コバルトブルードワーフグラミーやゴールデンハニードワーフグラミーなどいろいろなカラーのグラミーがいますが、基本的に飼育方法は同じです。
以上のようなポイントをもとに、ドワーフグラミーを飼育する水槽を立ち上げてみましょう!
ドワーフグラミーにおすすめの餌
グラミーは、一般的な熱帯魚用のエサで飼育できます。
どこでも入手しやすいテトラミンや、キョーリンの小型肉食魚向けの配合飼料バイブラバイツなどもおすすめです。
赤虫なども大好物ですが、水を汚しやすいですし、すぐに沈んでしまうので、与えるときは少量ずつ与えましょう。
ドワーフグラミーを飼育する水槽
ドワーフグラミーは小型魚で、過度に水を汚すことはないため、小型水槽でも十分飼育できます。
ぐいぐい泳ぐ魚でもないので、泳ぐスペースもあまり必要ありません。
ただし縄張り意識が強いため、同種同士を複数飼う場合にはレイアウトを工夫する必要があり、水槽はやや大きめがおすすめです。
また、口が上向きで、沈んだ餌を食べにくいので、Lowタイプの水槽よりは、ある程度高さのある水槽がおすすめです。
ドワーフグラミーの数に対する推奨する水槽サイズは以下の通りです。
ドワーフグラミーの数 | 推奨する水槽の大きさ |
~1匹 | 20cmキューブ水槽(約7L) |
~3匹 | 30㎝キューブ水槽(約24L) |
~4匹 | 45cm規格水槽(約32.5L) |
~5匹 | 60cm規格水槽(約64L) |
ドワーフグラミーにおすすめのフィルター
ドワーフグラミーは肉食性の強い魚で、比較的エサもよく食べるので、ろ過装置の目詰まりを起こしやすいです。
手軽なろ過装置よりは、ある程度しっかりろ過できるフィルターのほうが扱いやすいでしょう。
また、平たい体つきなので水流にやや弱いため、水流の影響がなるべく小さいフィルターがおすすめです。
外掛け式フィルター
水槽のふちに引っ掛けて使うタイプのろ過フィルター。
やや交換ろ材のコストが高いため、ストレーナースポンジを使って目詰まりを起こさないようにするとコストが下がります。
水流はやや起こりやすいので、出力が大きいものではなく、水槽サイズの推奨サイズのものを選びましょう。
上部フィルター
水槽の上に設置するタイプのろ過フィルター。
ろ材の自由度が高く、コストも安いのがメリットですね。
水流も基本的には弱めなので、ドワーフグラミーにもおすすめのフィルターです。
ただし最低でも30㎝水槽、一般的には60㎝水槽以上で使われるフィルターなので、やや大きめの水槽でグラミーを飼育するときにおすすめです。
ドワーフグラミーにおすすめのヒーター
ドワーフグラミーは暖かい地域に生息する熱帯魚です。
比較的丈夫な種類ではありますが、水温が下がるとエサ食いが悪くなりやすいので、保温はしてあげたほうが安心です。
基本的にはオートヒーターで十分ですが、繁殖も狙うのであれば温度設定できるサーモスタット使用ヒーターもおすすめです。
ヒーターは水槽の大きさに合わせて出力を選んでくださいね。
出力(ワット) | 水槽の水量(リットル) |
10W | ~4L |
30W | ~10L |
50W | ~18L |
80W | ~30L |
100W | ~40L |
120W | ~48L |
150W | ~60L |
ドワーフグラミーにおすすめの砂利
グラミーは弱酸性の水を好むので、ソイルがもっとも適しています。
水草育成にもおすすめですし、エビなどの育成にもベストです。
ただし崩れやすく、交換が大変なので、扱い方はすこし気を使わなければいけません。
基本的には中性あたりでも問題なく飼育できるので、天然砂利やろ過砂利でもOKです。
青系のドワーフグラミーの場合、底が白いと色飛びする(体色が薄くなってしまう)ことも多いので、暗めのものがいいでしょう。
ドワーフグラミーにおすすめのレイアウト
ドワーフグラミーは水草に悪さをしないため、水草レイアウトがおすすめです。
細身で柔らかな水草であれば、描き分けて泳ぐような姿も楽しめます。
ただしCo2添加や定期的なトリミング、照明の用意など手間がかかるので、初心者の方はまずドワーフグラミーの健康管理を意識して飼育するといいでしょう。
縄狩り意識が強いので、同種同士で複数飼育する場合には、人口水草でもいいのでレイアウトしておくと安心です。
ドワーフグラミーと混泳しやすい魚
ドワーフグラミーは同種同士、または同じぐらいのサイズの魚とは小競り合いをすることが珍しくありません。
逆に小型魚とは仲良く同居できるので、ドワーフグラミーを中心とした混泳水槽も作れます。
とくにおすすめの魚たちをピックアップしてご紹介します。
ネオンテトラ
小型魚の代表的な種類。
小型魚の中では丈夫ですし、群れで泳ぐ姿は水槽内でも存在感がありますね。
グローライトテトラ
ネオンテトラと同じくカラシンの一種。
こちらも丈夫な種類ですし、ほかの小型魚とも仲良くできるので、ネオンテトラと合わせて投入するのもおすすめです。
ヤマトヌマエビ
やや大きめの淡水エビで、複雑なレイアウトでもきれいに掃除してくれます。
ミナミヌマエビだとグラミーに食べられる心配がありますが、ヤマトヌマエビでは食べられる心配も少ないです。
コリドラス
底面を掃除してくれるナマズの一種。
生活圏が違うので、繁殖期に入ったグラミーもあまり気にせず混泳できる可能性が高いです。
ドワーフグラミーの繁殖方法
グラミーはアナバスらしく、独特な繁殖方法をとります。
まずはペアを繁殖用の水槽に移し、弱酸性、26℃程度に維持します。
オスののど元からおなか当たりまでが黒く染まり、婚姻色を表すのが繁殖期の合図ですね。
オスが水槽のフチなどに泡で巣を作り、産卵するとそこに卵をくっつけていきます。
卵はだいたい二晩程度でふ化し、オスが面倒を見ますが、メスは稚魚や卵を食べてしまうことがあるので、産卵後隔離しましょう。
初期試料としてインフゾリアを与え、7日程度経ったらブラインシュリンプをふ化させて与えます。
ブラインシュリンプを与えるようになったら、オスも隔離してOKです。
だいたい6~8か月程度で、流通しているサイズまで成長します。
グラミーは丈夫な魚で、水槽内でも存在感があるおすすめの魚です。
繁殖する姿も幻想的ですし、はまるとどっぷりファンになってしまう方も少なくありません。
ぜひドワーフグラミーを飼育して、アナバス種の魅力に魅了されてみてはいかがでしょうか。